初めてのカウンセリング

初めてのカウンセリング

最終更新日 2024年12月10日

ここでは、初回がはじるまでの様子に触れてみたいと思います。

しかしながら、カウンセリングをどこで行うかによっても事情が異なります。

下記は、あるカ機関の場合と考えていただければと思います。

その他の点については、補足として色を変えた文章を書き足しております。

初めてのカウンセリングを意識するまで

悩みを持っている女性

Aさんは、希望の企業に入社し、数か月の新人研修を終え、所定の部署に配属されていました。憧れの希望の職場に入れたのですから、これから存分に働きたいという希望に溢れていたのです。

しかしながら、部署に配属されて数週間、1月経つ内に、Aさんは迷いを感じるようになりました。

もう研修は終了したはずなのに、配置された部署では、書類のコピーや、電話対応ばかりで、実際の仕事の企画には全く加わることがなかったのです。

新人研修の期間でさえうずうずしていたAさんにとっては、このような時間が非常にロスタイムに感じられていました。同期の友人などは、ベンチャー企業に入り、直ぐに戦力として働いてクタクタになっているなどという話を聞くと尚更に、現在の仕事への気力が薄れてきたのです。

初めて意識したのはそのときだった

意識した

「こんな調子なら早めに辞めようか・・・」などと思い始めた時に、カウンセリングが意識されたと言います。周囲の人は、<仕事はそんなものだよ。それでも給与がしっかり出るんだからいいじゃない。ボーナスをもらえば気も変わるよ。>と言うのでした。(仕事を辞めたいと感じる時もご参照下さい)

初めてカウンセリングを意識するまでの過程は人様々です。Aさんの場合は仕事に関連して、自分の進路への迷いを感じたことがきっかけでした。学生であれば、学業や就職活動にやる気が出ないことや、主婦の人であれば、夫婦関係の悩みなどをきっかけとすることもあるわけです。また、自分で利用を意識する人もあれば、誰かに勧められる場合もあります。

贅沢な悩みなのかしら・・・

贅沢な悩み

Aさんは、周囲の知人や友人、家族などに相談してみましたが、誰も辞めることに賛同する人はおらず、こんなことを考える自分は贅沢なのではないか・・・とさえ感じていました。

その時に思い出したのが、新人研修の際に聞いていたカウンセリングルームの存在でした。その時に、カウンセリングは、その人の気持ちを尊重する場だと説明を受けていたのでした。

「これなら、今の自分の気持ちを整理することに役立つかもしれない・・・探してみよう」とAさんは、カウンセリングを行っている機関を探し始めたのです。

会社内のカウンセリングよりは外へ行こうと決めた・・・

会社の中では避けた

カウンセリングは、社内に関係する機関や、社内でも行われていたようですが、今回は敢えて、自分の会社とは全く関係のない選択することにしました。お金をかけてでも、今の自分の迷いについて相談したいと思ったのです。

それに社内でカウンセリングに行くのは、どうも気が引けたのです。会社を辞めたいなんて気持ちを社内で話していいものなのか迷う気持ちも多少ありました。

ホームページを参照する

とりあえず調べる

ひとまず、インターネットでカウンセリングルームを検索してみると、最寄りの駅にも複数の機関がありました。ホームページを見ると、それぞれいろいろなことが書かれていますが、どこを選んでいいものかわかりませんでした。

「こういうのって適当に決めちゃっていいのかな・・・」とAさんは迷うのでした。

カウンセリングルームを探す方法は幾つかあります。日本臨床心理士会の、臨床心理士に出会うにはというサイトでは検索を行うこともできます。その他、主治医がいれば主治医のネットワークを頼りにすることもあったり、組織内でが行われていることもあります。

