対話を通して、その人が進みたい方向を探す

航路

 

ここに訪れる方は、既にその方にとっての答えのようなものを持っているのではないかと感じることがあります。しかしそれはまだ明確には表れてもいないようです。

 

一人一人の答えが異なるため、カウンセリングはその人その人によって千差万別な形になります。

実は、カウンセラーとは何を行う存在なのかと思うことが多々あります。

つまり、多くの助言を行ったりすることなく、終了に向かい、物事が望ましいと思われる方向に動き出すことがやはりあるのです。

確かに、助言のような形をとっているかのように見える場合もありますが、基本的にカウンセラー側の考えを押し付けているつもりはないのです。

不思議な経験をしたと感じていましたが、むしろ本質はここにあるのではないかと徐々に感じはじめてきたのです。

少し、科学的な感じからは離れているとお感じになられるかもしれませんが、川に水が流れるように、日が沈んだり、登ったりするように、いつでも世の中は動いているわけです。

そして、それはどうも進みたい方向に向かっているのではないかとも感じます。

風が吹いたとき、風は吹く必要があって吹いたのではないかと思うのです。

カウンセリングの場合も、お見えになった方には既に、どのようにしたいかということが内に秘められているように感じます。(ですが、まだ明確に意識はされていないようです)

ですから、カウンセラーはそのことを明確にするお手伝いをしているに過ぎず、面接を続けているうちに、「こっちです」と自分自身の進みたい方向をお探しになっているのではないでしょうか。

進みたい方向が見えてきた段階で終了することも一つの方法であると思います。

また、進みたい方向に進んでいく過程を供にという場合もあるでしょう。