最終更新日 2025年3月27日
現代社会は、少子高齢化に在り介護にあたる人手も不足しています。
かつては、何人もの人間で一人の方を支える社会でしたが、年々支える側の負担も増しています。
また、高齢者の介護ということもあれば、闘病中の方のご家族の方もいらっしゃいます。
当オフィスは、「福祉」や「医療」の場ではありませんが、心理職の観点から心理支援を行っています。
介護疲れについて
介護にまつわる心理的な事情も様々です。元々のキャラクター、生活もそれぞれ異なるわけですから、個々の「介護体験」があって当然です。
- 閉塞的な状況が持続している
- 自分の事を話す場がない・持っていいのかもわからない
- 介護疲れのためか、体も重く心身の不調を感じる
- 施設入所を勧められているが迷っている
- 自分の時間を失った
- 介護をきっかけに親族間に葛藤が生じている
- 元々人付き合いがおっくうだったが、介護をきっかけに様々な人と関わることになってしまう。近所の目も気になる
- 介護を終えたが・・・思うところがある など
様々なテーマが想像されます。
介護と他の出来事が重なる現代社会
また、介護とは別なことも同時進行で人生は進み、中には子育てと介護が重なっている方もあるのではないでしょうか。高齢化社会では、子育て中に、介護も同時進行する家庭が増えていることが想像されます。
結婚や出産の年齢が高まると、両親はその分年を重ね、中には介護が必要な状況がやってくることは必然的とも言えるでしょう。(健康な時間が増えていくということはあるにしても)
大きなテーマとして現代社会は、少子高齢化を迎えています。そして、今後その傾向はさらに強まり超高齢化社会という言葉を耳にする機会も増しています。
2030年の人口推計では、後期老年人口が前期老年人口よりも多くなっています。
65歳以上の方が、全人口の1/3です。
背景事情として、超高齢化社会がある
現代社会の政策においても中核的なテーマになっていることには違いないでしょう。
今の社会構造のままでは維持できない仕組みが出現することなども想像がつきます。
労働人口の減少
超高齢化社会では、生産年齢人口が減少していきます。働き手が少なくなることは、何を意味するのかと言えば、例えば高齢者が増えるのに、介護職が足りないという状況が起きるわけです。
昨今では、海外からの労働力に期待するような流れも生じています。
また、株式会社ワーク・ライフバランス代表、小室さんの話が非常に分かり易く参考になります。
参考動画:【小室淑恵プレゼン】国会登壇「労働時間に対する国家戦略の必要性について」| 株式会社ワーク・ライフバランス
人口オーナス期
人口ボーナス期を終え、人口オーナス期に入っているそうです。
人口ボーナス期とは、ハーバード大学のデービットブルームによる考え方。労働力人口がたくさんいて、高齢者が少ない人口構造。逆に、人口オーナス期では、支えられる側が多くなっている人口構造。
日本の場合は、急激なスピードで人口オーナス期に入ってしまった。
家庭環境への影響
労働人口が減ることと、共働き世帯の増加や女性の社会進出促進は無関係とは思えません。皆で働かなければ足りない、AIにも働いてもらっても足りないという状況があると報道番組で見たこともありました。しかし、これもまた大きく急速な変化を強いられそうで心身がついて行けるものか不安です。
この理屈からすると、男性は仕事の他家事や子育てに貢献しなければいけないことは明らかですが、男に安心して任せておけないとイライラする女性の姿や、それらを発端に繰り広げられる夫婦喧嘩もありありと想像することが出来ます。ロボット掃除機のルンバなどにも活躍してもらう必要が本当にあるのだと思います。猫の手も借りたいとはどんな状況から生まれた言葉だったのでしょうか。
35才で出産した場合、両親は60代前半くらいでしょうか。丁度、子供が小学校に入るくらいには、70才近い年齢です。
70才と言っても、個人差は大きいもので、まだ働いている人もいますが、体力的に心配な年齢に差し掛かるような時でもあります。介護が必要とまではいかなくとも、病院に付き添ったり、何かと頼まれることが増え始めそうな時期です。
小学校に子供が入っていれば、日中の時間はかなり確保できると思いきや、案外学校の行事や、なにやらがあるものです。病院を受診するのにも、付き添えば仕事を休むことになりますし、その間に子供に何かあった時にはどうすればいいのでしょう。
部活や、受験などの時期とちょうどぶつかる可能性があります。
- 関連テーマ:子育てのカウンセリング
ミッシングワーカー
高齢化が進めば、介護離職が増えることも想像のつく話です。小室さんの話にも登場しますが、ある時に管理職が介護のため離職することも当然あり得るわけです。
