最終更新日 2023年8月23日
1988年に臨床心理士の資格制度がスタートして以来、臨床心理士としての活動は、徐々にその活動の範囲を広げて行きました。
臨床心理士資格とは関係なく、医療や教育の分野で心理援助職が活動していましたが、臨床心理士としての活動は30年程です。
臨床心理士が多く活動する分野の一つには教育の領域が挙げられます。
スクールカウンセラー委託研究事業が開始された年は、1995年の事でした。
これ以降、学校にはスクールカウンセラーとして多くの場合臨床心理士が配置されるようになっていきました。
学校で、臨床心理士という専門職がどのような活動ができ、どのようなことで教職員と協同したり生徒のための力となれるのか、こうした取り組みが開始されたのです。
※政府系サイトの職業情報提供サイトにスクールカウンセラーの紹介がありました。
スクールカウンセラーを受け入れる側も悩んだのでは?
学校に、外から臨床心理学の専門家がやってくるという話になった時、学校側ではどんなことが起きていたのでしょう。
- どこの部屋を使うのか。
- デスクは必要か
- 教育のことをわかっているのか?
- 色々任せていいのかな
- どうせ何もできないでしょう
- 今までの取り組みを否定されるのではないか
- 生徒を甘やかそうとしないだろうか?
などと、学校側には期待もあれば混乱も大きかったと思います。
臨床心理士側もどんな心境だったのでしょう。
スクールカウンセラーに関しては様々な議論も行われてきました。
カウンセラーがいて当たり前の環境
学校にカウンセラーがいることが当たり前という環境がもたらす影響は、義務教育を終えたあとにもあらわれる面もあると思います。
通常、カウンセラーの存在に出会うことなく、生涯を過ごすということは多いと思います。精神科の病院に定期的に通院している場合でも、カウンセラーには会ったことがないという人さえ少なからずいらっしゃるはずです。
このスクールカウンセラーが、人生の早期に何らかの形で認知されることは彼らが社会に出た際にも、どこかでカウンセラーの存在を意識する可能性が残るということにつながるのではないでしょうか。
認知度が上がるということが、良いことなのかどうか、この点は検討が必要であるとしても、20年前以前の社会と比較すれば、カウンセラーに関する認識はやはり何かが変化していると考える方が自然でしょう。
繰り返しになりますが、その内容の検討はまた別な問題であると思います。個人的には、あんまり出歩きすぎる活動はどうかと思うのです。
その他
スクールカウンセラーの設置は喜ばしい事だとしても、やはり学校の中でカウンセリングを受けるという事へのためらいを感じる方も多いと思っています。
もし学校から離れた場でカウンセリングを利用したい場合には、私設開業のカウンセリング機関を選択するのも一つです。