最終更新日 2024年10月6日
遠慮しがちである、とか、引っ込み思案であるなどと悩む場合、自分自身の在り方を良いこととは捉えていないからこそお悩みになられるのだと思います。
社会が、「積極的であれ」、とか、「外に出た方が良い」、などという風潮ですから、益々自分の在り方に自信がもてなくなってしまいそうな世の中でもあります。
ですが、本当に、遠慮しがちなことや引っ込み思案は良くないことなのでしょうか?
変わらなければならないのかも含め、カウンセリングで検討する
カウンセリングを学ぶと、受容や共感ということを知ることになります。カール・ロジャーズが提唱した、カウンセラーの態度は有名です。
これは単に、CLの語りをそのまま受け止めるということには留まらないことだと感じています。
そこには、現在の在り方や状態そのものを肯定するというニュアンスがあると言った方がより適切ではないでしょうか。(本質的には、もっと幅広く全存在の肯定などの表現になるでしょう。)
本当にそれは直さなければいけないのかも含めた検討を
時に、「こんな自分を変えなくてはいけない」、「直していかなくてはならない」という思いから、カウンセリングを決意される方もいると思います。
その決意や何と自分自身への否定感など、これらのお気持ちをお伺いすることも一つの役目であると思います。そしてもう一つには、カウンセラーがその人の元々の状態や在り方を無理に変えようとする態度は、やはり、その人を否定していることに繋がるのではないかとも思うのです。
カウンセリングでは、こうした点も含めて話を進めて行きたいと思っています。
面接を進める中で、実はその人の持ち味がそこに見つかったり、現在の状態を取っている意味が浮かび上がってくることもあります。(雨の日には傘を差すという事ぐらいに、ごく自然なことに近いと思います。)
カウンセリングにおける変化とは
自分の在り方に疑問を持った人が、カウンセリングを継続していくと何が起きるのでしょう。
変化するということは、やはり良くなかったことを改め修正していくということなのでしょうか?
実感的には、やはり何かが改められるというよりは、よりその人らしくなっていく過程と言う方が近いと思います。
心情的には、「やっぱりこれでいいのだ」、「意味があるのだ」、というお気持ちが表れてくることもあるものと思っています。
せいぜい、「A」だった事柄が、「A´」になるというようなもので、もともとの在り方は大切にされたままの変化と言えるのではないでしょうか。現実場面でもその方がうまくいくか、問題視していたことが気にならないなどの変化もあるようです。
積極的が良い、などという世間の語りに捕らわれない、自由な発想の中で面接を進めたいと思っています。
まとめ
今の自分を変えなければならないという切実な思いを抱えてカウンセリングにお越しになられる方もあるでしょう。
もちろん、そうした思いも無視できることではありません。
時には、様々な対話を重ねる中で、新たな視点が見出されることもあります。