【運営元オフィス概要】

心理臨床オフィスまつだ

代表:臨床心理士 松田卓也

所在地:千葉県柏市3丁目7-21 椎名ビル 603

電話番号等:ホームページでご確認下さい

カウンセリングでは、セッション体験を重視する立場も多い

セッション体験と生活体験の関係 アプローチについて

最終更新日 2024年10月6日

カウンセリング1回の事を、ワンセッションと呼ぶことがあります。

これは、カウンセラーのオリエンテーションによって異なりますが、ある人たちはこの立場に添っています。

セッション体験重視の立場とは

カウンセリングは主に言語を援助手段としますが、その限りではないことを折に触れて書いています。

そして、言語も動作もそれ自体が主ではなく、もっと根本にあるものは「体験」という概念にあります。

つまり、セッション体験重視とは、セッション中にどのような「体験」がなされるかという点に尽きます。

一方、日常生活上の体験を、「生活体験」と呼んでいます。

カウンセリングでは心理支援を行っているわけですが、日常生活上でも心理支援は行われています。このことに関しては以前の記事でも触れました。

まず、日常生活とは我々が普段生活している空間や交友関係の展開される場のことを指しています。学校であったり、家庭であったり、職場であったり、カウンセリング以外の時間のことです。ここでの登場人物は家族や友人、知人、医師、教師など、カウンセラー以外のすべての人を指します。

この日常生活の中で、人は様々な体験を通して、カウンセリングに行ってみようと考え、カウンセリングオフィスなどに問い合わせが生じるという流れがあります。

カウンセリングの場は、日常生活とは異なる異質な空間です。これを非日常という言葉で表現することがあります。非日常は日常生活の中にも存在するのですが、カウンセリングは、カウンセリングを行うことに特化した非日常的な空間と考えています。

カウンセリングの訪れた方は、ある種の変わった体験(日常生活ではあまりない体験)をなさって、日常生活に帰って行きます。この体験自体にどのような意味があるかについてはまた別な機会にと思います。

カウンセリングの後に、日常生活へと戻って行かれますが、さらなる心理支援はこの中で行われています。

CLの全てに関われる存在ではない

我々は、1回50分程度のセッションの時にだけしかCLと会う機会がありません。

生活場面で支援する存在ではありませんから、多くを知ることはできませんし援助もできないのです。

セッションの純度を高め凝縮された時間を提供している

我々の援助方略は、セッション体験の純度を上げ、そこへ援助を集約・凝縮させるものです。

これは、CLの持つ力と、CLの周囲の環境や人、文化などの力を信じる態度が背景にあります。それがなければ心理支援単独の力などたかが知れていると考えています。

参考サイト:大事にしている事

日常生活の変化

セッション体験が日常へ波及、生活化するとする考え方があります。

本当にそんなことが起きるのだろうかと、疑わしく感じられる方もあると思いますが、基本原則はずっとこの方略でやってきたはずです。

セッション中にどんな体験が生じているのか?

では、セッション中有用な体験とはいかなるものなのでしょう。

それは例えば、安心感であったり、主動感であったりします。

  • 安心感:穏やかに、安心して過ごせる時間
  • 主動感:自分で動かす感じ
  • 達成感:何かをやり遂げた感覚
  • 自体感:自分の体の感じに対する体験

このような体験がセッション中に起きることがあります。例えば、臨床動作法においては「自体感」は、置きやすい体験と言えるでしょう。

肩凝りなど意識していなかった人が、体に注目する方法を体験したことで左右の肩凝りの違いなどに意識が向くかもしれません。

それは、疲れを認識する機会になる可能性もあり、日常においては疲れを意識しやすくなるという変化が起きる可能性があります。

まとめ

「セッション体験」の視点は、臨床動作法、或いはその関連するアプローチを学ぶ者の間で日常的に用いられる概念ですが、他のアプローチにおいても、この視点は意味をなすと考えられる。