悩みは尽きない・・・30代女性が現代社会で迷うとき

どこへいく

最終更新日 2025年1月11日

30代という年代は、人生のどのような時なのでしょう。非常に価値観の多様化した現代社会において、自分の生き方に迷いを感じている人も少なくはないのではないでしょうか。次のページからは架空の女性を例に、30代女性の感じているであろうことを書いてみます。あくまで架空の女性のということになりますので、それはある一つの角度から見た、30代女性の姿でしかありません。30代女性というテーマだけでも何万の物語がうまれることでしょう。

30代女性Bさん

まずは、30代女性の悩みについての概観になります。後半に物語を書いています。

30代女性の悩みに関すること

週末の過ごし方

さて、その前に30代を生きる女性たち全般の方が直面しそうなことに触れてみたいと思います。

30代において、自分はどこへ向かいたいんだろうか、仕事だろうか、結婚だろうか、実家のことだろうか、と。どれももっともらしく感じられるし、どのようにしても良く思わない人もいるだろうし、どうやって自分の人生を進めて行ったらいいのだろう。人生って難しいものだなぁ。と迷っている方は数多くいらっしゃることでしょう。

進みたい方向

このような心境で30代を迎えた女性もいらっしゃるのではないでしょうか。どれも大事なことのように思えて、自分自身がどう生きるかということは非常に難しいことのように感じられます。

迷いということは、あまり望ましいものではないように取られがちですが、ある意味では真剣に将来を考えようとしている姿そのものであり、人によっては、仕事上のトラブル、両親の病気などをきっかけとして深まることがあるかもしれません。こうしたとき、我々は自分自身の生き方を見つめるような機会を得ることがあります。

それは世間の言うことに当てはめた方向ではなく、自分自身で望む方向ならば、少なくとも本人自身の納得感をもって、この先の道を進めるのではないでしょうか。

それは必ずしも仕事で結果を出すという物語ばかりではなく、冴えないけれど実家で両親と暮らす生活がなんだか良いという物語もあると思います。スーパーウーマン的に全部という人もあるでしょう。

この辺りがその人その人にとっての違いが生まれるところなのではないでしょうか。そこには、どの物語が優れているとかいう優劣は存在しないのではないでしょうか。

健康面

以前はなかったこと

まず健康面はどうでしょうか。20歳くらいまでにはおおよそ人間の体の発育は完了するとして、30代で背が伸びる話はあまり聞きません。どちらかと言えば、最近太ってきたとか、お腹が出てきたという話を聞くようになります。30代前半と後半とでは異なると思いますが、20代とは別な変化を経験する時期でもあると思います。

また、20代までは体力に自信があっても、30代からマラソンなどが苦手になっていく人もいるのではないでしょうか。大学時代まで運動していた人も20代は貯金でなんとか、しかし30代は貯金切れのようなことが起きてくるのかもしれません。

健康後面への不安は20代の頃よりも現実味を帯びてくる時期とも言えると思います。疲れや気のせいにしていた体の不調も何かの病気ではないかと感じる機会も以前よりは増えるのではないでしょうか。

心理面

さて、身体的な成長は終わりを迎えていても、心理的な成長は続くと考える人は多いと思います。計算や処理速度の面から言えば、加齢とともに衰退していくものですが、人間は多くの出来事に遭遇する中で、自分自身の考えを深めたり、かつての迷いから抜けたりと、いろいろな変化が起き続けるのではないでしょうか。

参考調査:令和元年度「都民と医療に関する実態と意識」報告書全文

169ページに記された30代女性の悩みを確認できます。直リンクはできませんので、下記リンク先からお探しください。

参考サイト:東京都保健福祉局

社会的な面

指示

社会では30代をどのように見ているでしょう。仕事では中堅に入りかけ、家庭を持っていて子供もいるはず、収入もそれなりに安定している、などこうしたイメージを持たれがちです。ですが、なかなか安定した仕事や収入を得ることも難しい時代になっています。30代に入っても仕事選びに迷っている人も多い時代なのではないでしょうか。

一方で、20代前半からずっと働いている人は、10数年以上の経験を積んでいます。このことを比較されると、非常に強いプレッシャーを受ける人も多いと思います。ここには30代特有の葛藤が少し垣間見えてくるように感じます。学校ではあだ名で呼びあっていた友達も、会社では役職がつき、家庭ではお母さんとはお父さんと呼ばれるようになっているのです。

女性の活躍推進

内閣府のホームページには、女性の活躍推進が謳われています。

2020年女性活躍のための重点方針が示されています。

働く女性が増えたと感じますが、その伸び率はG7諸国の中でもTOPであり、7年間で330万人の増加と安倍首相(当時)は述べています。そして上場企業における女性役員数も増加しています。

