✒️著者:柏に開業 臨床心理士 松田卓也

30分のカウンセリングでは短すぎるのだろうか

枠組み 進め方・活用の手がかり

通常、50分程度がカウンセリングを行う場合の平均的な時間です。

しかしながら、環境によっては30分や25分、或いは60分や70分などに設定されている場合があります。

初回に限っては120分や90分という枠組みも珍しくありません。

今回は特に2回目以降の時間についてフォーカスします。

30分のカウンセリングはあり得る

30分のカウンセリングが不可能であるかと言えば、そうではなくあり得ることです。

実際にも行われていますし、個人的にも経験があります。

この時間設定の違いにはどのような意味合いがあるのでしょう。

【 当オフィスでは初回60分、2回目から50分です 】

30分のメリットも実はある

実は、長ければ良いというものではありません。

これは飲食店に置き換えれば、「デカ盛り」が最もよいものとばかりとは言えない事と近い話かもしれません。

経済界では、たくさん食べられるとか、時間が長いと言う事がサービスの良さとして強調されることがあります。

カウンセリングの場合は、臨床的にどうかという視点になりますので、損・得とは異なる発想で理解する必要があります。とりわけ、負担になっていないかどうかには多くの意識を注いでいます。

負担が少なく済む

50分や60分のカウンセリングは、時に負担が大きくなることがあります。

病院に受診している際などであればイメージがわきやすいかも知れません。

これは精神的な不調に限らず、体の不調も同時に考えると尚更にその短さの意義が理解しやすくなります。

ベッドに横になって、痛みを覚えているというような状況下では長い時間が負担にしかならないこともあるものです。

その場合、30分以下に短くすることも、むしろ必須と言える状況があります。

それは10分ほどにせねばならない状況も存在するでしょう。

経済的負担が半減する可能性もある

30分枠では、料金が半額程度に設定されていることがあります。

50分10000円が、30分6000円というようなことです。

これは、50分で10回で終了するところを、30分ならば20回程度かかる、ということを必ずしも意味するものではありません。

つまり10回程度で終了する可能性もあります。

つまり、ここでも長ければ良いということではないことがうかがい知れます。

もし6000円で10回ならば、6万円で、所要時間は300分です。

必ずしもこうなるという意味ではありませんが、結果的には相当な節約になっています。

はじめから明示して、共通認識を持つことは必要

カウンセリングにおいて、時間も最重要概念といえるほどの役割を持ちます。

そしてそれはカウンセラーの都合でほいほいと変えてよいものではありません。

30分ならば予めそのように決めてはじめるわけです。

そこまでしっかりとした枠組みが決められないとすれば、最大30分で、体調の状況に応じて早めに終了することも可能という枠組みを作っておくことになるでしょう。

カウンセラー側の意識も変わることになる

もちろん50分だから余計な事をしていても大丈夫などという悠長なことではないこと認識していますが、やはり50分と30分では意識の使い方を変える必要があると思います。

それは、意識の凝縮度のようなところです。

50分でも30分でも、カウンセリング後のカウンセラーの感覚は同じものであることになるはずです。(同じように何かを行った、使ったという感覚)

そして、短い時間ではできるはずがないと考えるのか、やれるだけのことはやると考えるのか、このようなスタンスの違いも出てくるかもしれません。

医師ならば、飛行機の中で医療機器が不足していても、ありあわせの何かで可能な限りの処置をするのでしょう。諦めるのかそうでないのかの違いとも言えます。

対象人数が多すぎてやむを得ずということもあるかもしれない

もう一つには、人員が一人しかおらず、30分間隔で会っていかなければ多くの人に支援ができない状況になってしまう場合もあるでしょう。

もう一人カウンセラーがいれば50分でもやっていけるような状況です。

人員のリソース不足ということもあります。

限られたリソースの中で、どれだけ最大限に支援できるかという全体像を見なければならない状況も存在するでしょう。

別な話になりますが、ブリーフサイコセラピーの背景にはアメリカの保険制度が関係しています。限られた面接回数の中でやっていかねばならな事情があったと聞いたことがあります。

そのような現実的制約を、どうにかクリアしようとした結晶が短期療法を生んだという風にも言えるかもしれません。

まとめ

30分のカウンセリングは不可能ではないのですが、やはりゆったり感のようなものは低減するかもしれません。このゆったり感が臨床症状どのような意味を持つのかは検討の余地があります。

よく小一時間という言い方をしたものです。コロナの際のことなら記憶に新しいかと思います。

30分では小一時間にはならないのです。

カウンセラー側にやや、せかせかした感覚が出てしまうことは否定しきれません。

カウンセリングは、いかに効率がよくとも流れ作業のようになってしまってはいけない営みだと思っています。

そうなってしまうと、急かされてるようであったり、人間同士の信頼関係が不安定になったりと安心感のある時間とかけ離れてしまうことがあるのです。

心理臨床オフィスまつだ

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