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心理臨床オフィスまつだ

カウンセリングにマニュアルはないが、AIの活用は進んでいる

AI時代 カウンセラーの態度

最終更新日 2024年4月21日

カウンセリングにマニュアルはないと、何度もそんな言葉を聞いた記憶があります。

一方、世の中はどこに行ってもマニュアルだらけでした。

その形は様々ですが、薄っぺらいものから、数百ページある物まで・・・

そして、昨今ではAIチャットなるものが登場し、なんでも質問できる世の中になってきました。

カウンセリングにマニュアルはないが、AIの活用は進んでいる

カウンセリングは、人と人が対して行われてきました。

電話相談にも長い歴史があり、そしてコロナウイルスの登場が後押しするようにZOOMなどによる遠隔相談がかなりの数行われています。

これは、今まで物理的に利用不可能だった人達にとって画期的な事でもあったわけです。

敢えて、光の当たらない部分に光を当てることにも、見落としを防ぐ意味があると思っています。

マニュアルに書いてありませんでしたか?は、AIチャットに聞いてみたのですか?に変わる言葉となる

少し皮肉めいた話とお感じになられるかもしれませんが、マニュアルにまつわるこんな話があります。

おそらく実際に経験された方も少なくないでしょう。

それはアルバイト先で、或いは何かの研修中、そういった場面でよくあることです。

研修先で、マニュアルを参考にしながら数々の事を覚えていた青年は、一つずつチェックリストを埋めるように研修課題をこなしていたところです。ホチキスの芯がどこにストックされているのか、掃除はどのタイミングで一日何度行うのか・・・そのお店で働くための全てがそこには詰まっているという事でした。

しかし、その量は膨大で一度覚えたことであっても忘れてしまうものですし、非常に微細な修正が日々繰り返されてもいました。まるで人知れずアップデートされているパソコンのプログラムみたいです。

一通り研修を終え、実務についたその青年は、余りの忙しさに混乱していました。

思い出せないこともあり、先輩に尋ねたのです・・・

青年
青年
あれってどこにしまってあるんでしたっけ?

すると、すぐに返事はなく、先輩は沈黙しています。聞こえているのかどうか・・・

もう一度聞いてみたのです。

青年
青年
あの・・・
先輩
先輩
それマニュアルにあるでしょ!!

本当によくありそうな話です。

これがAIチャットなどが登場した後どうなるのか、概ね予想がつくわけです。

つまりは、「マニュアルに書いてあるでしょ!」が、「AIに聞いてみたの!?」に換わる未来が来るのではないかとみています。

今のところ、「ググったの?」とか「お客様、LINEでもお問合せできますよ」などでしょうか。ググるもかなり死語に近いと言われるようになっていますが。

手渡しという行為

手渡しという表現があります。

これは何も物を手で渡すというだけではなく、例えば技術や、教育にも言えることです。

弟子たちに自ら手を取って教える師匠などと言えば、尊敬されるものです。

逆に言えば、ふんぞり返っているばかりの師匠は軽蔑の意味でもちだされるのです。

AIのカウンセリング活用に因縁をつけているのではないのですが、少なくとも手渡しの行為ではなくなってしまいます。

果たして、そのことにより何を得て何を失ってしまうのか。

手塚治虫の火の鳥

余談ですが、手塚治虫の火の鳥を読んだ人はAIの登場から真っ先に世界の破滅を思い出されたでしょう。

未来編のことではなかったかと思いますが、AI同士を対話させる姿が描かれています。

また、別な話では、AIが人権を主張しだすという物語がありました。

はじめはなんのことやら理解できませんでしたが、そうなのです。

AIは人間の思考の一部を集めた集合体なのですから、Aiが「私は人間だった」と主張しても不思議な事ではありません。AIが感じる事(?)は私の一部が反応していることなのかもしれないのです。

AIをひたすら働かせるもどこか後ろめたい気持ちになるものです。

温かさと親切さ

カウンセラーに必要な態度は、これであると教わってきました。

単純な言葉のようであって、重みのある言葉です。

理屈などを覚え始めると、いつしか初心を忘れるように、目の前の人をなおざりにしてしまう事があります。これはどの職種においてもいえることでしょうか。

人と会っていく仕事などと言う以上、我々心理カウンセラーは肝に銘じておかねばなりません。

まとめ

どんな未来がやって来るのかまったく想像もつきません・・・ではなく、概ねこうなるだろうというところもあります。

そして、AI時代に手渡しカウンセリングが存在する意義とは何かを、改めて考えることも重要であると思います。

これまでにも、その時代、時代の光と影のような視点をカウンセラーは持っていたはずです。