最終更新日 2024年8月7日
カウンセリングというと、基本的には言葉による対話が中心になります。
ですが、人によって語りのタイミングはそれぞれですから、誰でもすぐに言葉にまとまるという風にはいかないわけです。
むしろ、「自分でもまだまとまっていない」とか「適当な言葉がみつからない」など、そのような時にはその感じを大事になさっていただきたいと感じています。
カウンセリング序盤には言葉にならなかったことが、途中から自然と言葉にまとまっていくということは、実際経験しています。苦痛もある中でもどかしいかもしれませんが、とにかく早く進めることが良いとも限らないのです。
カウンセリングは、とにかく早い解決を目指すものでもない
現代社会の動きを見ていると、益々、加速しているように見えます。リニアモーターカーは夢のようでもありますが、どこまで我々の社会は加速するのでしょう。早い社会が豊かな社会なのでしょうか。
確かに、ソリューション・フォーカストやブリーフサイコセラピーなどと言っていることもあって、短期間に面接が終了することも決して稀ではありません。
又、「早く何とかしたい」というご希望から目を背けるべきでもないとは常々思っています。苦悩を背負っている本人からすれば、何を悠長なことを言っているのかとお怒りになるお気持ちも当然です。
しかし、それはそれとしても、大変心苦しいのですが早ければいいということでもありません。
じっくり悩むこと
これも、受け入れがたいことであるかもしれません。
一方では、せっかく悩み始めた時に、すぐに答えを決めてしまって良いものなのかもわかりません。このタイミングで悩みを抱いたことには、もしかしたらもっと大きな意味のあることなのかもしれません。
ゆっくりとやってみたい
費用のかかること故に、カウンセラー側としても早いに越したことはないなどと早合点してしまう可能性を意識して臨んでいます。
先に述べたように、何もかもが加速するように動いている社会の中で、カウンセリングの場くらいは、急ぐも急がないも、スピードは自由であって良い場と考えております。
もしカウンセリングを行っている中で、一度にではなく3回くらいに分けて話してみたいとお感じになられたならば、その感覚を尊重させていただきたいと感じます。
お望みならば、必要な期間、長くご利用いただくことも可能です。
なんとなく、何事も早いことが良いとする社会的通念があるように時々感じますが、カウンセリングでは、その方にとって意味ある時間の使い方をしていただける方が、カウンセリングにお越しいただいた甲斐があるように思います。
まとめ
カウンセリングへのイメージの中には、何かをたくさん話して、そして何らかの分析を行っていくようなことが含まれていると思います。このようなカウンセリングの展開はあるにしても、それは一面であり、全てのカウンセリングが辿る展開ではありません。
語りのスピードやタイミングはそれぞれですし、今回はここまでにしておきたいという場合もあるでしょう。1回のカウンセリングで、数回の発言しかなかったとしても、それは意味のある時間であった可能性があります。ご自身にとっての進め方を探して頂ける方が有益な時間になるものと考えております。