市の総人口は2025年現在、40万人を越えています。
今回は、平成17年から令和5年の人口推移をまとめました。
柏心理通信では、人口推移から臨床心理的側面についても触れます。
平成17年~令和5年、柏市の人口推移


出典・参考元:柏市HP毎月常在人口を参照して作成
上のグラフが、柏市の人口推移です。それぞれ1月を起点とした数値です。令和5年の1月では、432,562人です。
平成17年から18年に急増していますが、これは合併によるものです。またこの年につくばエクスプレスも開通しました。
2025年現在の状況
2025年(令和7年)4月1日現在:436,545人
サイトが更新されているため、最新の状況を確認できます。
柏市でカウンセリングを行う者としても、こうした動向を注視する必要はあると考えています。
平成22年(2008年)に40万人を越える
その後も、人口は漸増し平成22年中に40万人を越えました。そして、平成20年に柏市は中核市となりました。
中核市とは
柏の人口は40万人を越えています。この人口は全国的に考えても多い方に位置するのではないでしょうか。千葉県では5番目に人口の多い都市になります。
さらに人口の多い都市は、政令指定都市の認定対象になりますが(50万人以上)、柏市はそこには含まれません。現在中核市になっています。
普段このような言葉を意識することは少ないように思います。政令指定都市は時々聞きますが、中核市となると初めて聞いたという人もあるのではないでしょうか。
中核市は現在、全国で40以上が認定されています。この中核市の認定を受けると、都道府県が行っている権限が一部都市側に譲渡されることになります。例えば保育所の設立認可などがそれに当たります。このように、中核市化は事務権限が拡大することで、市民サービスの向上などが期待されたわけです。
中核市が制度として誕生したのは、それほど前のことではありませんでした。平成元年に全国市長会が、人口30万人以上の都市は、政令指定都市に準じた事務配分を行うべきであるという提言をしました。
そしてその後、調べたところによると、平成7年に中核市制度が発足しています。柏市の場合は、平成16年ごろから話がはじまり、「中核市 柏」の誕生は、平成20年4月1日のことでした。
- 参考サイト:中核市市長会のHPに解説されています。
未だに人口は増えている

令和5年に至っても人口は増加しています。柏市の試算では2035年まで増加するとされます。(参考サイト:2035年まで人口増加 その先も、ずっと選ばれるまちへ)
そして、人口増加の要因は、つくばエクスプレス沿線沿いの開発に伴う流入とされています。
JR柏駅中心部が益々ということではない模様です。
柏市の雰囲気も、JR常磐線沿いとつくばエクスプレス沿いではまるで異なります。
つくばエクスプレスは、茨城県のつくばから守谷を経て、柏市内を流山に抜けて行きます。
柏の葉キャンパス駅辺りは何やら近代的な感じが漂います。
上の地図でいうところの、北西部辺りが盛り上がっている模様です。

この写真は、柏の葉キャンパス駅近くの高層マンション群です。
常磐線の柏駅近くにも高層マンションはありますが、こちらではまだまだ土地もたくさんあるようです。
因みに、たなかやキャンパス駅から柏駅付近に移動するには電車経由ですと一度南流山まで出て新松戸で乗り換えることになります。
バスであれば直通があるのですが、同じ柏市内といえども電車一本ではつながっていないのです。いつかつながるのでしょうか。北千住駅においては常磐線とつくばエクスプレスが同じ駅で乗り換えできます。
空撮映像が、千葉県公式チャンネルで公開されていました。先日のニュースでは、自動運転バスの試験運転もはじまったと聞きます。
※出典:【ドローン空撮】千葉県のまちづくり~柏市柏北部中央地区PR動画(2024 年制作)千葉県公式PRチャンネル
臨床心理的側面

