総合病院におけるカウンセラーの活動

病院といっても、病院の種類によってカウンセラーの活動は様々であると述べました。単科の精神科と総合病院での活動はかなり違いが出てくるでしょう。

総合病院

身体科

単科の精神科に比較すると、総合病院には体の病気を治療するために通院している人がいらっしゃいます。長期入院して治療している方もいらっしゃいます。

一つには、体の病気と心理的な要因などが密接に関係していると考えられる場合、主治医が心理カウンセリングを勧める可能性が挙げられるでしょう。

耳鼻科や眼科、外科、内科など精神科以外の医師がカウンセリングの依頼を考えるわけです。その場合、一度精神科を受診してからカウンセリングを行うという体制の病院もあれば、各診療科の医師から直接カウンセラーに依頼可能である体制の病院もあるでしょう。

心療内科

少し別な話でまた別項でも書きたいと思いますが、身体科と親和性が強い診療科に心療内科という科目があります。精神科医との相違はどこにあるのか、一般にはあまり知られていませんが、精神科医とはまた異なる専門性を持っている医師たちです。

心療内科では、体の病気と関係していると言われている心身症を治療の主たる対象としています。胃潰瘍などがその説明に用いられることが多くあります。

闘病支援

少しだけ上述しましたが、総合病院では体の病気の治療に専念するため、入院している方もいらっしゃいます。がんや各種難病を長期に闘病されている方も多く入院されている病院も多数あります。

心理臨床というと精神科のイメージが強いのですが、長い闘病生活を支援することも、多職種と協同しながらカウンセラーの担える可能性のあることの一つに挙げられています。

こうした活動も徐々にではありますが進展しています。精神科においても同様ですが、カウンセリングは無理に行う性質のものではないと少なくとも私は考えています。

負担にならないカウンセリングを工夫する

闘病中の方にとって、負担とならない形のカウンセリングが望まれるのだと思います。カウンセリングも工夫次第ではかなり柔軟な枠組みの中で援助の可能性を持った行為であると考えています。

医学的な治療上、点滴や注射を途中で中止することは難しいのかもしれません。しかし、カウンセリングは負担がかかるようであれば中止できるものですし、無理にやるようなものではないのです。いわばここに、医療現場の中に置けるにカウンセラーの存在意義を垣間見ます。

  • 時間に関する工夫

重要な点のため少し詳しく触れたいと思いますが、カウンセリングは通常50分程度を1回の目安にして行われています。また、初めてののカウンセリングについては、90分程度の時間を確保している場合もあります。

体のどこかに痛みを伴っていたり、呼吸の苦しさを伴っている人もいる中で、90分の連続はいかがでしょうか。

時間はカウンセリングにおいて特段大事な枠組みですが、変えていけないことではないはずです。体調面に配慮された時間の設定は工夫されるべきだと思っています。

工夫の仕方は様々だと思います。50分のところを、30分や20分にする、とか、週1回のところを、2回に分けて行うとか、のことを指します。

  • 場所

通常のカウンセリングでは、カウンセリングルームや相談室などという名称の部屋を用いて面接を行います。しかし、体調不良の中、わざわざ相談室に移動する負担は大きいものです。

この場合、個室ならば病室の中で行うことも必要でしょう。また、ナースステーションに空き部屋や、使える部屋があればそこを一時的に借りることも一つだと思います。

普段と違う場所でカウンセリングを行う場合、プライバシーへの配慮や、その部屋の居心地、温度管理なども重要なことです。カウンセラーは面接前に暖房を準備したり、ナースステーションにこれから何時まで使用する旨を告げるなどしておくと臨時的なカウンセリングスペースができあがります。

もし、ナースステーションへの連絡を怠れば、面接中であってもいつものように病棟スタッフが入室してくることは当然のことでしょう。それでいて、「病棟スタッフはカウンセリングに理解がない」などと嘆くのは論外ではないでしょうか。

理解を得ることは大変ではあると思いますが、専門職として、カウンセラーがなんとしても安全な空間を作り、守り抜くことではないでしょうか。

精神腫瘍科(サイコオンコロジー)

もう一つ診療科を述べると、近年、精神腫瘍科と呼ばれる科を置く病院があります。精神医学や心身医学そのものを背景とするのではない、精神腫瘍学(サイコオンコロジー)がを背景とした活動があります。まだ馴染みのない言葉ではありますが、徐々に浸透していくのではないかと思います。

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