現代人は交感神経優位になりがち

動き続ける

最終更新日 2025年4月7日

現代社会は眠らない社会という風に言った人はもう既にいるでしょうか。

いつからか、我々の社会は止まることをしなくなってしまったかのようです。

うつ社会と呼ばれる由縁の一つに挙げられることではないでしょうか。

現代人は交感神経を働かせ、いつも闘っている

自律神経

自律神経系は交感神経系と副交感神経系に別れます。

この二つがバランスを取っているものです。

しかしながら眠らない現代社会において、我々の体は交戦状態になりがちです。常に戦っているような感じであり、この場合交感神経優位な状態になります。

ずっと交感神経優位な状態では、様々な問題が生じることがあります。

交感神経優位時には、血管収縮、心拍数の増加、発汗などが生じています。戦闘態勢なので一時的には必要なことなのですが、長時間続くと大変そうなことは想像が付くかと思います。

そして、副交感神経はリラックス系の働きをしているわけですが、これらの乱れは頭痛や便秘などをもたらすことにつながることもあります。あわせて自律神経と呼ばれています。

24時間年中無休

いつでもどうぞ

全く休みを取らないわけにはいきませんが、巷で良く目にする売り出し文句です。

これを可能にするには大変な労力を要します。

コンビニエンスストアやファミリーレストランがその代表格です。

本当に365日、24時間営業なのです。

交代勤務を多用し、アルバイトでシフトを組んで回しているのでしょう。

日本も江戸時代が終ってから、銀座辺りで電灯に明かりが灯ったようです。

コロナ以降、早めになってきている感はありますが、やはり概ね夜も稼働し続けているのです。

働き方改革もあり、労働時間の管理は目覚ましい状況ですが、それでも社会自体が稼働し続けることには変わりありません。数字には表れていない労働をを引き受けてしまっている方もあるのでしょう。

不規則勤務

残業をはじめ、夜勤や夕勤、早番、当直など名前を変えて、勤務時間が変動することがあります。

たまにという場合もあれば、これらは勤務スケジュールに組み込んでシフトが回されている現場もあります。

生活や睡眠サイクルをつまうことが非常に難しそうです。

アメリカの人気ドラマから日本のサラリーマンの過酷さを想像する

これは余談となるかもしれませんが、アメリカの人気ドラマ24も、24時間働き通しです。

これは、やはり余談ではなく社会が休みなく急速に動き続けていることを強く思わされる作品でもあります。

最近日本版も作成されました。

つまり、形は違えど我々現代社会人はジャック・バウアーのような働き方を強いられているとも見立てられます。ずっと敵を気にしながら気を張っている様は、何かのプロジェクトに追われるサラリーマンと重なるようでもあります。

通勤電車のストレスが戦場並みという話もありました。

体を酷使する働き方ではありませんが、神経をすり減らすような社会です。いつくるかわからない上司からの電話に怯えながらずっとパソコンに向かい合っていなければならないのです。

終電から始発は4時間程度しかない

高速移動

地方の電車には、22:00を終電とする路線も珍しくはありません。その分車が活躍しているという事はあります。

都内から柏辺りで考えた場合、上野駅から終電は柏駅00:40着です。

その後、柏駅の始発で上野は、04:35発です。電車が通る音は深夜まで聞こえ、朝早くに再開するわけです。

また、混みますのでその際にはリラックスなどできません。

夜でも照明が強く、頭ではひっきりなしに情報処理を強いられる

照明一つとっても、夜なのにたくさんの光を受けています。一日中昼間のようです。カブトムシなどが大量に激突死しているのはこのために他なりません。なんとも無残な事ですし、現代人の好き勝手さが浮き彫りにされるものです。

また、テレビもほぼ24時間何かしらは放送されていますし、録画を使えば夜中でも視聴できます。

そして極めつけはスマートフォンの存在でしょう。いつでも動画を視聴できますし、誰かと通信することもできてしまいます。

平安時代や江戸時代に比べてはるかに情報処理量が多いのです。

光も一種の物理ストレスになります。

ずっと光を浴び続けている状況は現代的であります。

ストレッサーに曝されら状態では、交感神経も優位に働くものです。

テクノストレスと言われる言葉も生まれた

報道番組など見ていると、パソコンや携帯電の1日の平均使用時間が話題になっていることがあります。 2時間程度という人もいれば、8時間以上という場合もあります。 中には、携帯がないと心配を覚える人もいるでしょう。うっかり自宅に携帯電話を忘れて出勤のバスに乗ってしまったら、途中でも引き返すかもしれません。時間があれば良いものですが、だいたい朝は忙しいものです。

