最終更新日 2024年8月7日
カウンセリングを行う部屋のことをカウンセリングルームとか面接室と呼びますが、いったいどのような部屋なのでしょうか。
実は決まった部屋の大きさや、作りがあるわけではなく、それぞれの機関によって異なっています。
カウンセリングに適した部屋とはどんなところ
もしかしたら定義している人たちもいるのかもしれませんが、私がこれまで経験してきた面接室の作りは全て異なっていました。(見ただけの部屋も含まれます)
このページでは、外的な要因が中心になっていますが、それ以上に、安心感を持てることなどが重要と考えています。
色々とある面接室ですが、どのような部屋がカウンセリングに適しているのでしょうか。
ゆったりできる感じ・・・とか、落ち着く感じ・・・などを思い浮かべる方もいらっしゃると思います。これは間違いではないと思います。いくつかのポイントを順番にまとめていきたいと思います。
音とプライバシー
可能な限り、あまりに外が騒がしく、面接室の中まで外の音が聞こえるような場所は避けたいわけです。駅から近い場所で開室している場合は、どうしても雑踏や車が行きかう音が聞こえてくると思います。時には救急車が通ることもあるでしょう。
余りに、騒音レベルの音がする環境ではカウンセリングそのものの成立が危うくなってしまいかねません。
また、逆に、面接室内の音が外に漏れてしまうことも問題です。同様に外の歩行者から中の様子が見えるのは感心できません。カーテンで閉め切るなどしてプライバシーを大事にできる環境を整える必要があります。
色調
好みが分かれるということもあるかもしれませんが、余りに賑やかな雰囲気は適さないように感じます。カラフルに彩られた原色系の椅子や机もあまり見たことはありません。カーテンの色なども同様に、落ち着いた感じが適しているように感じます。照明によっても、部屋の雰囲気は変化します。
面積
確かに似た作りの部屋はありましたが、同じではないのです。4畳半程度の広さから15畳程度の広さまで広さだけをとっても様々です。縦長な部屋もあれば、正方形に近い部屋もありました。
置物
大きな机が置かれている場合と、小さめの机が置かれている場合などあり、机の高さも一定ではありません。控えめの色やデザインのが多かったように思います。机の上に植物が置かれることもあれば、カレンダーだけの場合もあります。
また、部屋の端に紙やペン、本が置かれている場合もあります。また、箱庭という専門の道具が並べられていている部屋は多い印象です。
自律訓練法や漸進的筋弛緩法などのアプローチを取り入れる場合もあると思います。その場合は、それに適した椅子の準備も検討する必要があるでしょう。また、仰臥などの体制で行う場合には、床に敷けるマットなども必要になります。
そして、時計は必須です。
温度や湿度
冬場の部屋は寒く、夏場は高温になります。その場合、エアコンは現代においては必需になります。最適な温度はどのくらいであるかを調整していく必要があります。また温度ばかりに注意していると、湿度がおろそかになります。
乾ききった室内で、50分の会話は喉に負担がかかり、場合によっては、カウンセリングへの集中力が損なわれてしまう可能性があります。
また、気づかない程集中してしまった場合には、カウンセリング終了後に、体が冷え切っていたなど気づく結果を招いてしまうので注意が必要です。
コロナ時代の感染対策
安全な空間を守る事と、コロナの感染対策は無関係ではありません。様々な感じ方は異なりますが対策があります。
機能性の他に必要なもの
カウンセリングを行う際には、確かに幾つかのポイントとなることがあり、それがプライバシーへの配慮が守られることであったり、その他上記のような内容が挙げられます。
夏場にエアコンが使えないことは、カウンセリングの成立を危うくするでしょう。必要最低限のものは必要であるとは思います。ですが、カウンセリングを構成する本質は、面接室の機能性の方にだけあるとは言い切れないと思っています。
カウンセリングに集中していくと、あまりインテリアなどは気にならなくなっていくものですし、場合によっては、さきほどまで気になっていた鼻のむずがゆさなども忘れてしまうかもしれません。
こうした、カウンセリングに浸かることのできる空間であることの方が重要に感じられてきます。
上述したような感じは重要だと思います。また、もう一つ大事なことに、やはり非日常的な感触を感じていただけることが挙げられると思います。
だからといって、面接室が非常に変わったインテリアだらけということにはなりません。
つまり、物理的に部屋というニュアンスで捉えるよりは、「カウンセリングのための空間」として捉えた方が本質的ではないでしょうか。
そうして、日常とは違った感じの空間がカウンセリングの時間(50分程度)構成されていくのではないかと思います。
何度か面接室以外の部屋、つまり普段は別な用途で使用されている部屋をお借りしてカウンセリングを行った経験もあります。
少し日常的な感じが強すぎるかなぁと心配しておりましたが、必ずしも部屋のインテリアが重要ではないことを感じました。
まとめ
当オフィスの場合はせっかくカウンセリング専門のオフィスなのであるから、少々こだわってもいいのでは?とも感じています。
当オフィスの面接室
最後に、当オフィスの場合に触れて終わりたい思います。
カウンセリングは落ち着いてお話頂けるような空間を心がけております。プライバシー面への工夫や、色調などを意識しております。
当オフィスの面接スペースは非常に質素な作りになっております。
- コート掛け、荷物置き籠、膝掛けの準備がありますのでご利用ください。
- 温度や湿度が合わない場合もございますので、遠慮なくお申し出ください。
カウンセリングに用いる部屋は、特に形式は決まっていませんが、当オフィスの場合は、質素な空間になっております。待合がなく、ご予約の時間にお越しいただいたのち、すぐにカウンセリングスペースにお通しいたします。
ご予約いただいた方だけのための時間として確保しております。突然の来訪は、上記の理由からご遠慮いただいております。
もし、付き添いの方がいらっしゃる場合は、面接の時間中席を外していただく可能性があります。待合がなく、ご本人のプライバシーや、カウンセリングへ集中を考えてのことになります。何卒ご理解いただけますようお願いいたします。
面接中は、なるべく外部のことを遮り、面接に集中していただけるような空間となるよう心がけております。
音楽や香りは、カウンセリングルームによっては意図されていることがあると思いますが、好みもあるため、特別なことは行っておりません。
- 参考サイト:部屋をWEBで公開している機関もあります。