また、介護のために離職した人の社会復帰は困難を伴う現実があるようです。とりわけ非正規雇用者が介護のため働けない状況が発生した場合はどうでしょう。ミッシングワーカーとしてNHKでも特集されました。
介護離職ではなく、もし働いているようなものなら、てんやわんやの日々かもしれません。
夫婦ともに仕事を休むという状況も発生するかもしれません。
また、独身世帯ならばということも考えねばなりません。
子育て一つとっても、大変なことですが、現代社会には、こうした多重のライフイベントが当然のようになってきました。
もし結婚前にこうしたことばかりが頭に浮かぶと、なかなか結婚して家庭を持つ自信が
持てないという人が増えるようにも思いますが、その不安も見当外れではないわけです。
考え出すと、結婚は非常にハードルの高い事に思えてしまう方もあるでしょう。
考えすぎない方が良いとも簡単には言えませんし、万全な準備をしなければ結婚できないとも言い難い事柄ですから、この辺りがそれぞれの選択どころになるということなのでしょう。
地方の人口
2040年には、65歳以上人口が40%以上を占める自治体が半数近くになると言います。
文化・伝統への影響
人口減少は、文化や伝統を維持することにも影響力を持っていると言えるでしょう。例えば、お祭りの際に神輿の担ぎ手が不足したらどういうことが起きるでしょう。本来であれば長いコースを担ぎ歩くところが最小限のコースに変更するなども致し方ない事になっていくことでしょう。これは子育て環境にも関係する話でもあります。文化や伝統の恩恵を受けられなくなってしまうわけです。
財政難による社会保障等への影響
財源はどうする?という質問を本当によく聞くようになりました。世の中には問題が山積していて、その原因や対策方法が明確であっても、財源が確保できないために解消されないでいることもまたたくさんあります。
年金が払いきれない人も増えていますが、その回収の仕方も年々強化されています。
徐々に上がって来た消費税率
消費税は3%からスタートしましたが、現在では10%まで上昇しました。この背景にはやはり社会保障費の財源とする目的があります。
財政面の硬直は、様々な場面でギスギス感を生んでいるはずです。消費税を上げられた側としては反発心も強くなるでしょうし、社内の経費削減なども余裕を奪います。皆イライラしているのはこのためなのでしょうか。
認知症患者は2025年に推計700万人
認知症患者は、2025年には700万人に達すと推定されてきました。
実際には、そこまでの増加はなく、様々な施策の効果ではないかとニュースで報道されていました。
既に何かが起きていて、ストレスを生んでいる
普段生活して働いているような時、超高齢化社会を意識しながらという人は多くはないかもしれません。しかし既に何らかの変化は起きており、制度変更も間に合わず、それがストレスを生じさせているしている面が多々あるはずです。
もしかすると、現在感じているストレスを遡っていくと、少子高齢化社会の存在に辿り着くかもしれません。
財政難に労働人口の減少、文化や地域社会の力が削がれるなど、頭の痛い話ばかりです。
目立つところでは認識されやすいのかもしれませんが、我々の社会は生態系のように微妙な所でそれぞれが無関係であるように見えてもどこかで連鎖しているようであります。少子高齢化を源としても、かなり遠い領域にまで影響する可能性は大いにあると思います。
だとすると、表出された問題のケアだけに集中しても大きな意味での流れは変えられないことになります。
人口が減っているので、結婚を支援しましょうという対策は打てるにしても、焼け石に水的な世界であり、どうやらそう単純なことではないようです。
大局観的な見通しを持ちながら様々な対策が必要となるのでしょう。
2030年頃に何かが起きると主張する専門家もいます。
確かに、日に日に少しずつ今までの日本社会とは違うことになってきていると感じます。
やはり先を見越して備えることも必要なのでしょうか。
介護疲れのカウンセリング
当オフィスでは、費用もかかる中恐縮ですが、お話をお伺いすることぐらいしかできないかもしれません。
カウンセリングは、お越しになった方のために確保された時間です。
介護の最中であまりスポットあてられなかった自分自身の思いに関する事や、或いはそれらとは離れた事柄でも、どんなお話しでも自由です。
またご希望に応じて、臨床心理的なリラクゼーションを取り入れた面接も行っております。一息ついてみたいということでもご活用いただけます。
カウンセリングは、日本社会にあまり馴染みもなく掴みどころのないものとお感じになられていると思いますが、自分の時間を持つという意味などでご活用いただけましたら幸いです。
ご検討の方へ
月に1度でもこうした機会をご希望の方は是非ご活用ください。
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