テクノストレスは1984年(昭和59年)にアメリカのクレイグ・ブロードが提唱しました。

シリコンバレー当時よりも、広く一般的な概念として変遷している模様です。

現代人はSNSとの付き合いにも悩まされています。

生活の必需品となるIT機器

会社に事情を話せば遅刻の理由として認めてもらえるものなのでしょうか。しかしその前に、公衆電話を見つけなくてはいけません。携帯電話は、置き忘れ防止のような観点からも商品開発がされているものなのでしょうか。

今日も多くの人が携帯を探しているのではないでしょうか。 1日2時間程度と回答している人も実は、広い意味では、間接的にもう少し多くの時間パソコンや携帯と接しているのではないでしょうか。タッチパネルが世間に登場したのは5年程前のことでした。

今では、携帯電話をはじめ、自動販売機にもタッチパネルが使われています。気が付いたら使われていたという印象です。こうして徐々に、生活のあらゆる面にインターネットやコンピューターの存在を感じるようになってきました。

今となっては、インターネット登場以前の生活を忘れてしまったという人もいるのではないかとさえ思います。少し大げさでしょうか。わざわざアフターインターネットなどという言い方をする人さえ現れたのです。

IT革命

さて、こうした中で、近年、テクノストレスという言葉をよく聞くようになりました。 これは、パソコンや携帯電話などのいわゆるIT機器と呼ばれる物たちが、 我々の日常生活に浸透してきたことが背景にあるのだと思います。 振り返ってみればIT革命という言葉がよく使用された年は、2000年頃のことです。当時の森首相の言葉をテレビで聞いた記憶が残っている人も多いと思います。あれから約15年です。

携帯電話やパソコンがこれほどに身近になるとはかつて想像できなかった時代がありました。いまとなっては、公衆電話の数がどんどん減っていき、お金を入れても壊れている場合さえあります。関心も薄れて行っているのです。不便を感じている人も私は多いと思っています。

心身への負担

さて、多くは、技術の発見がなされたとき、この技術を使えばもっと暮らしが豊かになると喜ばれるものです。 パソコンや携帯電話についても、「でもこの技術は・・・目に負担がかかりそうだなぁ」という声も同時に挙がったのだと思います。ですが、目の疲れのことに力が入り始めるのには、ずいぶん時間が経ってからだった ように思います。

パソコンの連続使用はどのくらい可能なのでしょう。個人差はあるかもしれませんが、勤務時間が8時間だからといって、8時間もPCの前に座っていることはかなりの重労働になりそうでなりません。

交感神経と副交感神経のバランスを保つことが難しい

このように、いつでもフル稼働の社会において、個人も相当な影響を受けているはずです。交感神経が優位になりがちになります。

一日疲れて帰宅した後に、まだまだ興奮冷めやらない人も多い事でしょう。ましてや、帰宅時間が23:00だったら、冷めるのは一体深夜の何時でしょう。もうすぐ朝が来てしまいます。

仕事を集中して行うのは午前中だけにして、昼以降はまったりとした仕事のみにするなどという人もいます。そして夕方にはさっさと帰って風呂にでも浸かっているのです。

本来はそれくらいのゆったり具合が必要な方も多いと思います。

現代社会では一律に労働時間も休憩時間も管理されています。そこには個人差は反映されないのです。

運動する機会・時間も奪われている

かつての人類が交感神経を優位にする状況は、マンモスと戦うような時でした。これは生物的には正しい反応であり上手に交感神経を使ってみなぎらせていたわけです。

現代ではそういうことはありませんから、やはりうパソコンなどのストレスによる優位が目立つものです。踊りながらキーボードを叩けばよいのかもしれません。

東京の人は車を使わず良く歩くので、そこはメリットになっているかもしれませんが、それも満員電車のすし詰め状態によるストレスによって相殺されてしまいそうです。むしろ、さっきまで爽快に歩いていたのに急にそういう状況に放り込まれるのですから、エアコンの効いた部屋と暖房の部屋を頻繁に出入りするような不快感もあるでしょう。

通勤の徒歩数も確かに稼ぎたいところですが、どこか閉塞感を伴うため、楽しく気軽に体を動かせる機会が本当は欲しい所です。

まとめ

仕事帰りにリラクゼーションサロンに寄ってから帰る人がたくさんいます。

これは中央線あたりのある駅で目の当たりにしたことです。

どこかで触れたように、予約していなければそのサロンでサービスを受けることはできない状況でした。

そこに予約していた皆さんは、交感神経優位な状況から、リラクゼーションでバランスを取り戻そうとしていたのかもしれません。

元々温泉が好きな国民性はありますが、巷にサウナやサロンが多いのはこうした現代的背景事情も関係しているのかもしれません。

カウンセリングは自律神経を直接的にどうこうしていくということではありませんが、対話の中でご自身の在り方や疲れなどに意識が向く機会としていただけるのではないか思っています。

忙しすぎる社会においては、そういった時間もいつの間にか削られてしまっているのかもしれません。