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心理臨床オフィスまつだ

CLのためだけに確保された時間の使い方は自由

時間枠 進め方・活用の手がかり

最終更新日 2023年4月5日

カウンセリングは専門的行為であると述べてきましたが、カウンセリングの一つの特徴に、時間を決めてお会いするということがあります。

このことに関する説明はいろいろな角度から可能かと思いますが、ここでは、語りの自由さという観点から書いてみたいと思います。

カウンセリングと聞くと、何かを話し切らなければいけないというイメージをお持ちの方も多いことでしょう。

時間の使い方は自由であり、予め決めている

実際のところ、基本的にカウンセリングでは何もかも話さなければいけないという性質のものではないのです。そこには語りのタイミングや沈黙などを尊重する態度があるのです。

目の前に現れた人はカウンセラーとは名乗るけれど、いったいどこまでの話をしていい人なのか迷ったとしても不思議ではありません。むしろ、語りをゆっくり進める自由があるわけです。

ここに、強制的なカウンセリングが成立しないと考えている理由も含まれているのですが、カウンセリングの時間50分の中でどのくらい、どの話題を選択するかは基本的に自由なのです。

確かに、沈黙が辛そうなときに、質問を投げかけることでより内省が深まるきっかけとなることもあるでしょう。カウンセラーは、沈黙を無視しているわけでもないのです。

カウンセリングにおける最後の15分

カウンセリングの時間が50分ということであれば、あらかじめそのことをお伝えすることになります。仮に、50分位と説明したならばそれは55分とか60分位のイメージをお持ちになるかもしれません。

その方が時間がゆったりしていて良いのではないか?あまりきっちり時間を区切るのもどうなのか?という疑問が起きることもあるでしょう。

よくよく考えてみたことなのですが、あくまで個人的考えとして、やはり時間の使い方はご相談にお見えになった方が最大限活用できる提示の仕方が良いのではないかと今日のところ考えています。

つまり時間がはっきり決まっていたならば、「あと残りの15分の中で、あの話だけはして帰ろう」というように、相談にお見えになった方が自由に使える時間として機能しやすいのではないかと感じるのです。

専門的には面接構造などと呼びますが、これと同様に部屋や料金についてもそれぞれに意味があります。下記もご参照下さい。

あくまで相談者が自由に使える時間

ご本人が、15分間とお決めになることにも意味を感じます。

その話が、例えば1週間後のイベントのことであったとします。

カウンセラー側は最後の3分位で確認程度にその件について伺おうと考えているかもしれないわけです。ですが、カウンセラーの考えとは異なり、それは15分を必要とする意味ある大事な話だと考えられます。

もしカウンセラー本位に時間の使い方を決めてしまっていたなら、この時間はご本人が希望していた時間よりも極端に短くなってしまい、なんだかもったいない時間の使い方をしてしまったと感じながらお帰りになるかもしれないのです。

逆にカウンセラーが早とちりして、「1週間後のイベントのことを先に話題にした方がよさそうですね」などと言って、30分もの時間を費やしてしまうこともあり得ます。

ご本人は15分を希望していたのですが30分です。この場合、「話し過ぎてしまった」という感じを持ってお帰りになられることも想像されます。大事な話しだからといっても時間を使いすぎない語り方もあるものと考えれば、やはり15分でお話していただいた方が、その方の語りを尊重できるのではないかと思います。

「50分という時間をどう使っていただくか」にはカウンセラーの専門性が関係していると感じます