ブログ著者:臨床心理士 松田卓也

最終更新日:2025年11月06日

これは大変!徹夜の翌日をどう乗り切る?

一睡もしなかった人

本格的な徹夜を経験された方は数多くいるのでしょうか。

学生の頃のテスト前に、朝方まで勉強した経験を持つ人は多くとも、そのまま仮眠もなしに次の晩まで働き続ける経験を持つ人はそれほどは多くはないのかもしれません。

働き方改革が進んでいるとはいえども、やはり今でもどこかで人知れず一晩働き続ける方がいるのでしょうか。

徹夜翌日は控えめに、何事もなく過ぎてくれたら良い

徹夜した同僚

  • 「また徹夜だったのよ・・・」

このセリフを知人らから幾度となく聞いたことがあります。

それは本当にそのまま一睡もしないものだったかというと、そこまでではなく2時間程度は眠っていたようです。

また、こんなセリフも時々聞きます。

  • 「あたしは久々に良く寝たー!」

つまり、睡眠不足の日々が続いた中で、ようやく8時間程度の眠りを持てたということなのです。

このような生活が事実であれば、非常に苦しい日々を送っていたと思います。

あの人はあんなに働いてるのに・・・たっぷり眠ってしまった

寝不足を自慢するような文化と言ったらおかしく聞こえるかもしれませんが、あまり他者の短時間睡眠に左右されないことは大事だと思います。

遠回しに「もっと無理して動け」と言われているかのような気分になる人もあるかと思いますが、誰しも平均的な睡眠を確保する権利があるのです。自分のペースを乱さないことが肝心です。

逆に、飲み明かしてしまった・・・という人もいるかもしれない

みんなが働いているのだから自分も!とは逆に、スナックなどで飲み明かしてしまったためという場合もあるかもしれません。

しかしその場合にも、飲まずにはやっていられないような慢性的ストレスの存在があったのかもしれません。

徹夜翌日はさえない

徹夜の翌日は、いつものようにはいかないものです。

そもそも、13時間程度の活動後は、ほぼ酩酊状態に近いとワークライフバランスの小室さんが紹介しています。

徹夜明けはその比ではありません。

これはもう冗談にならない話であり、場合によっては倒れる人もいます。

1日くらい平気だろう!と考える方もありますが、条件が揃えば1日でもリスクは高いと思います。

例えば昨今の暑さを考えた時、35℃以上もあるなかで屋外の仕事をすることになったらどうなってしまうでしょう。

万全な状態であっても危険な暑さですから、ましてや睡眠不足の状態では長時間持つとは思えません。

ずっと働いていたとみなせば、相当な労働時間になります。昨今労働時間とうつ病との関係にも注目されるようになりました。

個人事業主の徹夜は多いのではないか

また個人事業主の話しになりますが、勤務の管理をする人はいませんので、一人職場の人は自分で全てをコントロールせねばなりません。

税金の計算など立て込んでいると、何日も徹夜生活が続いている人もいるのではないかと思うのです。

また、「まだいける」と自分自身を過信して眠らず働き続ける人もいることでしょう。

その限度に気づけたなら調整もつきそうですが、だいたいにして倒れる時はわからないものです。

仕事の持ち帰りも禁止されたのにそれでも徹夜が発生す可能性は?

会社勤めの人で、残業も削減され、持ち帰りも禁止されていれば徹夜は発生しそうにありません。

しかし、実際のところはどうなのでしょう。

学校であれば、明日も君を指名するからこの問題を解けるようにしておけよ!などという数学教師がいたら、帰宅してからその生徒は死に物狂いになるでしょう。

これと近い事が会社で起きている可能性はないでしょうか。

仕事ではないのですが、明日の仕事に備えて勉強しなければならない状況です。

明日の会議で君の意見を述べてもらうからな!などという状況はありそうに思います。

どうやって一日の仕事を乗り切るのか

時には、人生の中でやむを得ず徹夜となる日があるかもしれません。

しかしそれを日常化してはもちません。

では、長い仕事人生の中の、何回かについてはという視点で対策を検討したいと思います。ここでは、概ねオフィスワークを想定しています。

いつものようにたくさん仕事をこなすことを諦める

徹夜明けは、もういつものようには働けないとわり切って、ハキハキと動くことを諦めた方が良いのではないでしょうか。日差しさえ攻撃的に感じる事になるものです。

「怪我をしない事」くらいを中心に据えて、ひたすら目立たないようにします。

細かい数字を計算するような業務は、いつもより見落としや誤りが多くなるはずです。もうそれは昨夜からはじまっていたのです。こんな日は、なるべく大雑把にできるような業務を選びたいものです。

