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心理臨床オフィスまつだ

カウンセリングよりも飲み屋で友人に愚痴を言った方が安上がりでは?

これでいいじゃん カウンセリングに関して

最終更新日 2024年4月8日

カウンセリングと、その他の相談との違いは時々話題になります。

大きく分けて、2点あると考えておりますが、今回はその一つについて触れたいと思います。(もう一つは、精神科医と臨床心理士の違いにも書いています。)

本当にカウンセリングでなければいけないのでしょうか。ましてや高額な費用まで費やして、わざわざカウンセラーを相談相手に選ぶ必要があるのでしょうか。

友人への相談との違い

カウンセリングには、構造があるという点が、他の友人との相談や愚痴の一つの相違点になると思います。

馴染みのない表現だと思いますが、構造とは、時間や料金、場所が決まっている中で、カウンセリングが行われているという枠組みの事です。

あまり説得力はないと思いますが、案外この構造は大事な点になります。

一言で言ってしまえば、友人にカウンセリングでするような相談をし続けると気まずくなってしまう可能性があると思っています。

友人には友人の生活や気持ちなどがある

例えば、友人に相談しようと思い立ったとき、友人は仕事が忙しかったり、家庭の事があるかもしれません。気持ちとしては、飲み明かしながら存分に話をしようと決意した場合でも、急に奥さんからの電話で帰宅することになってしまいかねません。

その人のためだけの時間とすることは、割と難しいことのように思えます。

友人が別に奥さんは大丈夫だと言ってくれたとしても、相談する側からすると、何か後ろめたさを感じるのではないでしょうか。

その人のためだけの時間(そしてそれは尊重する時間として)とすることに、カウンセラーは多くのエネルギーを向けているものです。

つまり、気兼ねなく自分の相談だけに集中できるという性質が挙げられると思います。料金が発生することもこれを後押しします。

立場の違い

また、友人の立場ということもあります。例えば、結婚して家庭のある友人に、仕事の話ばかりすると、時に友人の焦燥感に触れて、気分を悪くさせてしまうなどということも考えられないでしょうか。

自分は子育てのために、残業をなるべくしないよういしているが、相談している友人は残業して当然と考えているかもしれません。

その他、早くに結婚される人もいれば、婚活でなかなか成果に結びつかず焦っているという人もいることでしょう。これらの立場の違いにより、何気なく話したことが、どこか刺々しいことになってしまう場合も起こり得るように思います。

価値観のぶつかり合う時間となることもあれば、逆に、あまり真剣な話にはならず冗談が混ざってしまうこともあるでしょう。

細々したところが、カウンセリングとの違いと言えそう

細かい話ですが、このようなこまごまとしたところがカウンセリングとは異なっていきます。しかし、それは決定的違いと言えると思います。

それでは友人と時間をしっかり決めて、とかいっそお金を払おうという気持ちになってしっかりやってもらおうと思っても、どこかお金をもらうことに罪悪感を覚えたり、時間の予定がどうしてもくるってしまうことは出てくるのではないでしょうか。

構造を設定することは大きなエネルギーを費やす事でもあります。

言わば、カウンセラーの主要な専門性の一つに、構造を守ることが挙げられるくらいだと思います。それほどに労力を要するものなのです。

1回の相談であれば(それでも簡単なことではないと思います)、友人関係でも構造を意識することは可能かもしれません。しかし、もし3回、5回、または10回以上の相談となる場合、その労力は計り知れないものとなっていくでしょう。雨の日も、雪の日も、ということになります。

そして、相談の場以外でも、友人と顔を合わせる機会が出てくると思います。

飲み屋さんとの違い

その他、時々、飲み屋との違いが挙げられますが、飲み屋もカウンセリングに近い空間ではあると思います。他のお客さんなしに、マスターと一対一だったらもっと似てきます。しかし、いつ別なお客さんが入って来るかはわからないものです。

カウンセリングはその人のためだけに確保された時間・場所と言うと他の事と区別できるように思います。もちろん他のことを否定しているのではなく、機能の違いを挙げたに過ぎません。現実には、飲み屋で上司とじっくり語り合って物事が進展することが多々あります。

ここで、一つ挙げておきたい事は、「相談」がカウンセリングの本質ではない点です。見かけ上はそう見えるかもしれませんが、本質は「どのような体験をしたか」という方なのです。

一言
寿司屋さんなどに行くと、ほとんどカウンセリングだ・・・と感じるものです。ある人達にとっては、カウンセリングより寿司屋さんの方が適している可能性はあると感じています。フレンチのコースについては、別サイトで論じてみました。

グランメゾン東京はカウンセリングルームの性質を持っていたをご覧ください。

まとめ

友人への相談との違いを列挙してまとめてみました。

  • カウンセリングでは、基本的に1対1で語り手が尊重される時間である
  • 友人の事を気づかう余り、言い出せない話題もある
  • 料金も発生し、お互いに集中した時間となりうる
  • カウンセラーは専門家であり、訓練を受けている(臨床心理士を例に)