職員研修の要請

実は臨床心理士に職員研修の要請が来ることがあります。

要請

これは、臨床心理士の専門性4つの中の、「臨床心理的地域援助」に該当する活動になると考えます。普段のカウンセリング経験の蓄積や、臨床心理学を通して得た専門的知識などを活用した研修プログラムを作成することもあります。

研修の全てを任されるという機会は少ないかもしれませんが、研修の一コマや、あるテーマに関する研修について依頼があるのです。

研修というと講義形式の内容からワーク形式の内容もあり、計画の仕方によっては
有意義な研修プログラムを作ることも可能になってきます。

しかし、職場の意図するところやニーズというものがありますので、
基本的には依頼に合わせた内容になるわけです。

総合病院では、職員の人数も多く、こうした依頼が来る機会は珍しく
ないでしょう。

例えば新人研修の一コマを臨床心理士の立場から何かやってみて欲しい
という依頼が来るかもしれません。

また、看護師さん達が所属する部門が圧倒的に人数が多く、院内研修も頻繁に行っています。

ストレスとか、リアリティショックなどその切り口は様々です。(このリアリティ・ショックという言葉は聞き慣れませんが、看護師さんの間ではかなり頻繁に使用するのだそうです。)

時には、カウンセリングの知識を用いた研修も可能でしょう。

例えば、「傾聴」という言葉は、カウンセラーだけのものではなく、看護師さんたちも実践なさっているわけです。また、心理的ケアを実践しているのは、カウンセラーだけではなく、看護師さんをはじめとする諸医療スタッフなのです。

こうした心理ケアに関することを、心理臨床家の立場からお伝えするようなことはあります。

しかし、看護師さん達に、カウンセラーの学んできたことを押し付けるという発想ではなく、役立てて頂くとか、発想を参考にしていただくというニュアンスの方が近いと感じています。

カウンセラーにも専門性があるように、看護師さんたちには看護師さんたちの専門性や持ち味があるわけです。看護師さんの持つその持ち味は、カウンセラーが持っていない力や特性であったりします。時に全く思いつきもしなかった発想を、看護師さんが提供してくれることがあるのです。

心理ケアの分野だからと言って、心理ケアの方法や考え方を臨床心理学的に統一する必要などないと考えています。それこそ、心理ケアが機械化し、本来の人間と人間との交流という側面を見失うことになってしまうのではなかと危惧します。

いかに、我々カウンセラーの方法や考えを、他職種にお伝えするかということも、ある種の専門性だと思っています。

※ストレスマネジメントを病院内で実践する、フィクション記事があります。ご参照いただくと、実際の様子がわかりやすいと思います。

ある心理士の取り組み 第1話 組織からの要請