しかしこれらは、あくまで社会の動向であり個人がどのように生きるかは当人の考えが尊重されるべきです。この急速な変動に拒否感・嫌悪感を抱く人がいても不思議ではありません。

このように概観してみると、人間の発達には終わりがないのだろうと思えて来ます。子供のころ、大人がまるで悩んでいないように見えた人もいることでしょう。また、おじさんやおばさんになりたくないと思っていたこともあると思います。しかし、幾つになっても探求は続いており、それが困難でもあり、面白さでもあるのではないでしょうか。

ある女性の物語はこの次からです【フィクション】第1話はこちらから:Bさんの迷い~後輩から届いた招待状~をご参照下さい。

物語風に、30代女性の悩み・生き方を物語にしました。この物語風記事は、数話に分けて書かれています。ここ先頭になります。

☆Bさんのプロフィール

地方出身

  • 34才
  • 女性
  • 地方出身
  • 独身
  • 会社勤め、12年

Bさんは、大学をストレートで卒業後、そのまま就職し、12年間働いてきた女性です。経済的にはだいぶ安定しており、仕事にも慣れています。

そんなBさんには、最近ある迷いがありました。

それは両親のことで、現在60代に入ったところです。幸い元気に暮らしていますが、いつまで二人暮らしで良いものか、迷うところもあります。

実家まではそれほど遠い距離ではありませんが、なんだかんだで仕事の関係上、実家へ帰ることができるのは数か月に1回程度なのです。もしかしたら、あと数えるくらいしか実家へ戻れないのではないか・・・。

そして追い打ちをかけるようにさらにもう一つ迷いが増えてしまったのです・・・

Bさんの迷い

先日、知人から結婚式への招待状が届いたのですが、どうも気乗りがせず、出席を迷っているというのです。もともと、Bさんは賑やかで人が集まるような場所が嫌いと言うわけでもなく、どちらかと言えば好きな方だったはずなのですが、何か躊躇いを感じているようです。

Bさん自身薄々、その迷いの意味が分かっていたのですが、何か触れたくないような気持だったのでしょう。結婚する知人は年下の後輩なのですが、うらやましいような気持ちもあり、今回は出席が辛いと感じていたのです。Bさんの同期はほぼ結婚しており、Bさんはいつ結婚するのかと、何度も聞かれた記憶もあります。

結婚式に出れば、必ずその話題になると思い、気分が重たかったのです。しかし、後輩の結婚式ですし、なんとか参加してあげたい気持ちもあるようです。

自分自身の心境の変化に、素直に後輩のことを祝福できないなんてと、どこか自分を責めるかのような思いになっていくBさんだったのでした。この気持ちをどのように考え、どのような行動を取るのでしょう。

後書き
さて、結婚式には、色々な立場の人が出席するものですが、内心穏やかでいられない人もいるのではないでしょうか。少し皮肉めいた言い方をすれば、結婚できてうらやましい、という、素直に喜んでいられない人も少なからずいると思います。

何か先を越されたようでもありますし、自分だけ惨めだと感じている人もいることでしょう。それでも、おめでたい席なので・・・と自分の気持ちを押し殺して過ごされているかもしれません。

その他、余興を頼まれて、食事どころではなく、汗をかいている人もいることでしょう。結婚式そっちのけで、お酒に酔ってしまう人もあるでしょうか。当人にしてみれば、多くの場合一生に一度の晴れ舞台ですから、やはり失礼があってはいけないのだと思いますが・・・。

第2話:結婚式に出席したBさん

いろいろ考えた結果、Bさんは、結婚式に出席することに決めました。

なんだかんだで、付き合いの長い後輩の事ですから、顔だけでも出そうと思ったのです。早めに帰ってこようと考えていました。

晴れない気持ち

しかし、ここまで決めてもBさんの中の、気持ちの迷いは晴れた気がしませんでした。結婚式に出席するとかしないとか、そういう話が本題ではなかったのでしょうか。

もう少しで、自分の迷いが確かになりそうな気がしていたのですが、はっきりとはしないのでした。うらやましさなのかもしれないと思っていましたが、どうやらそれはそれほど重要なことではなかったようです。

もう少しBさんの生き方に関わるようなテーマがあったようなのです。

Bさんの生き方を振り返ってみると、12年間の勤続です。12年働けば、相当その業界のことには精通していくものでしょう。Bさんの仕事はあるメーカーでの商品企画でした。自分で考えてきたものが実際に商品になって世の中に出て行くという、そういう仕事だったのです。業界に精通してきたところで、益々やってみたいことも増えているようでした。

