最終更新日 2023年8月22日
臨床心理士の専門性一つに、研究活動が挙げられています。
よりよいカウンセリングを行うため、その他、調査研究から見えてくることをまとめるため、経験の蓄積を結晶化するためなど、研究を行う意義は大きいものと考えられます。
臨床心理士は、大学院の過程で、研究能力を向上させるよう訓練を受けているものですが、大学院過程を修了した後でも、研究活動を続けることがテーマにもなります。
研究活動の種類にも種々あり、文献をまとめる方法や、データを集める方法、はたまた何かの活動に参加するというアクションリサーチという方法もあります。
考え方によっては、臨床心理士の活動そのものが研究としての意味合いを持つこともあるくらいであります。
カウンセリング中心でも研究活動を軽視してはいけない
また、大学から離れてしまうと、研究からも足が遠のいてしまうという現象は起きやすいと思います。学会に所属することが求められており、研究に触れる機会はあるにしても、自ら論文を執筆する機会は簡単なことではなくなるでしょう。
職場によっては、毎年何らかの論文を執筆するよう求める場所もあるでしょう。
これは、どこの現場に身を置いているかによって、差があるにしても、個々人の態度としても研究から遠のかない意思が求められるのでしょう。
昨今、ナラティブという概念が登場していることを時々で書いておりますが、これはエビデンスを軽視することとは異なります。
相互に補い合うくらいのものと捉えることが理想のようです。
そういう意味でも、研究は、エビデンスを構築するものですから、自分は臨床畑だからと言って決して軽視していいわけではありません。
自分の活動をまとめることは振り返る機会にもなる
あまり大がかりな研究ではなくとも、自分の行ってきたことを整理してまとめることは、臨床家にとっても意味のあることです。
現場で走り続けていると、どこを走っているのかわからくなくなっているかもしれません。そんなとき、数値にしたり、見出しを設けてまとめたものを作成するのは良い機会なのです。
まとめ
よく言われる事なのですが、「現場でカウンセリングを中心に活動している臨床心理士であっても、研究活動をしなさい」との叱咤激励があります。苦笑いしながら恐縮するカウンセラーの顔が浮かびます。
カウンセリングに臨む際に研究結果がどうとかいうことをあまり考えることはありませんが、研究によって支えられていることはあったように思います。
決して、カウンセリングを行うのに研究が無用などとは考えておりません。