仕事を辞めたいと思うことは多くの人が経験することではないでしょうか。
実際に退職する人もいれば、渋々と働き続ける人、何かの意味を見出す人など様々です。
仕事を辞めたいとき
まず、仕事を辞めるにはどのような理由があるのでしょうか。
- 入社したばかりだが、考えていた仕事と違った
- 職場の人間関係上の問題
- 残業が多く体がもちそうにない
- スランプ
- 給与が少ない
- こんなはずではなかった
- 別な業界に興味を持った
- 知人から就職の話をもらった
- 労働条件が過酷
- 現在の仕事に意味を見出せない
- 実家の方で暮らしたい
- サラリーマンを辞めたい
- 常勤を辞めたい
などなど、辞める理由も一つではありません。仕事自体への悩みから、家庭や体調なども関係することがあるようです。
また、既に辞めることを決意した後には別な悩みを覚えるかもしれません。
例えば・・・
- 辞めさせてもらえない
- 退職をなんだかんだで延期させられてしまう
- いざ辞めることが決まったら将来への不安が強くなった
などなど、この先にも幾つかの壁はありそうです。
離職にも関係する厚生労働省の調査結果
厚生労働省の調査結果も参考にすると、退職理由の大まかな所を確認できます。
- 参考資料:-令和5年雇用動向調査結果の概況-(PDF資料)
この資料を引用すると、下記のような記述があります。
令和5年1年間の離職率を離職理由別にみると、「個人的理由」(「結婚」「出産・育児」「介護・看護」及び「その他の個人的理由」の合計)によるものは 11.4%で、前年と比べると 0.4 ポイント上昇、「事業所側の理由」(「経営上の都合」「出向」及び「出向元への復帰」の合計)によるものは 0.9%で、前年と比べると 0.2 ポイント低下した。性別にみると、「個人的理由」によるものは、男性は 9.4%、女性は 13.7%で、前年と比べると男性は0.5 ポイント、女性は 0.3 ポイント上昇し、「事業所側の理由」によるものは、男性は 1.2%、女性は 0.6%で、前年と比べると男性、女性ともに 0.2 ポイント低下した。
個人的理由での離職が前年より増え、事業所側の理由が減っています。

このPDF資料の24ページ目に、年代別の離職理由が表にまとめられています。例えば、結婚を理由に退職する男性はほとんど皆無といえるようなデータです。出産育児も同様に近い状況です。

なぜ仕事を辞めたいのか必ず聞かれ、止められる
仕事を辞めたいと誰かに話した時、多くの場合、まずは「何を言っているんだ」、「辞めてどうするんだ」というような返事が返ってくるものです。身内でも友人でも、多くの場合近い反応があると思います。
とにかく仕事は続けるものという意識が世間には漂っています。
もっとも、仕事を辞めてしまうと、安定した収入はなくなり、次の就職先がすぐに見つからなければ、家賃を払い続けることもできません。もし貯金がない人であれば、すぐにでも転居を考えることになるでしょう。しかし、転居費用も多くのお金を必要とします。
カードも新しく作れない状態になるでしょう。毎月の生活費でどんどん貯金も減っていきます。だからと言って、就職できる保障などどこにもないのです。失業保険や退職金があるからと言っても、即日支給されるわけではないでしょう。
年代による辞める理由の違い
年代によって、辞めたいと感じる理由は概ね異なってくると思います。
例えば、初めての就職先で、入社3ヶ月の時点で辞めたいと思っている人と、60歳の定年がそろそろなのに辞めたいと思っている人とでは明らかに理由は異なるでしょう。
就職初期段階

出典:新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)を公表します~就職後3年以内の離職率は新規高卒就職者38.4%、新規大卒就職者34.9%~ 厚生労働省報道発表資料 ※一部改変しています
厚生労働省の資料によると、3年で3割以上の人が辞めています。
その理由については、今回の資料には掲載されていませんので、別な調査をあたる必要があります。
しかし、業種別のデータが残されています。

