どうしても許せない人がいる

ブログ著者:臨床心理士 松田卓也

呪詛の護摩 気持ち・性格・自分自身

長い人生の中では、時に激しく衝突する人物や、仲たがいする人が現れます。

そしてその中には、長年にわたってどうしても許せない人ががいるという方もあるでしょう。

どうしても許せない人がいるのは許容されないのか

おそらく、世間で「どうしても許せない人がいる」などと口にすると、多くの場合は怒りを鎮めるようになだめられるのではないでしょうか。

或いは、すっと引いて行ってしまう方もあるでしょう。

怒りや憎しみは、世間からするとあまり積極的には付き合おうとは思いにくいものなのでしょうか。

許せないには訳があるのではないか

しかし事情を伺ってみれば、もしかしたらそれは到底許せることではない事であったと感じる方もあるかもしれません。

大事なものをけなされたとき

ナウシカが殺人

 

風の谷のナウシカと言えば、どのような印象をお持ちでしょう。

主人公のナウシカは非常に穏やかで優しいキャラクターとして記憶されていると思います。

ですが、そのナウシカが我を忘れて人を数人殺すシーンがあることを記憶している人は多くはありません。

なぜナウシカは人を殺すほどに怒り狂ってしまったのか、それはアニメを見ていればよくわかります。

もちろん、事情があれば人を殺めて良いなどということを言っているわけではありません。

ですが、それほどの憎しみを持つには、それなりの何かがあったからと考えるものでしょう。

穏やかな人でも激怒する

例えば、普段穏やかな人でも、その人にとって大事な物をけなされたら憤慨するかもしれません。

会議で決まったことを簡単に覆す人という話を書きましたが、Aさんが憤慨する様子も想像できます。

Aさんの場合は、責任感も正義感も強く、金銭的な不正を行おうなどと考えることもなかったでしょう。

そんなことよりも会社のために身をささげる相当の覚悟を決めていました。

それを理事は一言、お金にがめついようなこと言ってAさんをけなしたのでした。

このとき、Aさんは自分が強く持っていた責任感や正義感を否定されたと感じてもおかしくありません。

この場合はAさんの尊厳を傷つける発言であったと思います。

傷口に塩を塗られたらどんなに我慢強い人でも悲鳴を上げるほどでしょう。

こんな時、いかに時間を経ようとも、あの人だけはどうしても許せない人になっていくのかもしれません。

世の中には意地の悪い人が必ずいるもので、むしろその人が大事にしている事こそをけなしにかかってきているのではないでしょうか。

不思議な意味が浮上することもある

自分でもなぜなのかわからないほどに、誰かのことが嫌いになることもあるものです。

理由を並べ立てても、それほど決定的なこともないような場合です。

そのような時、何かの意味があってのことかもしれないと、カウンセラーの視点からは思うことがあります。

これは対話を重ねる中で浮かび上がるようなものであり、個別性があります。

関連ページ:なぜカウンセリングにおいては個別性を尊重するものなのか?

余裕がないときにはとにかくイライラすることもある

また別な観点からは、余裕を失っているとき、ストレス状況が続いているとき、疲労が蓄積しているとき、こんなときにも他者のことがやたらと気になることがあります。

よーく休んだらそうでもなかった、などという具合です。

この場合、許せない相手の存在が、自分自身の疲れを映し出す役割を果たしたという理解も一つにはなりたつでしょう。

世話になったようで受け入れがたいかもしれませんが。

関連ページ;歩きスマホを見ているとイライラしてしまうことがある

まとめ

このようなことを言い出すと、社会からはうとましく思われるかもしれません。

とにかく前向きにまとめたがるのが社会というものだったりします。

(そして、実際に何危害を加えてしまえば、それは罪を背負う結果になってしまいます。)

すると、存在するその気持ちはどうなってしまうのか、そこが気がかりに思うのは我々心理士だけでしょうか。

カウンセリングとは、そのような思いを語る場でもあります。

なぜプライバシーを重視しているのか、一対一で行っているのかを考えたとき、このような背景も一つの理由です。

関連ページ:1対1が基本なのですか?夫婦や家族など複数名ではいけませんか?