これはどのようにまとめるか難しい所があります。
一つには、日本全体と同様に、高齢化は挙げられるでしょう。柏プロジェクトという言葉が聞かれるようになりました。全国的にも柏モデルと言われています。
- 柏市ホームページより:長寿社会のまちづくり~地域包括ケアシステムの構築に向けて~
一方人口が増え続けているのですから、若手の流入も見込めます。子育て環境に関することが懸念されます。
新しい人が増えると言う事は、喜ばしいのですが、色々な文化の人が混ざり込むわけです。
テセウスの船という話がありますが、形は同じでもまるで別物になるということもあります。
そこまでの激しい増加でもありませんのでそうはならないにしても、新しく来た人と元々お住まいの人と間にどんな相違があるのか、ないのか、こうしたところへの注目も必要かと思います。
- 関連ページ:引っ越しでうつ病?
都内通勤率
柏市のXによる投稿データによると、柏市内に勤務する人が38.4%と書かれています。
そして、松戸、野田、我孫子、流山を合わせると51.3%です。
このデータにおいては、千代田区や台東区などへの都内通勤率は17.6%でした。
割と近場で働いているのだろうか・・・とみるか、結構高いとみるのか、それはもっとデータを深読みしてみなければなりませんが、結構高いのではないでしょうか。
パート勤務もここに含まれているのではないかと推測すれば、パートはおおむね柏に集中すると想定されます。するとフルタイム労働者に限った都内通勤率はもっと高いことになります。
これは国勢調査の結果を確認する必要があります。
それにしても、柏駅の混雑を見ていると通勤のストレスはあるのではないでしょうか。
いずれにしても、働く中でなにかの困難や迷いに直面することはあるものです。
- 関連テーマ:仕事の悩みに関するカウンセリング
睡眠時間が削られている可能性はないか?
通勤時間が長いから睡眠時間が削られるかといえば、これは単純な話ではありません。
しかし、シンプルに思うのは職場が遠ければ朝も早くなり、夜も帰宅が自ずと遅くなるのではないかと思うところです。
(いや、遠いからこそさっさと帰って寝ようという意識がはたらくこともあるわけですから、物事は単純ではありません。)
柏市の調査結果があります。
睡眠の充足状況は、「とれていない時がしばしばある」(46.3%)が最も多く、次いで「ほとん
どとれている」(44.6%)で、「ほとんどとれていない」は8.5%(147人)である。
引用元調査:平成28年度柏市民健康意識調査結果報告書(PDF:3,517KB)70ページを参照
睡眠は日本人の大きな悩みの一つです。柏市も例外ではないでしょう。ベッドタウンの性質がどのように睡眠に影響しているのかは検討が必要である。またこのデータは平成28年度調査時のことですから、社会背景に関係して影響を受けるものと考えられます。
共働き世帯の増加、在宅ワークの導入、コロナなどがどのように影響したかによって変化している可能性があります。
関連ページ:質の良い睡眠をとる方法とは
単身で柏駅付近に住み、都内に働きに出ている人が結構いるのではないか
国勢調査の結果を待ちたいところですが、柏駅から朝7:00くらいに電車を待つ人は概ね都内に向かっているのでしょう。
単身で柏に住む人もあるのではないでしょうか。都内に賃貸を借りるより生活しやすいという人もあるのでしょう。また、なんらかの都合により住まいだけ柏とする方もあるでしょうか。
共働き世帯
中には夫婦で都内に通勤する方もあるかもしれません。
この共働き世帯の増加は柏市も全国的な傾向と同じではないでしょうか。
これはかなり現代的なテーマになります。
関連:共働きの家事は辛い
ダブルケア
子育てと介護が同時にということも現代社会では起きています。
これをダブルケアと呼びます。
さらに、介護というのは自分の両親だけではなく、パートナーの両親、それも同時にということもあるのでしょう。
共働き世帯に介護と子育て、これは相当な消耗が予想されます。
- 関連ページ:育児中のレスパイトケアが広がっている
- 関連ページ:介護疲れ
様々な意味で環境の変化が大きい可能性がある
ずっと同じ環境の中で生きていけることの方が稀なのかもしれませんが、変化起きるたびに我々は適応を迫られます。
できる限りなだらかな変化ならば適応もゆっくりできるのですが、あまりに多くの変化が早々と訪れるのは大変なことです。
例えば、引っ越してくるご近所さんが5年に1回なのか、それとも半年に1回なのか、これはだいぶ意味合いが変わります。
人口が増えるということは、新たな出会いが増えることを意味するものです。
また、記憶に新しいところでは、柏駅前の象徴のような存在が3つも閉店しました。そごう、イトーヨカードー、マルイです。
関連ページ:イトーヨーカドー柏閉店のような環境変化とメンタルヘルス上の諸問題
メンタルヘルスに関する社会資源の状況
メンタルヘルスに対する支援状況はどうでしょう。駅前には多くのクリニックが開院しています。予約待ちの時間はどのくらいなのでしょう。
おそらく病院ではないカウンセリングルームの方は足りているのではないでしょうか。バラエティーという意味では不足しているかもしれません。
いずれにしても、これらの考察を行うには詳細な流入層の年代や世帯人数まで把握する必要があります。
気づいたことがあればここに追記したいと思います。
当オフィスは、柏に開室する、いわゆるカウンセリングルームです。なるべくこのような広い視点ももって臨床にあたれるよう心がけています。
まとめ
柏市は、千葉県内において人口の多い都市です。
その他の柏以北の大きめの周辺自治体である土浦市や水戸市と比較しても、遥かに越えています。
人口40万を越える都市は全国的にもそれほど多くはないのです。
これも東の渋谷といわれる由縁の一つなのかもしれません。


