大事にしている事

カウンセリングを行うカウンセラーがどのような態度・視点を持っているか、

この点はやはり知っていただく意義のあることと捉えています。

ここでは、当オフィスで行っているカウンセリングについて、

二つの特徴を挙げたいと思います。

 

  • 安全な場所であること
  • その人がそもそも持つ力を信頼する態度

 

安全な場所であること

まず第一に、カウンセリングにおいて、最もと言えるほどエネルギーを注いでいる

ことに、安全面への配慮があります。

工事現場でもないのに、そぐわない表現とお感じになられる方も

あるかと思います。

しかし、誰かが自分の悩みの話しを聞いていたり、

部屋を自由に出入りして突然扉が空いたり、または、話の内容を評価されていると

感じるような時、我々は、脅威を覚え、自分自身の気持ちがわからなくなってしまう

ことがあると感じます。

その他にも、カウンセラーに、一方的なほど自分の価値観や経験、考え方ばかりを

押し付けるような態度があっては、否定されるという

恐怖もお持ちになってしまうのではないでしょうか。

これらはカウンセリングを行うための、時間や空間にふさわしいとは言えません。

前向きな話しだけではなく、

苦悩や悲しみ、怒りなども大事に、

十分に時間と労力を割いていただける場として頂けることの方が重要と感じています。

そのためにも、カウンセリングの時間の安全性を高めるよう努めています。

以下3つのタイトルは、安全性に関することに触れた内容です。

 

とても大事な物語

とても大事な物語

 

カウンセリングでお話になるという行為は、もしかしたらためらいを感じることかもしれません。 そのためらいを大事にしていただきながらお話を伺いたい気持ちでおります。

 

 

 

カウンセリングは、カウンセラー主導で無理に押し進めるものではないと考えています。

経済や文化、文明が日々忙しく流動しているように、

カウンセラーを取り囲む事情も日々流動しています。

臨床心理士(心理カウンセラー)の使命や役割として、社会からの要請は多岐にわたり、

益々その範囲を拡大させています。

特に臨床心理的地域援助という専門性をもつ中では、企業や学校などの組織の

中へ入って活動するなど、直接的なカウンセリング以外の活動も増えています。

これらの要請に応えることは、我々の一つの使命であると受け止めると同時に、

臨床心理士の専門性の中核であると考えている、個々のカウンセリングを

大事にしたいという思いがあります。

 

カウンセラーが変わらない態度で、可能な限りいつもその場に居続けるという行為を、

少なくとも当オフィスの本業としたいのです。

カウンセリングでは、ご相談にお見えになった方のお話をお伺いするわけですが、

カウンセラーを目の前に、ある一定の時間、面接室の中で語られるそのことは、

特殊な体験を伴う時間となる場合があります。

実はカウンセリングでは、普段意識の向かなかった新たな視点や

意味が見つかったり、向かいたい方向が明らかになってくることがあります。

カウンセリングとは、個々に語られる物語を大事に扱いたいとする

時間のことではないかとも感じております。

 

見知らぬカウンセラーであること

見知らぬカウンセラー

 

 

カウンセラーは日常生活上で接点のない存在であることが、カウンセリングの一つの特徴であると感じます。カウンセリングは、評価や普段の人間関係上の立場などから離れたものです。 

 

 

カウンセリングの特徴の一つに、お話をお伺いするカウンセラーが、

基本的に日常生活上で接点がない者であることが挙げられます。

特に、当オフィスは独立した機関であるため、この特徴を挙げやすい立場にあると考えます。

学校などの組織内に、カウンセリングルームが設置されている場合では、

どうしても廊下ですれ違ったり、何かのイベントで一緒に

なったりすることが自然と起きやすいはずです。

そういう意味では、組織内でカウンセリングを行うには、

その組織にあった工夫が必要になることも多々あります。

その他、例えば友人やご家族が相談相手の場合、

相談が終わった後もその関係は続きます。

それは、相談のあとに友人と食事に出かけたり、

友人から別な相談話しがはじまることも十分ありうることを意味します。

このようにして、友人との関係を深めていくこともあるでしょう。

心理カウンセリングの場合は、お約束いただいたカウンセリングの時間に

オフィスの中でお会いする以外に、日常的な接点は基本的にありません。

これは特殊な場面・人間関係とお考えいただけるかと思います。

この特殊性もあって、友人やご家族との間では意識を向けにくいことにも、

気兼ねなく十分意識を向けやすくなるのではないかと考えています。

例えば、休暇を取りにくい友人に向かって、

旅行の話題ばかり出すことは気がひけてしまうのではないでしょうか。

ご友人は一回の旅行さえも行けないほどに忙しいスケジュールでいるのに、

自分が旅行のことで悩んでいるとは、気を使って言い出しにくいものと思います。

ですが、その方にとっては確かに旅行のことで悩んでいる気持ちは存在するわけで、

このような場合には、ご友人との会話の中では、

語られることのない思いが残ってしまうかもしれません。

カウンセリングでは、その人にとって意味のある気持ちや話題に

十分意識を向けていただけるような時間と場所を守っているわけです。

 

人と人が会うための工夫

人と人が会うための工夫

 

カウンセリングは「人と人が会うこと」を指すのではないかと感じます。一方でカウンセリングは専門的行為であります。いかに人と会うかということが、カウンセリングにおける専門性の一つと言えるのではないでしょうか。

 

 

