ブログ著者:臨床心理士 松田卓也

最終更新日:2025年10月18日

ドラマにもなったスナック女子は、この時代だからこそ生まれたのか

飲み屋街

コロナ直前の事だったように思いますが、「スナック女子」なる言葉をあちこちで見聞きしました。

つまり、スナックへ通う女性が増えているというニュースでした。

コロナ禍の現在、彼女らは行き場を失ってしまったのでしょうか。

スナック女子

スナックといえば昭和を思う方が多いでしょうか。

又は、男性が行く場所と思うかもしれません。

地域によってスナックは様々な顔を持ちますが、先輩に連れられてスナックの常連になる人も少なくありません。

日本社会においては、特に仕事帰りのサラリーマンが多く通っていることに違いはないでしょう。

かつては教授に連れられて、という学生もいたかもしれません。現代社会においてはコンプライアンスにひっかかてしまうのでしょうか。

男性ばかりかと思われていたスナックにある時から女性客が増えたというのです。

女性の社会進出

堅苦しい

想像でしかありませんが、背景にあるのは、つまり働く女性が増えたためなのではないでしょうか。

働いてみて、思うところがあっても職場で言えず、それをスナックに持ち越すということです。

天丼屋にスーツ姿の女性もたくさん見るようになりましたし、よく考えてみると自然な事です。

しかしながら、スナックの扉を開けるには勇気が必要かもしれません。あの扉には非常に趣がありますから、明けたら別世界のような体験をなさるかもしれません。

どこか、カウンセリングルームにはじめて訪れた際に扉を開ける感覚に似ているようにも思います。

スナ友女の会を参照すると、スナック入門講座で勉強ができます。

参考サイト

スナ友女の会

生のコミュニケーションに飢えている

カラオケ

これは男女共にいえることですが、皆本当は人と触れ合いたいのではないのか?と感じる事があります。

SNSなど覗いてみると、わざわざネット上にその写真を載せなくても良いのでは・・・と思うことがあります。

しかし、身近にそれを共有できる相手がいるとは限りませんし、人間関係は段々希薄になっている現代社会です。

近所づきあいもそうですが、職場の人間づきあいも段々希薄になっている感じがしてなりません。

そこでスナックならば・・・と現場を変えて交流が行われているのではないでしょうか。

コロナ禍をどうする

お酒を交えての交流は、古代から存在していました。ポンペイでもエジプトでもPUBのようなものがあったようです。

この文化はこれからもずっと人類と共に継続するように思います。

下記のようにオンラインでも取り組みがなされており、多くのメディアでも報道された模様です。

参考サイト

オンラインスナック横丁

実は、2024年に「スナック女子にハイボールを」というドラマが放送された

その後、スナック女子は北香那さん主演のドラマにもなりました。

その予告編であれば、YouTubeで観ることができます。

本編を視聴したことはありませんが、この予告編からだけでもどのようなドラマなのか推測がつきます。

職場の愚痴を言っている様子

内容はわかりませんが、どうやら作中で職場の愚痴を言ってるようでした。

それを他の客やママさんが聞いています。

現代社会においては、社内では決して口に出せないこともあります。

元流しのギター弾きも登場

目の前で弾き語る人になかなかお目にかかることはありません。

(柏駅であればそれはたやすいことですが・・・)

こうした経験も新鮮に感じるのかも知れません。

そういえば、池脇千鶴さん主演の「その女、ジルバ」もバーを舞台とする非日常的な世界観でした。現代社会は固くなりすぎて、こうした世界の存在に触れる機会が減っているのかもしれません。

異世界を体験することで、人は普段は得られない何かを得ることがあるのではないでしょうか。

古くは、「秋刀魚は目黒に限る」でしょうか。きっと、その殿様は幅の広い良い殿様になったのではないかと思います。城の中の物がもっともすぐれているなどと言う幅の狭い考えから脱する経験になったのではないかと思うのです。

どこかスナック女子と通じる話のように聞こえないでしょうか。

カウンセリングルーム的性質もあるかもしれない

ある時から日本にもカウンセリングルームが点在するようになりました。これを時代背景との関係で理解する考えがあります。

詳細は省きますが、世の中の何かの力(例えば文化)が弱まったためにカウンセリングルームの存在が浮上したという意味合いです。(関連ページ:心理支援とはをご参照下さい)

これと同様に、例えば職場内のケアシステムが弱まったためにスナックを必要としているというように考えられないでしょうか。

職場内のケアシステムとは、例えば昔ながらの飲み会です。負の面もあったと言わざるを得ませんが、飲み会で同僚や上司の本音が垣間見られていた面もあったように思います。

これがなくなれば、働く人の本音はどこに彷徨うことになるのだろうと思い、その漂流地点の一つがスナックなのではないかというわけです。

考えすぎでしょうか。

まとめ

酒と人類は長い歴史を共にしてきました。

ポンペイ然り、エジプトのパピルスにも二日酔いの記述が残っています。

こうして癒されてきた寂しさもあったのかもしれません。

※決してスナックに行くべきと勧めているのではありません