ここなら信頼できそう・・・

Aさんは、幾つかのカウンセリングルームのHPを参照した結果、ここなら信頼しても良いだろうと感じたところを選ぶことにしました。

カウンセリングオフィスMという機関に決めました。

そこでは、臨床心理士の資格を持ったカウンセラーが担当することになっており料金や申し込み方法についてもHPで案内がありました。

関連記事:臨床心理士とは

なんてことでしょう・・・

びっくりさせられる

まず料金を見てびっくりしました。

初回料金は1時間で10000円と記されていました。

A さん: こんなにするなら、職場内の無料カウンセリングにした方が良かったかな・・・

などとまた迷いも生じていました。

完全予約制

予約を入れる

そして、申し込み方法を見ると、電話による予約とあり、突然の来室は不可でした。つまり事前に予約してからでないとカウンセラーには会えないという完全予約制だったのです。

Aさんは、一通り案内を読んで、電話しようかどうか迷っているのでした

初回の予約が怖い

Aさんは、いざ予約しようとすると、本当に行こうかどうかという迷いが生じてきました。

先日の周囲からの反応を思い出して、「やっぱり自分は贅沢なことを言っているのではないか」、「こんな悩みでカウンセリングに行っていいものなのか・・・」、「カウンセラーの人だって説教したくなるのではないか」、「何か自分でも気づいていない無意識のことをずばり指摘されてしまうのではないか・・・」などなどAさんには、たくさんの考えがめぐっていました。

どこか、初回予約が怖くなってしまったようでもあります。

カウンセリングルームの案内には、「どうぞお気軽に」とは書かれていませんでした。むしろ、「よくご検討ください」と書かれていたのです。

Aさんは、決心がつくまで、予約は入れないことにしたのでした。

そして、後日、いよいよ電話を入れ、1週間後の予約を入れたのでした。

予約の段階では、キャンセルは自由である旨が説明されました。(キャンセル料はあるとのことでしたが、予約時間までに連絡があればキャンセル料は発生しないそうでした。これもカウンセリングルームによってまちまちです。)

どんなに詳しい説明があったとしても、やはりカウンセリングへの戸惑いは時に生じてくるものだと思います。それはむしろ自然なこととも考えられます。その戸惑いも大事にしていただきながらご検討頂く方が良いのではないかと感じています。

一回目の様子

いよいよ、カウンセリングの当日です。そのカウンセリングルームは、ビルの中の一室にありました。外の様子は人が行きかう場所ですが、その一角だけはどこか変わった雰囲気のする静かな場所でした。そしてインターホンを押すとカウンセラーに出迎えられました。

尊重された時間

カウンセラーからは、来室するまでの迷いを無下にはしていない印象を受けたのです。

自己紹介など終え、簡単に連絡先など記入すると、カウンセリングがはじまっていきました。

入社への強い期待を感じていた就職活動の話や、今の仕事への憧れなど、とりとめのない話でしたが、思いのほか、あれこれと自分の気持ちをお話する機会になったのでした。

答えが出たかどうかと言えば出ていない方ですが、何か、周囲の知人や友人に話した時とは別な感じがしたのです。カウンセラーが全く知らない人だからということもあったのでしょうか。

次回は相談して決めた

最後に、次回予約の希望を聞かれたので、あと2回位を希望して、次回予約を2週間後に約束し、その日を終えたのでした。非常に尊重された時間だったとAさんは感じたそうです。

初回の終了

初回カウンセリングは特に、未知の領域だと思います。カウンセリングを行っている様子を見たことがある人など、本当に少ないはずです。

医師の診察であれば、小さいころから何らかの馴染みのあることがほとんどですが、カウンセリングの場合は、人生の中でも初めてのことになる可能性が高いものです。

以上が、Aさんの場合です。これはごく一例と言った方が良いと思いますが、概ねこのような経験をされている方も少なくないのではないでしょうか。

料金や申し込み方法も異なれば、カウンセリングを行うカウンセラーも何人もいるわけですから、迷いも増えることでしょう。カウンセラー側とは、こうしてせっかく来てくれる人がいるわけですから、日々の研鑽を続けて行く態度が必要となると思っています。

まとめ

今回の初回の流れは、あくまである人の場合の話です。また、機関によって受付の仕方や方法も異なります。
別な方はもっと違う体験の中で、はじめての予約をするわけです。
医師からの勧めであったり、学校や親ということもあるでしょう。