カウンセリングは、通常の人間関係とは大きく異なります。

まず、カウンセリングでは時間がはっきりと決まっています。

当オフィスの場合は初回60分、2回目以降50分というスタイルで行っています。

日常の人間関係の中では、ここまで明確に時間を決めた会い方をすることは

滅多にないことでしょう。

次に、お会いする場所が、当オフィスの中だけということが挙げられます。

通常の人間関係であれば、カフェやレストランなどを待ち合わせ場所に選ぶかもしれませんが、

当オフィスのカウンセリングの場合は、面接室の中でしかお会いしていません。

もうひとつ挙げれば、料金が発生するという点になるでしょう。

通常の人間関係で、人と会うことに料金が発生することは

非常に稀な状況と言えるでしょう。料金が発生することで、

カウンセリングの時間に対する重みづけがなされているわけです。

このように、カウンセリングではある種、特殊な会い方をしているわけですが、

こうした設定の中でお会いする背景には、安心して人と人が会える時間と場所を

守ろうとする気持ちがあります。

通常の人間関係の中では、もしかしたら相談相手は何かを急いでいるかもしれませんし、

途中で電話が鳴るかもしれません。

その場合、忙しいのに申し訳ないというような思いに駆られ、

相談自体を延期しようと決断されるかもしれません。

また、自分のことに時間を割いてもらってしまったという、

なんとなく後味の悪さが残る場合もあり得るものです。

カウンセリングという特殊な状況下では、努めて

日常的な要素を持ちこまないようにしております。

これを専門的には非日常性と呼びますが、この非日常性が、

カウンセリングの醍醐味の一つであると考えています。

この状況下で、普段の価値観から離脱し、自由な語りが展開される中で、

新しい発見や新たな視点がうまれることに繋がると感じています。

 

 その人がそもそも持つ力を信頼する態度

 カウンセリングで、何かが進展したり、解決に物事が動くとき、

それはご本人自身の力によるものと常々感じています。

ご本人の持つ、持ち味や、力に意識が向きやすくなるような時間とも

言えるのではないでしょうか。

以下、2つのタイトルは、その人が持つ力を信頼する態度に関係する内容を記しています。

物事の見方について

物事の見方一つの物事に対する見方は一つとは限らないのではないか。そんな発想をカウンセリングでは大事にしています。物事は多様な可能性を持ちうると感じます。

例えば、それは世間がネガティブに見がちな出来事であっても、その人にとって重要な意味を持つ可能性のことです。

 

 

カウンセリングを行う中で大事にしていることの一つに、

物事の見方に関することがあります。

これは、ある物事には一つだけの見方だけではなく、別な見方をすることができる

という可能性のことです。

もし、一般的に「それはこういうものである」と理解されている物事があるとします。

例えば、悩むことは、多くの場合ネガティブに捉えられがちです。

悩んでいる時間があるなら行動に移した方が良いとか、時間がもっとたいない、

やっているうちに解決していくものだ、と考える人は少なくはないものです。

ですが、なんだかひっかかる、その物事を進めて行くことに躊躇いを感じる、

という人もいることでしょう。

このような時に注目したいことは、その人の人生のなかで、

その躊躇いやひっかかりはどういう意味を持つものなのだろうかという点です。

周りが推奨していることに何かひっかかりを感じるわけですから、

ひょっとすると、思うことがあってのことかもしれません。

むしろ、ひっかかりを感じたことに意味があるのではないかと感じます。

例えばそれは、仕事で考えれば、仕事の仕方への迷いであるかもしれないですし、

どこにエネルギーを注ぎたいのか迷っている、または仕事以外のことへ

価値を見出しはじめているという兆候であるかもしれません。

それ以外の複数の可能性が含まれているかもしれないわけです。

この場合、世間が言うことにひっかかりを感じたということは、

実はもっと前向きなニュアンスを含んでおり、よりその人らしい生き方を

模索しようとする機会であるとも見えてきます。

つまり、しっかり悩むことがその人の人生の方向性をより明確にしてくれる

可能性があるとも言えるわけです。

このように、一つの出来事を別な角度から捉えてみることで、

新たな生き方や可能性が開けるということもあるのではないかと考えています。

それはとってつけたような見方などではなく、その人のストーリーに沿った

見方が浮上してきた時、腑に落ちるような体験をなされるのではないでしょうか。

進みたい方向

進みたい方向

 

カウンセリングに訪れる方は、既にその方にとっての答えのようなものを持っているのではないかと感じることがあります。しかしそれはまだ明確には表れてもいないようです。

 

 

一人一人の答えが異なるため、カウンセリングはその人その人によって

千差万別な形になります。

カウンセリングを行っていると、

カウンセラーとは何を行う存在なのかと思うことが多々あります。

つまり、カウンセリングの中で多くの助言を行ったりすることなく、

カウンセリングは終了に向かい、物事が望ましいと思われる方向に動き出すことが

やはりあるのです。

確かに、助言のような形をとっているかのように見える場合もありますが、

基本的にカウンセラー側の考えを押し付けているつもりはないのです。

このような経験を通して、カウンセラー側も不思議な経験をしたと感じていましたが、

むしろ本質はここにあるのではないかと徐々に感じはじめてきたのです。

少し、科学的な感じからは離れているとお感じになられるかもしれませんが、

川に水が流れるように、日が沈んだり、登ったりするように、

いつでも世の中は動いているわけです。

そして、それはどうも進みたい方向に向かっているのではないかとも感じます。

風が吹いたとき、風は吹く必要があって吹いたのではないかと思うのです。

カウンセリングの場合も、カウンセリングにお見えになった方には既に、

どのようにしたいかということが内に秘められているように感じます。

(ですが、まだ明確に意識はされていないようです)

ですから、カウンセラーはそのことを明確にするお手伝いをしているに過ぎず、

面接を続けているうちに、

「こっちです」と自分自身の進みたい方向をお探しになっているのではないでしょうか。

進みたい方向が見えてきた段階でカウンセリングを終了することも

一つの方法であると思います。

また、進みたい方向に進んでいく過程を供にという場合もあるでしょう。