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心理臨床オフィスまつだ

カウンセリングは喪失を聴く事と例えられることがある

喪 テーマガイド

最終更新日 2024年4月9日

カウンセリングは時に、喪失を聴くことと紹介されます。

この表現は、カウンセリングの全てを含んでいるとは言わないまでも、かなり納得のいく表現として聞こえてきます。

喪失とは

喪失と言うと、誰かを亡くした後の体験を思い浮かべる方が多いと思います。フロイトも喪の作業(モーニングワーク)という言葉を使っていいたくらいで、カウンセリングと非常に親和性の高い出来事です。

特に、近縁の人の死は、大きな喪失感を伴うものであり、長い人生の中では、多くの方が体験することでもあります。

又、現代社会においては、葬儀の簡略化などにも見られるように、どうしても誰かの死を悼む時間が削られつつあるようでもあります。

様々な喪失体験

そして、人の死以外にも、我々の周囲には「喪失」があります。例えば、歳を重ねて行けば、若さを喪失します。病気をすれば、健康を喪失し、試験に失敗すれば、思い描いていた未来を喪失します。

これらは、過ぎてしまったことであり、その部分についてはどうにもならないことです。そこに喪失体験が生まれて行きます。ある人は、試験に落ちたことを悔やみ、他の人に後れを取ってしまったと嘆くかもしれません。

そして多くの人が経験して大人になっていく喪失には、失恋も挙げられるでしょう。失恋から数々の文学作品が生まれるほどです。そのやり場のない思いを作品に託しているのかもしれません。

聴くこととは

カウンセリングで、喪失されたことが元に戻るものではありません。カウンセラーはそこで体験される、怒りや悲哀、苦悩に添うことくらいしかできないでしょう。

しかしながら、一つカウンセリングの意義があるとするならば、この点だと思います。

先に記したように、現代社会では日常が目まぐるしく進んでいく中で、なるべく早期の前向きさを求められるかも知れません。

受験に伴う喪失感であれば、周囲は、「第2希望でも入れるだけましじゃないか」とか、「早く気持ちを切り替えて、就職に備えた方がいいよ」などという言葉がけに直面するかもしれません。

このように言う方も、別に悪気があるわけではないのだと思いますが、この場合、受験に落ちた、悔しさは、なかなか報われない思いとなってしまいそうです。

悔やむことも、前向きになることも、同じくらい大事な気持ちなのではないでしょうか。

このように、物事は簡単に済むことばかりではなく、十分に自分自身の思いに時間や労力、スポットをあてられる時間があっても良いのではないでしょうか。

さらに言えば、自分の気持ちなど見たくない、ということも尊重されるべきだと思っています。カウンセリングという場は、あらゆる方向性に開かれている点が日常との違いだと思います。これが心理カウンセラーが喪失を聴くという仕事の一側面だと思います。

時に、その先には、思いもしなかった意味が浮かび出てくることさえあるものです。

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