平均が34.9%なのですから、宿泊業、飲食サービス業の数値は20ポイント以上高い結果です。
つまり3年で半数以上が辞めると言えます。
医療、福祉も41.5%という高い結果です。人手不足やコロナの影響が想像されます。
労働者のストレスや不安等に言及している調査でも、「仕事の量」が高い位置にランクインしています。忙しい毎日に忙殺されるような現実があるのかもしれません。
就職初期の段階に浮かび上がりやすい悩みとしては、職場環境や新たな人間関係、現実と理想のギャップ(リアリティショック)などがよく取り沙汰されます。
- 関連ページ:新人看護師も直面するリアリティショック
退職理由は、こんな職場じゃ成長できない!から
忙しすぎたり、キツイと理由からの退職は多くの人がイメージしやすいところです。
しかし、昨今の報道を見ていると、ゆるすぎて退職する人が増えているというのです。
これはいったいどういうことなのでよう。
成長したいとの気持ちは多くの人が持っているものです。
はじめての就職であれば尚更のことかもしれません。
しかし、この成長したい気持ちが、そのまま成就される事が難しいということを知る人もまた多いものです。
誰しもが諦めて来た歴史があると言っても過言ではありません。
まあ、まあ、もう少し待ちなさい
はじめての就職の際、期待と不安が入り混じるものです。
ある人は、本当に自分に仕事が務まるのか・・・、恐ろしい上司に怒られないだろうか・・・と緊張するものです。
一方では、ようやく窮屈な大学から抜けて社会に出たのだから思い切り駆け上がってやる!などと思う人もいるわけです。
それは、今までの閉塞感からの脱却もあれば、早く自分が活躍したい、成長したいという思いもあるのでしょう。
いつまでの勉強ばかりでは、いつになったら実践に入るのだと問い詰めたくなるものです。
社会人になったのですから、学生とは違いいよいよ力を発揮していい舞台に上がったのです。
ですがそんなとき、上司からは「まあまあ、もう少し待ちなさい」などというセリフが出たらがっかりするのではないでしょうか。
本格化するのは秋くらいかな・・・
職員研修や会社の風土を学ぶなど、確かにそれらを終わるには半年くらいはかかるものかもしれません。しかし、大学まで勉強していて、さらに勉強なのかとつくづく退屈な思いをする人もあるのでしょう。
そして、ようやく研修も終えると、またしても上司が言うのです。
「まあまあ、そんなに急がなくても。お盆明け・・・そうね、秋くらいからぼちぼちかな」
半年待って、さらに待つのかと、モチベーションもこの辺で続かなくなる人もあるでしょうか。
なぜそんなに生き急ぐのかね?と説教を受けることもある
前のめりな態度が、時に上司の怒りをかうこともあります。
「なぜそんなに生き急ぐのか?皆で足並みを揃えることが重要ではないのか!それとも何かね一人占めしたいのか?」
こんなことを言われ続けることもあるものです。
もうやっていられない気持ちになる方もあるでしょう。
社会的背景事情があるのか
もしかすると、会社側が気をつかっている社会背景があるのかもしれません。
これは相次ぐ労働環境に起因する職場の休職者の増加や、各種ハラスメント、コンプライアンスなどに配慮するためです。
時代が変われば、こうまで言う事が変わるものなのかと思う程の事もあります。
組織側が間に合っていない可能性もある
よくコマーシャルなどで、近日公開とか、今後の動きに刮目などとして興味関心を引き付けようとするフレーズが目立ちます。
ですが、本当にそんなフレーズで言い表すべき内容のあるものなのかのいうと、必ずしもそうではないのです。
後悔されたら拍子抜けするものもあれば、いつまでも公開されず企画倒れの事もあります。
1年も待った挙句にです。
就職先もそういう面があるのでしょうか。
そうだとすれば、だまされた・・・と感じる方が出ても不思議ではありません。
就職して蓋を開けてみたら、「実は、業務内容は一切決まっておりません!」なんてこともあるやもしれません。
こんなとき、人はどう生きようとするのか。心理的な観点からは、そうした気持ちを整理し今後の自分自身の在り方を検討していく機会をもつようなやりとりとなるでしょう。
思えば、長い人類の歴史の中で、自分自身の思いや才能を潰されてきた人たちがどんなにいたことかわかりません。それが世の中であるとするなら、自分はその世の中でどう生きて行こうとするのかという問いかけがはじまることになるのでしょうか。
環境を変えるため、転職に踏み切る方もあれば、何かを見出そうとする人もあるのでしょう。
定年前近く
対して、定年の手前でこれらが起きることはそれほど多いとは言えないと思います。(時に、なぜこのタイミングで・・・というテーマはあるにしても)
定年近くの人であれば、体調面への不安や、家族関係の変動、退職後の人生の早期発見、経済的理由などが考えられます。
辞めたいという気持ちの高まりは、自分の人生をどの方向に進めたいかという問いかけをしているようにも見えるのです。仕事を辞めることが何を意味するのか理解していながらも、敢えて辞めたいと思うわけですから、相当大きな内的動きが起きていると考えたくなります。
しかし、本人がそれをはっきり意識しているかどうかはまた別なことなのかもしれません。
燃え尽きや充実感
辞める理由として、残業時間の多さを想像する人も多いかと思いますが、その他の理由も十分に退職と関係しています。どれほど福利厚生が整備されていても、充実感を得られない仕事ならば離れなくなる方もあるでしょう。または、全く他者から認められない境遇の方もあるでしょうか。
すぐにでも辞めたい

