復職のカウンセリングはどのように進める?

様々な事情のために我々は仕事を休職することがあります。この10年程の間に、休職や、復職については、メディアで取り上げられる機会が増えたように感じられます。

臨床心理士の活動の動向を見ていても、リワーク領域で活動する心理士が増えている印象を受けます。病院で、復職専門のプログラムを設けている機関もたくさん目にするようになりました。

カウンセリング以外の、復職支援は様々な角度から行われています。

また、復職に限らず、職場におけるメンタルヘルスへの関心の高まりは年々進んでいます。昨今では、ストレスチェックが義務化されたように、多くの人がなんらかの形で、メンタルヘルスを意識する機会が増えてきています。

復職のためのカウンセリングはどのように行う?

復職のカウンセリングでは何を行うのか?

それでは、カウンセリングの場合は、どのような支援を行うのでしょう。病院のデイケアのようにプログラムが決まっていればわかりやすいものですが、心理カウンセリングの場合は、そういうものでもありません。

また、医師の診察とも異なります。メンタルヘルスの一環や一部という括り方であっても、そう言い切れないところがあります。

それは、カウンセリングが、その人の生き方や価値観に関わる事柄をテーマとしていくこともあり、狭義のストレス対策とは異なるためです。

復職にまつわる心理的な事柄

復職にまつわる心理は、複雑なものであると感じています。単に、休養して復帰するというだけではないと思います。

  • 職場は忙しいのに、自分だけ休んでいて良いのだろうかという罪悪感
  • 復職直前の不安
  • 周囲にどう見られているのかという恐怖
  • 休職中の肩身の狭さ、どう過ごしていいのかわからない
  • 安定しない体調
  • 家族との関係

こうしたものとの、いわば戦いの様な状況もあると多々あると思います。

カウンセリングは訓練ではない

カウンセリングは指導や訓練の場ではありません。その人、その人に合った復職の方法を探していきます。

復職後の業務や人間関係への不安などがテーマとなることもあれば、そもそもの、自分自身の生き方へ意識が向くこともあります。

人によって、全く別な展開を辿ると言えるでしょう。

例えば、ある人は、周囲とのペースの違いをテーマに上るかもしれません。

その場合、自分自身のスタイルを再構築する機会として頂ければ、復職後の仕事はやりやすくなるのではないでしょうか。

幅広い視点の中で行う

上述したよううに、カウンセリングは、非常に細かい話になることもあれば、生き方に及ぶこともあります。また、その両方を、行ったり来たりしながらという場合もあります。

時に、カウンセラーも含め、業務量とか、職場の人間関係などの点だけに意識が集中してしまうこともありますが、もう少し幅広い視点で、この1件を考えてみることで、進展を生む場合があります。

そもそも、本当に急いで復職することが良いのか、くらいのことも含めた話の幅を持った方が、有益なのではないかと感じています。また、仕事に限らず、家庭内のことに話が進むこともあり得ます。

カウンセリングの特徴的なところは、この辺りにあるのだと思います。

ある事柄に対して、幅広い観点からその物事を捉える機会となる可能性を持つ場合があります。

日常の中では、あまり重要に扱われていなかった事柄であっても、実はそこに大きな意味が含まれていることに気づく場合さえあり得ると考えています。

それまでの働き方を否定するものではない

カウンセリング全般に言えることですが、上述したように、カウンセリングは訓練ではなく、その人の在り方を尊重する時間です。

復職のカウンセリングにおいても例外ではなく、それまでの働き方や、対人関係の取り方を否定するものではありません。そうするにはそうする意味があるのだという視点を持っています。

その上で、話し合いを続ける中では、新たな視点が相談者、カウンセラー間に生まれてくることがあります。

その場合も、今までの在り方を否定するものではなく、せいぜい、プラスアルファないしは、A´(AがAダッシュになる)というぐらいのイメージです。カウンセリングは復職ということをテーマ・題材にして、より本人らしさを深める時間とも言えるのではないでしょうか。

他の人と同じになるというよりは、その人らしい仕事の仕方や対人関係の取り方が展開されていくと想像しています。

休職した意味

そして、休職自体に、ネガティブなイメージを持っている方も少ないと思いますが、長い人生の中での、その人にとっての休職と言う体験をした意味、という点に話が及ぶこともあるでしょう。

このような視点も踏まえてカウンセリングを進めて行きたいと思います。