仕事を辞めたいと感じる時

退職願

最終更新日 2025年1月13日

仕事を辞めたいと思うことは多くの人が経験することではないでしょうか。

実際に退職する人もいれば、渋々と働き続ける人、何かの意味を見出す人など様々です。

仕事を辞めたいとき

まず、仕事を辞めるにはどのような理由があるのでしょうか。

  • 入社したばかりだが、考えていた仕事と違った
  • 職場の人間関係上の問題
  • 残業が多く体がもちそうにない
  • スランプ
  • 給与が少ない
  • こんなはずではなかった
  • 別な業界に興味を持った
  • 知人から就職の話をもらった
  • 労働条件が過酷
  • 現在の仕事に意味を見出せない
  • 実家の方で暮らしたい
  • サラリーマンを辞めたい
  • 常勤を辞めたい

などなど、辞める理由も一つではありません。仕事自体への悩みから、家庭や体調なども関係することがあるようです。

また、既に辞めることを決意した後には別な悩みを覚えるかもしれません。

例えば・・・

  • 辞めさせてもらえない
  • 退職をなんだかんだで延期させられてしまう
  • いざ辞めることが決まったら将来への不安が強くなった

などなど、この先にも幾つかの壁はありそうです。

離職にも関係する厚生労働省の調査結果

厚生労働省の調査結果も参考にすると、退職理由の大まかな所を確認できます。

この資料を引用すると、下記のような記述があります。

令和5年1年間の離職率を離職理由別にみると、「個人的理由」(「結婚」「出産・育児」「介護・看護」及び「その他の個人的理由」の合計)によるものは 11.4%で、前年と比べると 0.4 ポイント上昇、「事業所側の理由」(「経営上の都合」「出向」及び「出向元への復帰」の合計)によるものは 0.9%で、前年と比べると 0.2 ポイント低下した。性別にみると、「個人的理由」によるものは、男性は 9.4%、女性は 13.7%で、前年と比べると男性は0.5 ポイント、女性は 0.3 ポイント上昇し、「事業所側の理由」によるものは、男性は 1.2%、女性は 0.6%で、前年と比べると男性、女性ともに 0.2 ポイント低下した。

個人的理由での離職が前年より増え、事業所側の理由が減っています。

離職理由推移

このPDF資料の24ページ目に、年代別の離職理由が表にまとめられています。例えば、結婚を理由に退職する男性はほとんど皆無といえるようなデータです。出産育児も同様に近い状況です。

年代別離職理由

なぜ仕事を辞めたいのか必ず聞かれ、止められる

これからどうする仕事を辞めたいと誰かに話した時、多くの場合、まずは「何を言っているんだ」、「辞めてどうするんだ」というような返事が返ってくるものです。身内でも友人でも、多くの場合近い反応があると思います。

とにかく仕事は続けるものという意識が世間には漂っています。

もっとも、仕事を辞めてしまうと、安定した収入はなくなり、次の就職先がすぐに見つからなければ、家賃を払い続けることもできません。もし貯金がない人であれば、すぐにでも転居を考えることになるでしょう。しかし、転居費用も多くのお金を必要とします。

カードも新しく作れない状態になるでしょう。毎月の生活費でどんどん貯金も減っていきます。だからと言って、就職できる保障などどこにもないのです。失業保険や退職金があるからと言っても、即日支給されるわけではないでしょう。

これらのことを踏まえて仕事を辞めることを止める人は、辞めることに消極的な意見を言っているのでしょう。確かに、生活を続けていくうえで、非常に大切な視点であるには違いありません。この点を抜きにすることは難しいでしょう。

年代による辞める理由の違い

 

年代によって、辞めたいと感じる理由は概ね異なってくると思います。

例えば、初めての就職先で、入社3ヶ月の時点で辞めたいと思っている人と、60歳の定年がそろそろなのに辞めたいと思っている人とでは明らかに理由は異なるでしょう。

就職初期段階

新規大卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)

出典:新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)を公表します~就職後3年以内の離職率は新規高卒就職者38.4%、新規大卒就職者34.9%~ 厚生労働省報道発表資料 ※一部改変しています

厚生労働省の資料によると、3年で3割以上の人が辞めています。

その理由については、今回の資料には掲載されていませんので、別な調査をあたる必要があります。

しかし、業種別のデータが残されています。

業界別

平均が34.9%なのですから、宿泊業、飲食サービス業の数値は20ポイント以上高い結果です。

つまり3年で半数以上が辞めると言えます。

医療、福祉も41.5%という高い結果です。人手不足やコロナの影響が想像されます。

就職初期の段階に浮かび上がりやすい悩みとしては、職場環境や新たな人間関係、現実と理想のギャップ(リアリティショック)などがよく取り沙汰されます。

定年前近く

対して、定年の手前でこれらが起きることはそれほど多いとは言えないと思います。(時に、なぜこのタイミングで・・・というテーマはあるにしても)

定年近くの人であれば、体調面への不安や、家族関係の変動、退職後の人生の早期発見、経済的理由などが考えられます。

辞めたいという気持ちの高まりは、自分の人生をどの方向に進めたいかという問いかけをしているようにも見えるのです。仕事を辞めることが何を意味するのか理解していながらも、敢えて辞めたいと思うわけですから、相当大きな内的動きが起きていると考えたくなります。

しかし、本人がそれをはっきり意識しているかどうかはまた別なことなのかもしれません。

燃え尽きや充実感

辞める理由として、残業時間の多さを想像する人も多いかと思いますが、その他の理由も十分に退職と関係しています。どれほど福利厚生が整備されていても、充実感を得られない仕事ならば離れなくなる方もあるでしょう。または、全く他者から認められない境遇の方もあるでしょうか。

すぐにでも辞めたい

もう嫌だ

辞めたくなった時、すぐにでも!という気持ちになることもあると思います。明日にでも、できるだけ早く、という思いが多くの人が抱く率直な思いなのではないでしょうか。

それほどに、向かいたい方向への動力が高まっているということなのかもしれません。

勢いに任せることが、方向を決定づけるということもあり得るとは思います。

しかし、仕事辞め、その話が終ってしまうと、辞めるということ自体にじっくり思いを巡らせる時間も少なくなっていきます。

又、話が戻るようですが、ボロボロになってまで半年も職場に義理を果たす必要があるのでしょうか。一刻も早く逃げ出した方が良い場合もあるのではないでしょうか。

カウンセリングを活用する意味とは

タイプにもよると思いますが、そのことにじっくり向かい合うことは無意味なのでしょうか。そこには、仕事を辞めるとか辞めないということを遙かに超えた何か意味のある作業があるように思えます。

このような悩みにせっかく直面したという場合には、そのような線の可能性を視点の一つに入れても良さそうではないでしょうか。

カウンセリングとはそういう作業のことを指していると思っていただいても良いでしょう。結果的にやはり辞めていく決断をすることもあれば、何か自分自身の思いへの確認がついたために、退職しないという着地をする人がいても不思議ではありません。

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