【運営元オフィス概要】

心理臨床オフィスまつだ

代表:臨床心理士 松田卓也

所在地:千葉県柏市3丁目7-21 椎名ビル 603

電話番号等:ホームページでご確認下さい

カウンセリングにおけるキャンセルの理由にまつわること

かなり重要 カウンセリングの進め方・活用の手がかり

最終更新日 2024年7月20日

カウンセリングはある設定の中で行われる行為です。

そうでなければ、無構造という構造で行っていると言うべきであるという主張があるほど、「構造」ということに重きが置かれています。

固い出だしになってしまいましたが、その中で「キャンセル」とはどのような意味を持つのでしょう。

キャンセルは非常に大事なことであり、カウンセリングに不可欠

カウンセラーによって考え方は様々であると思いますが、当オフィスの考えを中心に述べます。

当オフィスにおいては、予約時間直前までをキャンセル可能と設定しており、それ以降はキャンセル料が発生します。

構造に関することは下記も参考になると思います。

キャンセル料があるなんてあんまりではないか?

確かに、これは冷たい印象を残してしまうかもしれません。

何もしていないのに1万円もかかるとは、非常識ではないかとお𠮟りを頂きそうなことです。

とにかく連絡をいただければキャンセル料はかからない設定なのです。

なぜキャンセル料がかかるのか

なぜカウンセリング料金は高いのか、でも触れていますが概ね同じ理由と言えます。

カウンセリングは主に対話を主たる手段として行われる行為です。

そこには人間同士の関係があるわけですが、「カウンセリングの時間」というものを作るために、料金をはさんでいます。

友人同士で相談を行っても料金はかかりませんが、カウンセリングは料金が発生するのですから、だいぶ意識が変わることになります。

そこにさらに、キャンセル料という概念を付加するのですから、さらにその時間の重みが増すわけです。

平易に表現するとすれば、「ちゃんと行うため」です。

「本は身銭を切って買いましょう」と誰かが言っていましたが、近い発想ではないでしょうか。

経費面での意味合いは本来薄い

もう一つ現実的な説明に、「経費」がよく挙げられます。

1時間の枠を1万円で確保しているのだから、予約がなければ別な人の予約を入れられるからというしごく経済的な理由です。

他の職種でもキャンセル料が設定されているのはそのためです。

どこかのお店でパーティーを予約していたら、食材をその日のために買い込んで準備します。

ところが、当日やっぱり中止ですなどと急な連絡が来たら、買い込んだ食材は無駄になってしまうのです。

カウンセリングにおいても確かに無視できない要因ですが、一番の理由ではないと考えています。

キャンセルをしっかり行った場合には、カウンセリング1回分の意義を感じる事がある

キャンセルは、どちらかと言うとネガティブな事と捉えられがちです。

これはカウンセラー側にとっても、、クライエント側にとっても、或いは仲介している両親や教師、医師などにとってもです。

確かに、モチベーションが落ちてしまったとか、カウンセラーが信用ならなかったとか、捉えようによってはネガティブな事です。

ちゃんと選んだ

しかし、本当にカウンセリングが今その人に必要だったのか?と考えた時、ちゃんとキャンセルを選んだ結果とも捉えられるわけです。

もしキャンセルしていなかったら、嫌な所に無理やりでも通い続けるということになります。

その識別が進んだというわけですから、かなり前向きな行為ではないかと思うところです。

この識別が日常生活上のことへも波及する可能性すらあります。

同様に、体調不良でのキャンセル理由がよく話題になりますが、そこにも非常に有益な意義が含まれていると考えています。

この点は、別項で触れています。

能動的な行為

このように捉えてゆくと、キャンセルは能動性に富んだ行為です。

お越しになって50分お会いすることも大事な時間になりますが、電話でのキャンセルのやりとりも、実はカウンセリング1回分ぐらいの意味が含まれているのではと常々思っています。

まとめ

キャンセルは非常に重要なことであり、決してその権利を塞いではいけないと考えています。

そのため当オフィスの場合は最大限にキャンセルできるように、原則直前までへ連絡をお願いしている所です。

カウンセリングはその人を最大限尊重しようとする時間です。そのため、キャンセルについてもそのような態度が一貫していて自然ではないかと思うところです。