辞めたくなった時、すぐにでも!という気持ちになることもあると思います。明日にでも、できるだけ早く、という思いが多くの人が抱く率直な思いなのではないでしょうか。
それほどに、向かいたい方向への動力が高まっているということなのかもしれません。
勢いに任せることが、方向を決定づけるということもあり得るとは思います。
しかし、仕事辞め、その話が終ってしまうと、辞めるということ自体にじっくり思いを巡らせる時間も少なくなっていきます。
又、話が戻るようですが、ボロボロになってまで半年も職場に義理を果たす必要があるのでしょうか。一刻も早く逃げ出した方が良い場合もあるのではないでしょうか。
退職を引き延ばされてしまう
仕事を辞める決心をし、店長や上司にそれを伝えた後、なぜか速やかに辞められず退職を引き延ばされるという経験を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これも仕事関係の悩みの一つと言えます。
辞める意思表示をすることは、多くの場合大変な労力を伴います。
勇気のいることと言って過言ではありません。
意思表示を受けた側も、是非その思いを組み取って欲しいと、辞める側は考えるものでもあります。
しかしながら実際には、1月くらいで辞めようとしたところを半年先や、そもそもなかったことにされ数年先まで勤務するなどということもあるのかもしれません。
辞められない仕事
日本国憲法には職業選択の自由が記されているように、仕事を辞める自由や権利があります。
それでも辞められない状況とはどういうものなのでしょう。
同僚を人質のようにされる
こんなことがあっていいはずはありませんが、「君が辞めるとあの人の負担が大きくなるんだよ。直ぐに新人なんか来ないし、来ても半年は研修生みたいなもんだし。同僚を苦しめる事していいのかね?あと半年はいて欲しいね」などと同僚を人質のように扱われたらどうでしょう。
もしかしたら辞める決心もぐらつかされてしまうかもしれません。
報復される恐怖
こんなことがあっていいはずはありませんが、辞めることで掌を返したように乱暴な扱いに変わるなどということも恐ろしいことです。
この場合、今まで子育てのことに親切だった店長がその時以降融通がきかなくなったり、わざと子供を迎えに行く時間に間に合わないような仕事を押し付けてきたりするわけです。
引き留めを断る心の構えとは

書いていて恐ろしくなる思いですが、だとすればその職場は尚更早くやめたいものですし、土壇場で卑劣な手を使ってくるのですからそもそもの辞める決心は間違っていなかったことを指しているのではないでしょうか。
自分自身にブレが生じた時に、そこに付け込もうとしているのかもしれませんから、自分の意志を再確認し自分の決定に自信を取り戻すことが退職への近道になってくるでしょうか。
心理的な観点からの検討をしてみたいと思います。
時差を埋めるため熟考している様を示す
1年前から辞める決心をしていた場合、それを告げる日は大きな意味を持ちます。なにしろ1年がかりの懸案事項だったわけですから、古い戦を例にすれば、大坂夏の陣が残っているとしても、はじめて退職の意思を示すその日は当人にとっては関ケ原の合戦なのです。
ですが、上司側はその時がはじめて退職の意思を知るわけであり、混乱・動揺を示す可能性があります。(逆に拍子抜けするようにあっさりしている人もいますが)ここで、引き止めが起こるわけです。
その際、
などとなります。
退職マニュアルのような本を熟読するとやはりそのようなことがもはや慣習的にあると書かれています。これは上司の顔を立てるという意味があるそうです。
月曜日
あくまで引き延ばしは会社の希望・要望・提案であると捉える

「3月末ではなく、6月末にして欲しい」と、退職日を引き延ばされた際、これはあくまで会社側の気持ちという風に解釈すれば、第一希望が6月末という意味になります。
であれば、「再三の検討を重ねた結果4月20日迄であればなんとか・・・しかし、有給はしっかり取ります。」などという交渉になるわけです。第三希望にしか添うことが出来ないことは世の中には多々あるものです。
これは折衷案と呼べるでしょう。個人の希望だけでなく、会社側の希望も尊重した挙句の決定ですので、会社側はその行為を無下にできないのではないでしょうか。
会社を辞めること自体が半人前であるという風潮がある
これも日本社会に渦巻く根強い考え方です。かつては終身雇用制ばかりだったわけですから、途中でやめるのは良く思われない傾向が残っています。
しかし実際的には、3年以内に30%の新人はやめるとのデータがあります。
また、転職の概念をは文化によって違います。「転がる石」を良く見るか悪く見るかでまるで別な意味合いになります。(関連ページ:日本において転職は悪いこととみなされがちだが、実は多くの人が経験する )
又、人生の転機である可能性もあります。
あとの人が辞めやすくなる

本当に一刻も早くやめた方が良い職場もあるのだと思います。少しずつエネルギーを奪われているのではないかと思うところです。
自分が「一抜けた!」とやめることで、他にやめたがっていた人が実際に辞める時の支えになるのではないでしょうか。
こんな話ばかり聞かされては、やめにくくなりますが、あっさりやめた先輩がいれば見方が変わります。
退職の引き延ばしにまつわる法律的なところはわかりませんので、知識や専門家への相談も心の支えになるでしょう。ここではあくまで心理的な観点からの検討をしてみました。
カウンセリングを活用する意味とは
タイプにもよると思いますが、そのことにじっくり向かい合うことは無意味なのでしょうか。そこには、仕事を辞めるとか辞めないということを遙かに超えた何か意味のある作業があるように思えます。
このような悩みにせっかく直面したという場合には、そのような線の可能性を視点の一つに入れても良さそうではないでしょうか。
カウンセリングとはそういう作業のことを指していると思っていただいても良いでしょう。結果的にやはり辞めていく決断をすることもあれば、何か自分自身の思いへの確認がついたために、退職しないという着地をする人がいても不思議ではありません。
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