一つの物事に対する見方は一つとは限らないのではないか。そんな発想をカウンセリングでは大事にしています。物事は多様な可能性を持ちうると感じます。
例えば、それは世間がネガティブに見がちな出来事であっても、その人にとって重要な意味を持つ可能性のことです。
カウンセリングを行う中で大事にしていることの一つに、物事の見方に関することがあります。
これは、ある物事には一つだけの見方だけではなく、別な見方をすることができるという可能性のことです。
もし、一般的に「それはこういうものである」と理解されている物事があるとします。
例えば、悩むことは、多くの場合ネガティブに捉えられがちです。
悩んでいる時間があるなら行動に移した方が良いとか、時間がもったいない、やっているうちに解決していくものだ、と考える人は少なくはないものです。
ですが、「なんだかひっかかる」、その物事を進めて行くことに「躊躇いを感じる」、という人もいることでしょう。
このような時に注目したいことは、大きく言えばその人の人生のなかで、その躊躇いやひっかかりはどういう意味を持つのかという点です。
周りが推奨していることに何かひっかかりを感じるわけですから、ひょっとすると、思うことがあってのことかもしれません。
むしろ、ひっかかりを感じたことに意味があるのではないかと感じます。
例えばそれは、仕事の仕方への迷いであるかもしれないですし、どこにエネルギーを注ぎたいのか迷っている、または仕事以外のことへ価値を見出しはじめているという兆候であるかもしれません。
それ以外の複数の可能性が含まれているかもしれないわけです。
この場合、世間が言うことにひっかかりを感じたということは、実はもっと前向きなニュアンスを含んでおり、よりその人らしい生き方を模索しようとする機会であるとも見えてきます。
つまり、しっかり悩むことがその人の人生の方向性をより明確にしてくれる可能性を備えています。
このように、一つの出来事を別な角度から捉えてみることで、新たな生き方や可能性が開けるということも多々あります。
それはとってつけたようなものではなく、その人のストーリーに沿った見方が浮上してきた時、腑に落ちるような体験をなされるのではないでしょうか。