後輩の生き方

後輩は、Bさんとは少し仕事に対する価値観は異なりました。働いてはみたいけれど、そのうちには、早めに家庭に入って行きたいと考えていたのです。適齢と言われる年齢での結婚でした。Bさんが感じたうらやましさのようなものは、もしかしたら、結婚そのものではなく、後輩が、自分の希望に沿った進展をしているという点だったのかもしれません。

結婚式に参加したBさんはどんな体験をするのでしょう。

結婚式

教会の鐘の音は誰のために鳴る
結婚は当事者同士の事ではありますが、なかなか単純にはいかない日本社会でもあります。時代劇など見ていると結婚は当事者同士のこと以上のことの方が大きく映ります。跡取りとか身分とか、なんだとか。

第3話:一つの人生の形

結婚式で見た後輩は、とても幸せそうで、迷いなど感じられない様子でした。

Bさんは「うらやましいなぁ・・・」と小声でつぶやきました。同じテーブルの人はしっかりとその言葉を聞いており、<大丈夫、次は貴女の番よ!本当はもう秒読み段階なんでしょ?>

激しい何かが蠢いた

この会話の後に、Bさんの中では何か激しいものがうごめいたように感じられました。この時、自分の思いがはっきりとしたのです。なぜ後輩がうらやましく見えたのか、同じテーブルの同僚の言っていることは完全に的外れなことだったのです。

Bさんにとって、結婚がうらやましかったのではなく、はつらつと自分の人生の歩みを進んでいく後輩のその姿がうらやましかったのです。前々から後輩が堅実に生きていることを知っていたBさんは、いつも後輩を目にするたびに、自分自身への不甲斐なさを感じていたのです。

求めている方向性は別だけれども、後輩はしっかりと自分の歩みを進めていたのです。反面自分自身はどこか停滞を感じていて、くすぶっていたように感じていたのでした。強い不全感があったのです。

うきうき

披露宴の最中でしたがBさんは、急に手帳を開き、当面半年のスケジュールを確認しました。以前から考えていた、あの企画を実行し、勝負に出ようと思い立ったのです。

結婚もしたいけれど、今の自分にとっては、仕事で一つの納得いく結果を出すことこそが重要だったのです。それに立ち向かうことが、現在の不全感を払拭してくれると、そんな期待を持ったのでした。人が何と言おうとも、今のBさんにとっては、そのことが最も対決したいことだったのです。

後輩の結婚式を通して、Bさんはこんな体験をしたのです。それは自分の人生の方向性を見出したかのような体験でした。

その後のBさんは一体どうなったのでしょうか。

人間は時に、爆発的に動き出すことがあるもののようです。それは、エネルギーを注ぎたい方向性が見えた時とも言えるでしょう。これまでくすぶっていたものが一気に流れ出すのですから、その勢いは鉄砲水のごとく強烈です。

第4話:新企画のプレゼンに挑戦するBさん

Bさんの社内では、新しい企画を出す場合には、ある会議でのプレゼンを行い、各方面からの意見をもらうことになっていました。そして、そこでの反応によって、その先に企画を進めてよいかどうかが問われるのでした。

Bさんには前々から実現してみたい企画がありました。Bさんの会社は元々、物を作る会社でしたが、Bさんはそこに留まらず、どこかのお店のワンフロアを全て企画の舞台にしてみたいと考えていたのです。

このような企画は突拍子もない考えでしたが、これまで先輩が自分の企画をどんどん実現させていく姿を目の当たりにする中で、いつからかBさんの夢のようになっていたのです。

一体、どのような企画なのでしょう。また、どんなに優れた企画であっても、プレゼンを成功させなければ、会社に自分の思いは伝わりません。どのような批判や質問が浴びせられるか当日になってみなければわからないのです。

多くの同僚は無難な形を選び、そこそこの評価を得て良しとしていたものですが、今回のBさんは見るからに、懸けているものが違いました。まるで、この企画が通らなければ仕事を辞めるのではないか、と思うくらいの形相です。

数か月の間、残業を続け、プレゼンで使う資料を完成させていこうとしたのでした。34才で、これまでにないほど働いた月日には違いありませんでした。30代にして、これが青春なのではないかと思ったのでした。

一心不乱

もう、迷いからはすっかり抜けているようです。それにしても、Bさんはどんな企画を考えているのでしょう。また、成功するのでしょうか。

しかし、どうやら、成功や失敗という次元で動いているようではないようです。

第5話:シルクロードの惨敗

Bさんの企画は壮大な内容でした。

コンセプトは、シルクロードにあるような市場を、都心の百貨店のワンフロアに出現させるという企画でした。フロアの床も全部石畳にして徹底的に異空間を作り出したいということでした。場合によってはスタッフの服装にまでこだわりを持たせるつもりだったようです。

