カウンセリングというと、基本的には言葉による対話が中心になります。
このイメージは世間一般に抱かれているイメージとも近いと思います。ですが、無理やり話しを進めなければならない時間というわけではありません。
人によって語りのタイミングはそれぞれですから、誰でもすぐに言葉にまとまるという風にはいかないわけです。
むしろ、「自分でもまだまとまっていない」とか「適当な言葉がみつからない」など、そのような時にはその感じを大事になさっていただきたいと感じています。
カウンセリング序盤には言葉にならなかったことが、途中から自然と言葉にまとまっていくということは、実際経験しています。
カウンセリングは早いことが良いものでもない
現代社会の動きを見ていると、益々、加速しているように見えます。リニアモーターカーは夢のようでもありますが、どこまで我々の社会は加速するのでしょう。早い社会が豊かな社会なのでしょうか。
確かに、ソリューション・フォーカストやブリーフサイコセラピーなどと言っていることもあって、短期間に面接が終了することも決して稀ではありません。
しかし、それはそれとしても、早ければいいという単純なことではありません。
もしカウンセリングを行っている中で、一度にではなく3回くらいに分けて話してみたいとお感じになられたならば、その感覚を尊重させていただきたいと感じます。
なんとなく、何事も早いことが良いとする社会的通念があるように時々感じますが、カウンセリングでは、その方にとって意味ある時間の使い方をしていただける方が、カウンセリングにお越しいただいた甲斐があるように思います。
お望みならば、必要な期間、長くご利用いただくことも可能です。
積極的にたくさん話をしなければいけない時間ではない
カウンセリングは言葉による対話が中心になると書きましたが、だからといって、早く、たくさんの話をしなければいけない時間ではありません。
カウンセリングへのイメージの中には、何かをたくさん話して、そして何らかの分析を行っていくようなことが含まれていると思います。このようなカウンセリングの展開はあるにしても、それは一面であり、全てのカウンセリングが辿る展開ではありません。
語りのスピードやタイミングはそれぞれですし、今回はここまでにしておきたいという場合もあるでしょう。1回のカウンセリングで、数回の発言しかなかったとしても、それは意味のある時間であった可能性があります。ご自身にとっての進め方を探して頂ける方が有益な時間になるものと考えております。