【運営元オフィス概要】

心理臨床オフィスまつだ

代表:臨床心理士 松田卓也

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スランプ

ゴルフ テーマガイド

最終更新日 2023年12月18日

仕事にいくら時間や労力を費やしても結果が出ないことがあると思います。それが一時の場合もあれば、長いこと結果が出ないという場合もあるでしょう。また、それなりに結果は出ていると思っていてもどこかで不全感を抱えている人もあるのではないでしょうか。とにかく一所懸命に臨んでいるのにという人が大半であると思います。それなのに結果が出ないとなると、本人の自信や忍耐も影響してしまいそうです。

スランプの苦悩

よくスポーツ選手や演奏家などがスランプに陥るドラマや小説があります。スランプは、それまで結果が出せていた人が、ある時から不振になるというものです。(ここでは深く触れませんが、スランプと似た表現にイップスが挙げられると思います。元々ゴルフの世界で使われた言葉であり、今ではスポーツ界全体で使われる表現になっています。)

ドラマの中で、そのことで苦悩する主人公が描かれ、そして、スランプから抜け出していくさまが描かれていきます。

その過程には苦悩をはじめ、誰かとの出会いや、自分自身への気づき、などが描かれているものもあり、技術面だけの描写以外が多く含まれている印象を受けるものです。

ドラマの世界に限らず、現在第一線で活躍している選手や芸術家達も、もしかしたら人知れず苦悩していた経験があるのかもしれません。

スポーツの世界では、若くて体力のある人が前面に出ることもありますが、一時期あまり姿を見かけなかった人が再び注目されることもあります。そして非常に良い仕事をするものです。

もしかしたら、姿を見なかった時期に、何かが進展していたということなのかもしれません

スランプの様な就活、受験、その他活動

スランプと近いことなのではないかと感じる事柄に、受験や就活、その他諸々の活動があります。

昨今、「〇活」等「現代的な言い回しがよく聞かれますが、あれらはどのくらい結果と結びついているのでしょうか。

結果が出ない時、それを一種のスランプという方面から捉え直すことはもしかしたら進展のきっかけを生むかもしれません。

「〇活」は、概ねパッケージ化されていて、取り組み方や順番などが決められたものと言えないでしょうか。この場合、その流れに合う人にはうまく行くことになりますが、馴染まない人にとっては、自分のスタイルを失いドツボにはまることになりかねないのではないでしょうか。

ただ、「〇活」は、どう取り組んでいいかわからない物事であっても、パッケージ化されることで何か安心させられてしまうようなところがあります。これは、超自然の中にあるとされる滝つぼでも見学に行くとわかりますが、大体は整備された通路があって、どこかのレジャーランドにでも言ったかのような心地で見学できる様に似ています。

ですから「死」さえも「終活」としてしまうのではないでしょうか。そこには死への大きな恐怖が見え隠れしているように感じる方はいらっしゃらないでしょうか。もっと言えば、それは経済的な感覚に転換されたとは見えないでしょうか。

師匠との別れ

もう一つ触れたいことに、師匠の存在があります。

色々な物語を見ていると、師匠とずっとうまく行っている弟子はそれほど多くはありません。

反乱を起こす人、今の師匠ではもの足りなくなる人、破門される人などは良く登場します。

出藍の誉れという言葉さえありますが、師という存在は、師匠と同じになることが到達点ではないようです。心理学風に言えば、個性化された臨床家になることなのでしょうか。師弟関係に迫ることも一つ意味があるように思います。

 表面にあらわれないこと

さて、スランプの背景にはどんな事が蠢いているのでしょう。

結果や技術力、成果、売り上げ、受賞などは、目に見えやすい形で多くの人が確認可能です。しかし、それは物事の一面であって、実際に結果を出すまでに起きていることは、目に見えないところで起きていると言っても過言ではないと思います。

水面下努力などという言葉が言い表すように、実際には表層上のこと以外に、はるかに大きなエネルギーが使われているものです。

スランプを考えるときも、この視点は意味があるように感じられます。

現在、目に見えているところでは、納得のいく結果や成果には結びついていないかもしれませんが、水面下では一体何が起きているのでしょう。

スランプのカウンセリング

こうした点にも意識を向けてみる機会が、カウンセリングの場ということもあり得るでしょう。

人間の傾向として、どうしても目に見えるところに意識が漂うものだと思います。これは世間一般にそうされているのですから、疑いもなく、そのように意識を漂わせているものだと思います。

カウンセリングでは、少し普段と違った視点を交えて、そのことを見てみるという展開になることもあるのではないかと想像しています。