Bさんの中にあったインスピレーションを使ったそうです。多くの人が行き交う市場に、溢れるように積まれた見たこともないような野菜や果物の数々に胸躍る経験をした時があったとか。

Bさんは、この企画を通して、市場を単に食品を手に入れることを目的とした場ではなく、生きて行くことにワクワクする感覚や、胸が躍るような要素を持たせたいと思ったのです。

野菜の入手経路、照明の種類、石畳に使用する石の種類など、予算も合わせて、事細かにプレゼンに組み込みました。渾身の一作でした。

市場

主席していた役員たちも、夢中でプレゼンに聞き入っています。もしかしたら、この企画通るのではないでしょうか。

審査する会社役員

昔、聞いた名曲を思い出すようだ。市場を行く馬のひずめの音、行き交う人のざわめき・・・。まるで、都会から異次元へ連れて行ってくれるような・・・この企画にはロマンがある!

数日後、残念ながらBさんの企画の不採用が決まりました。素晴らしい企画だったが、果たして集客が見込めるのか、不透明な面が多いという理由だったそうです。

Bさんの惨敗でした。しかし、Bさんはどこか清々しささえ感じているのでした。

これもまた、何かがBさんの中で動いた瞬間だったのです。

後書き
失敗や惨敗・・・こうした響きからは余りいいものを感じられないことが多いものです。しかしBさんは、なぜか清々した趣です。人生においては、勝ち負けが非常に小さな意味を待たない局面もたくさんあります。それよりもむしろ、実はもっと大事なものを受け取る機会であることも・・・

◇ある30代女性Bさんの生き方

この物語風記事は数話に分けて書かれています。

第6話へ進む→ coming soon

【番外編のミニミニコラムです。】番外編:理想の人は、どんな人?イメージの中にだけ存在するのかも・・・

30代という年代をどのようにイメージするでしょうか。

結婚している、働いている、子供がいる、独身のままばりばり働いている、一通り安定している・・・などなど、20代以上に具体的なビジョンを持っている人も多いと思います。学生生活が終り、働き始めてから10数年、思うところはたくさんあったはずです。

テレビや雑誌を見ていると、自分の目標を達成し、希望の職業で充実した毎日を送っているというようなインタビュー記事をみかけることもあります。また、理想的な結婚を成し遂げたように見える人達も見かけるものです。

願わくば、理想の、憧れの30代を生きてみたいものでしょう。

テレビや雑誌では、よく見かける理想的な30代ですが、自分の周囲でと考えると、どのくらいの人が理想的に見えるでしょうか。

給料でマンションや一戸建てを購入している人がどのくらいいるのでしょうか。知人が一戸建てを購入したと聞いて訪ねてみると、中古であったとか、両親がだいぶ援助してくれたなどという話もよくあるのではないでしょうか。これらの方が現実に近いのかもしれません。

ドラマの中に登場する30代

理想の自分

我々が理想的に考えている30代は、もしかしたらドラマの中に最も多くみられる存在なのではないでしょうか。

優雅に紅茶を飲んで日常を過ごす人たちであったり、都会のオフィスで働いている人達であったりと、身近にいそうなはずなのですが、なかなか現実にはいない人なのではないかとも思うのです。いわば、我々の心の中にある、理想像のようなものでしょうか。

もし現実に出会ったとしても、案外、裏方は地味なものなのかもしれません。

向かう方向

もし理想の女性がドラマの中にしか登場しないような人物であるならば、そこに向かおうとすると、現実的にはどこか無理が生じてくるでしょう。また、近い感じにはなったとしても、それを維持することはきついと感じはしないでしょうか。

もし30代で向かう方向がわからなくなったとき、理想の30代女性を目標にするという方法もあるとは思いますが、もう一つには、自分にとっての心地よい方向に向かうという方法もあって良いのではないでしょうか。

ドラマのようにかっこよくはいかないと思いますが、結構悪くないところに辿り着けるかもしれません。無理に見栄をはるように生きることは、ちょっと辛さも付きまといそうです。

まとめ

30代女性の悩みをを物語に添って概観してみました。

これはあくまで一つの物語ですから、様々な人生があるわけです。

自分自身の生き方や方向性を確認してゆくために、カウンセリングをお考えになる方もあるかと思います。

こちらもある女性がカウンセリングを思い立ったときをフィクション仕立てにして説明しています。