とはいえども、現場に出るような仕事ではそうもいかないでしょう。

温存に回る

歩くスピードも最小限に抑え、なるべく小休止を取り、お昼休みもしっかり取ります。食欲はないと思いますが、ずっと起きているのですから相当カロリーも消費されているのではないでしょうか。バナナでもなんでも、何かしら食べやすいものでも摂りたいところです。

ごまかせるものは全てごまかして、帰りは少しお金がかかってもグリーン席や特急券、タクシーを利用します。

一晩長めに寝て、それで全快とはいかないかもしれません。いや、多くの場合尾を引くでしょう。1週間くらい引っ張るかもしれませんので、その週は控えめに過ごして立て直したいものです。

目立たないようにする

マスクをして、隅っこの方でもくもく作業出来たら、それらしく見えるでしょうか。

目立つと何かを刺激して新しい仕事が降ってくるかもしれません。

手を抜いているように見えるのも逆に目立つでしょう。

死角を求めて角度ですとか、高さ、こういった調節はしていいと思います。

体をいつもより前に傾けたら課長と目が合わなくなるかもしれません。

椅子の高さで調節するのも手ですし、物の配置で遮るのも手です。

書類や本を積み上げると役に立つことがあります。

自分を責めない

こんなことならそもそも徹夜しない方が良かったと思うかもしれません。徹夜などせず、二日に分けられれば、ここまで尾を引かずに済んだのです。(とはいえど、どうしても徹夜に追い込まれることもあるものです・・・)

徹夜してしまった自分を責めても何も始まりません。一刻も早くリカバリーに動き出した方が良いでしょう。

また、誰かがいつか自分のような立場になる可能性も十分あります。

その人の罪悪感を和らげることになりますし、その人の健康を守る事にもなるのです。

本当に栄養剤を飲むべきかどうかは検討したい

栄養剤

24時間働けるかどうか、と昔そんなCMがありました。

栄養剤を飲めば、疲弊した心身も幾分みなぎらせることができるかもしれません。

しかしそれはもっと頑張るということを意味するのではないでしょうか。

この辺りに、「うつ社会」なる由縁を垣間見ています。

これは慎重に扱いたいところです。

少なくとも飲んだ場合には、徹夜明けであることと、栄養剤を飲んだことを忘れて動くべきではありません。これはコーヒーのがぶ飲みについても同様です。

その他、何かの「発表」など自分自身が前に出る仕事を控えていることもあるでしょう。

そもそも、その発表の準備のために徹夜したのではないでしょうか。

だとすれば、発表が終ったらすぐに帰りたいものですし、午後からなら、午前は温存したいものです。

発表後はやや興奮気味かもしれません。意識が冴えてしまっても、とにかく早く帰って休んだ方が良いでしょう。

コーヒーを飲んでの仮眠なら、こっそり取り入れて良いように思います。この場合、こっそりがポイントで、仮眠を取って元気が出たようなつもりになっても、それは隠しておいた方が良いでしょう。仮眠で徹夜の睡眠不足や諸々の消耗が帳消しになるとは到底思えません。

限界を意識する

人間どうにもならないことがあって当然です。

先にも挙げたように、例えば徹夜明けは熱中症リスクがあがるはずです。

熱中症でも働くというのは度を越しています。

その場合には、早退でもなんでもした方が良いでしょう。

なる前に働くことをやめた方が良いと思います。

この限界を意識することで、少なくとも最悪の事態を回避する可能性を残してくれるのではないでしょうか。

もし、限界を越えて倒れれば1週間では済まないかもしれません。

しかし、限界前に白旗を挙げてでも早退すれば3日程度で復帰できるかもしれないのです。

何年かに一回の事なら優しくカバーしてくれる同僚や上司もいる

もし徹夜明けであることを打ち明けた時、メンバーによってはカバーしてくれる人もあります。

この判断は難しいところですが、会社の偉い人にばれないように休憩させてくれたり、中にはどこかの部屋で居眠りさせてくれる人さえいるものです。

本来はこうした助け合いの精神があってもよさそうなものです。

人間なのですから、機械のように365日同じように働くことが出来なくて当然でもあります。

まとめ

徹夜明けはきついものです。そんなときに益々頑張ろうなどとはせずに、一日ぐらいごまかして過ごしてはいけないものなのでしょうか。

最も、現場によっては使えない手がありますから、幾つもの策を考案しておいて損はないと思います。

週明けの月曜日も、徹夜明けではなくとも、ダークな、ブルーな開始となることがあるものです。こちらも参考になるかもしれません。