【カウンセラーの観点から】モンテ・クリスト伯が確認を付けたかった、ただその一念とは

ブログ著者:臨床心理士 松田卓也

復讐を描いた人 柏心理通信

今回は、怒りや、復讐心について触れます。

モンテ・クリスト伯というテレビドラマがディーン・フジオカさん主演で放送されていました。もうドラマはずっと前に終了していますが、再放送でダイジェストが放映されていました。

今回の柏心理通信のテーマは、人間の中にの中に生まれ出る思いに焦点化します。

モンテ・クリスト伯の話からカウンセラーが連想したこと

この物語では、復讐に燃える主人公が登場します。

ある策謀から、すべてを失った主人公が、復讐のために名前も変えてかつての仲間たちに対峙するのでした。

しかし、そのラストは意外とも言える結末でした。

あのラストシーンを見て、青衣の女人のエピソードを思い出したものです。

何を描いていたのか

事情は違いますが、近いものを感じています。復讐を描いた作品であるには違いありませんが、それを挟んで、「あの愛の存在」を確認する物語だったようにも見えてきます。

もっとぴったりとした言葉があるのだと思いますが、言い表すことが出来ません。

もしかすると、復讐の方が2番手だったのかもしれません。

もちろん、このドラマは復讐を描かないことにはラストシーンが際立ちません。

関連作品

余談ですが、モンテクリスト伯の話は、他にも作品になっています。例えば漫画家の和田慎二さんの作品では度々復讐がテーマになり、どうみてもモンテクリスト伯がモデルなのです。

  • 例えば・・・:銀色の髪の亜里沙 wikipediaより その他、スケバン刑事の神恭一郎の生い立ちについてもお調べください。

ヒロインが込めた全身全霊の共感

復讐

ラストシーンにおいて、最も得たかった反応が返って来たことによって、主人公の復讐心や怒りは、急速に浄化されるが如く消えていきます。

ヒロインの反応に嘘偽りがあったなら、物語は全く別な破滅的方向へ進んだことでしょう。(カウンセリングで言うところの、共感にも近い反応です。(回答することとは別な応え方が存在します。ヒロインは真正面から主人公の復讐心、傷つきなど含めた全てに向かい合ったとも言えます。なかった事にしたり、無視をしませんでした。)

関連記事:答えると応える

主人公が得たかったのは、二人の未来ではなく(過去への未練ではなく)あの愛が本物だったという事実の方が重要だったのではないでしょうか。主人公自身、ヒロインとの未来があるとは考えていなかったと思います。

ですが、この作業を終えないことには、未来へと時間を進めることは難しいように思えます。

簡単に終わりにできない思いがある

「もう終わったこと」、「どうにも取り返しのつかない事」、と周囲はそう言い放って終わりにしたがりますが、本人にとって決して簡単に終わりにできることではありません。

ましてや、主人公が体験したことを振り返れば当然の復讐心と言えるでしょう。先に述べたように、緻密に復讐を描かなければこのドラマのラストシーンは際立たなかったでしょう。

主人公の思いを浄化するには復讐心を辿ることがやはり必要だったのでしょう。

もうどうにも戻すことはできないことが人生にはたくさんあります。

元通りに戻すしか、同じようにやり直す道はないわけですが、それは不可能なことだらけなのです。

しかし、次へと人はそこから歩みを進めることも珍しい事ではありません。

※意見には個人差があります。

果たして、思いが報われた時それは「浄化」のように、きれいさっぱり元通りに戻るものなのでしょうか。

ゲームの世界であれば、リセットすれば元通りになるものですが。

多くの場合、きれいさっぱり元通りになることを願うのが世に棲む人の正直なところだと思います。元に戻せないことを過ごした時、それを身に宿しながら人はどう生きて行こうとするのか、そういうテーマも含んでいるように感じています。

関連ページ:気持ちの整理がつかない

まとめ

この記事はカウンセラーの観点からの偏った記事に他なりませんので、純粋に作品として楽しみたいという方には興ざめするような内容もあったかもしれません。

どうかご無礼をお許しください。

現代社会では、とにかく理性を求められるようになりました。

あたかも怒ってはいけないと言わんばかりです。いや、もっと適切に言うなら、「適切に怒りなさい」と要求されているのです。

いかに文明化されて以降とも、やはりそこには生身の人間の存在があります。

その生れ出る感情はないがしろにされていいものではないと思っています。

関連ページ:どうしても許せない人がいる

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