ブログ著者:臨床心理士 松田卓也

最終更新日:2025年10月19日

社会人から看護師になろうと思ったきっかけとは

このさき

どんな進路を進むのか、なんの仕事に就きたいと思うのか・・・

それはどんな風に決まっていくものなのでしょう。

ある日、何かを体験したことがきっかけとなった人も多いのではないでしょうか。

進路を決めたきっかけ(ある女性の場合 フィクションエッセイ)

一概に、この方向が良いとも決めきれず、微妙な中でその都度やっていくという人もいることでしょう。

あるところから先は、その人がどう生きるか、というテーマと関連して来るとも言えるのではないでしょうか。

そこに生じる葛藤や、迷い、悩みについて、心理カウンセリングを何か役立てていただけるようなシーンもあるのではないかと感じております。

悩みを深める20代女性Xさん。医療関係へ転職を考えるが・・・(フィクション)

この物語はフィクションです。

女性が持つ悩みを物語風に書いております。

問屋さん

  • Xさんは、大学を卒業後、5年会社に勤務。
  • 27歳女性兄弟は皆結婚し、実家の近くに住んでいる
  • 大学では、特別これだというものが見つからず、とりあえず就職するものだと思って今の会社に勤めている

最近の女性Xさんの悩み

Xさんは、医療関係の機材を扱う仕事に就いていました。その中で、実は、会社を辞め自分自身が医療職になる転職を考えていたのです。

しかし、家族は猛反対しています。友人や恩師にも相談してみましたが、皆、それぞれ違うことを言うのでした。Xさんは、悩みを深めていました。

医療関係職を志すまでのXさん

まず、Xさんが、医療関係の道を志した背景にはどのようなことがあったのでしょう。

現在の仕事に就くまでは、全くその関係の道へ進むつもりはなかったそうです。今の仕事も、偶然に近い形で決まったそうです。一体何があったのでしょう。

Xさんの勤めている会社では、医療関係の機材を、直接病院に持っていったり、その機材を説明するような仕事が多くありました。

はじめは、病院の中で、話をすることに緊張していたそうですが、働くうちには慣れて行ったそうです。怪我でもしないと近寄ることもない病院でしたが、Xさんの生活の中には、病院に足を運ぶ時間が多くを占めるようになっていったのでした。

実を言えば、5年くらい働いたら、仕事を辞めるつもりもあったそうです。地元に戻って何か別なことをするか、または結婚も視野に合ったと言います。

つまり、それほどこの仕事に没頭しようという気持ちではなかったそうです。ですが、何か空虚なものを感じていたとも言います。

働いて給料が入って来ることはうれしいし助かるけど、何かピンとこないものあったそうなのです。

そのようなわけで、「だいたい仕事ってこんなものよね」と思うようになったそうです。

ですが、2年ほど前に、病院でびっくりするような経験をしたことをきっかけに、医療の道を志すようになりました。看護師になりたいと強く感じたのです。

感染性の胃腸炎で病院へ駆け込んだXさん

ある朝のことでした、体調がすぐれず、熱を測ってみると、39℃もあったのです。Xさんの頭に、最近流行している、感染性胃腸炎のことが思い起こされました。

既に職場では、何人も感染しており、皆感染を恐れていたのです。職員の中には、本気で怒っているような人もいて、職場の雰囲気は少し悪くなっていたのです。

吐き気も強く、会社を休む連絡をすると、むしろ出社禁止である旨が伝えられました。何も悪い事をしたわけでもないのに、何か悔しい気持ちでした。

そして、最寄りの小さな病院へ受診すると、自分と似たような症状の人が何人も座っていました。そして、そこで見た光景がXさんは忘れられないものとなりました。

一人の看護師さんが、患者さんに添うようにして熱を測ったりしていたのです。そして、しっかりと向き合うようにしてアナムネのようなことを行っていたのでした。

なんと会社の同僚の態度と異なることか、Xさんは看護師さんの態度に感激してしまったのでした。

こういう人になりたいかも・・・

Xさんはそのとき、温かみや頼もしさを感じたそうです。

自分が弱っていると気なのに、むいしろ冷たい態度を取られた職場との違いが強く感じられたと言います。

それは今の職場を否定しているということではなく、その職場には存在しない何かがここにはあったという意味だったそうです。

それから数日の後に、Xさんあ看護師なることを本気で考え始めたというのでした。

カウンセリングの利用

Xさんは、自分の気持ちを確認するためにもカウンセリングの利用を考えました。

どうやら、身内や近しい友人たちは自分のことを思ってくれていて、とにかく安定した生活が続けられることを願ってくれているようでした。

とてもありがたいことで、それはそれで受けとるにしても、自分自身の気持ちをまっさなら状態で確認をつけるにはカウンセリングが適しているとかんがえたそうです。

関連ページ:初めてのカウンセリング

続きはどうなるのか・・・それはわからない

さて、この先の展開は、まさに人それぞれと言えるでしょう。

なぜなら、本当に転職する人もいれば、やはり辞めないという決断をする人もいるわけです。

本当に看護師にならなければ、それはできないことなのか、などと深堀していく過程で、ひょっとすれば今のままの環境で何かを見出す可能性もあるわけです。

形だけを変えてもまた、何かが違うというものが去来すると言う事もあります。

逆に、やはり看護師なっていくことが希望している所で、カウンセリングでそこに確認がつくという展開も考えられます。

カウンセリングは、答えが置いてある場所ではないので「対話を通して~を探していく過程」などと表現しています。

この場合、温かみがある、人間的、人の役に立ちたい、安心、頼もさ、などがキーワードとして浮上する展開となるかもしれません。

そして・・・看護師になった後にも何かの迷いに遭遇することもあるかもしれません。

まとめ

小説家であれば結末も描けると思いますが、今回はここまでにしておきました。

実際的に、看護師になろうとする社会人は一定数いると聞いたことがあります。

これは臨床心理士にもいえることです。

何か、経済界での仕事の中で思うところがあってのことだったのかもしれません。

別な女性のフィクションであればある程度の完結まで書いた話があります。

ご興味があればお読みください。