カウンセラーがどのような態度・視点を持っているか、この点はやはり知っていただく意義のあることと捉えています。
他の物事でも良く見られるように、より早く、費用を最小限にということも大事な事ではあるとは思いますが(実際、早い展開もよくあることですが)、最も力を注いでいる点は別にあります。
ここでは、当オフィスで行っているカウンセリングについて、二つの事に触れます。

まず第一に、最もと言えるほどエネルギーを注いでいることに、安全面への配慮があります。
工事現場でもないのに、そぐわない表現とお感じになられる方もあるかと思います。
誰かが自分の悩みの話しを聞いていたり、部屋を自由に出入りして突然扉が空いたり、または、話の内容を評価されていると感じるような時、我々は脅威を覚え、自分自身の気持ちがわからなくなってしまうことがあると感じます。
その他にも、カウンセラーに、一方的なほど自分の価値観や経験、考え方ばかりを押し付けるような態度があっては、否定されるという恐怖もお持ちになってしまうのではないでしょうか。
これらはカウンセリングを行うための、時間や空間にふさわしいとは言えません。
前向きな話しだけではなく、苦悩や悲しみ、怒りなども大事に、十分に時間と労力を割いていただける場となることの方が重要と感じています。
こうしたことへの留意が、安全性を高めることに繋がると考えています。

何かが進展したり、解決に物事が動くとき、それはご本人自身の力によるものと常々感じています。
カウンセリングの方法には、ソリューション・フォーカスト・アプローチのように、各種名称があるとはいえど、予め準備された方法や理論によってばかり進められるべきものではありません。我々も時に理論や技法にばかり偏って本来の援助を見失いかねないという危惧を持っています。
カウンセリングにおいては、専門家が一方的に進めて何かがもたらされるのではなく、ご本人の持ち味や力に意識が向き、それを発揮やすくなるような時間とも言えないかと常々感じています。専門的にはこの力の事を「リソース」と呼びます。
これは本来、医師など他の職種が近い表現をとっていることも多々あるように、カウンセリング特有の事ではないのかもしれませんが、その人の場合はどうかという、非常に個別的なところを大事に考えています。
下記は、その他関連することを書いています。
ここで語られることは、その人のとても大事な物語
ここでお話になるという行為は、もしかしたらためらいを感じることかもしれません。 そのためらいを大事にしていただきながらお話を伺いたい気持ちでおります。
人と人が会うための工夫がされている
カウンセリングは「人と人が会うこと」を指すのではないかと感じます。一方で専門的行為であります。いかに人と会うかということが、専門性の一つと言えるのではないでしょうか。
見知らぬカウンセラーであること
カウンセラーは日常生活上で接点のない存在であることが、カウンセリングの一つの特徴であると感じます。評価や普段の人間関係上の立場などから離れたものです。
物事の見方について
一つの物事に対する見方は一つとは限らないのではないか。そんな発想をカウンセリングでは大事にしています。物事は多様な可能性を持ちうると感じます。
例えば、それは世間がネガティブに見がちな出来事であっても、その人にとって重要な意味を持つ可能性のことです。
対話を通して、その人が進みたい方向を探す
ここに訪れる方は、既にその方にとっての答えのようなものを持っているのではないかと感じることがあります。しかしそれはまだ明確には表れてもいないようです。