カウンセラーが購読しておきたい雑誌や本とは

片っ端から読む

最終更新日 2025年3月27日

カウンセラーが購読すべき雑誌とはなんでしょうか。 新聞をよく読みなさいとは、学生の頃によく言われた経験をお持ちの方も多いと思います。確かに新聞にはいろいろな情報が毎日満載です。経済のことや医療・福祉に関する記事まで幅広くあります。 毎日読んでいたら、

読まない人と比べやはりその情報量の蓄積は別な経過を辿るのではないでしょうか。知識があれば良いものでもないと思いますが、それでも、そのような機会は必要となることがあると思います。

カウンセラーはどのような雑誌・本を読むべきか

大きめの書店の専門書が扱われるコーナーに行けば、心理学関係の雑誌が定期的に発刊されていることに気づかされます。 それほどたくさんの種類があるわけではないので、書店においてある位ならば、仮に全部読んだとしても読み過ぎにはならないことでしょう。

問題は経済的な購読料をどこまで割くことができるかという方でしょうか。 月間少年誌のような価格では手に入りません。

自分で購入すること

購入するかしないか、選択に迷うことは多いと思います。購入できない分は、どこかの図書館で時間が経てば目にすることも可能だと思います。 しかしながら、自分のお金で購入するところに意味があるのかもしれません。

購読を続けることで、それはカウンセラーとしてのアイデンティティを保つことに寄与してくれるかもしれません。 逆に購入したことで満足してしまい、中身を熟読することをないがしろにしてしまう可能性もありそうですが・・・。

雑誌の価格

参考までに、雑誌類の定価を幾つか調べてみました。

  1. 臨床心理学(金剛出版):1980円(税込み)※以下全て税抜き
  2. 精神科治療学(聖和書店):3190円
  3. 精神療法(金剛出版):2420円
  4. こころのりんしょう à·la·carte (聖和書店):1760円 休刊中
  5. 家族療法研究(金剛出版):2200円
  6. 子供の心と学校臨床(遠見書房):1540円

自分のお金で購入することは大事だと思います。しかし、限度はありますので、うまく図書館や大学などの活用を組み合わせる方が現実的でしょう。

分野はなるべく広くかどうか

雑誌と一言で言っても、関係する分野を含めれば、相当数の雑誌が刊行されていることに気づかされます。(休刊となっている雑誌が多いという事実もあります)

カウンセリングに特化しか雑誌もあると思いますが、全体の中では、本当に少なものです。

カウンセリングと精神医学は異なりますが、近接領域ではありますから、やはりカウンセラーであっても、精神医学系の雑誌を購読する意義はあるでしょう。

その他、教育や福祉関係、就労関係など手を伸ばせば、もう読み切れない程です。

こう考えてゆくと、お馴染の雑誌と、それ以外の雑誌とでは、扱いを分けるくらいの力の配分は必要となるでしょう。

購読雑誌以外にも、組織に所属していれば色々な情報が舞い込んでくるものです。

全てを雑誌に寄る必要はないのです。というよりも、雑誌だけで完結しないことだらけと考えておくべきでしょう。

片っ端から本を読むのも一つ

カウンセリングの本はどれを選んでよいかわからないという難しさがあります。

書店にはそれほど多くのカウンセリング関係の本が並んでいるものです。

伊東博先生の「カウンセリング」にも触れましたが、もし片っ端から読んでみようと思った際には、カウンセラーのための基本104冊という本が出版されています。

改定新版 カウンセラーのための基本104冊 創元社 2005

104冊という具体的な数字が挙げられていますが、これで十分かというと、やはりそうではないのでしょう。タイトルには「基本」という言葉が添えられています。

何冊読んだから良いというものでもないと思いますが、このように紹介された本であれば、片っ端から読んでみようという気持ちになるかもしれません。

中にはもう読んだことのある本も交じっているかもしれませんので、それで数冊は読んだことにしてスタートということでも良いのでしょう。

カウンセリングを学ぶ立場からすると、カウンセリングを学ぶとはどういうことなのか、という疑問が終始ついてまわると思います。

場合によっては糠に釘のような思いを続けいる人もいることでしょう。そんなときに、少なくとも基本的な104冊を読んで学んだことは確かである、という自分の中での確認になるという意味も含まれるように思います。

カウンセリング、心理療法、精神医学、臨床心理学などの分類を知って読む

カウンセリングを勉強したつもりが、実はそれは精神医学だったというようなことは起こりがちです。

この点については、臨床心理士と精神科医の違いの一つは視点にある?をご参照頂くとイメージが多少なりともつくと思います。

また、カウンセリングと一言で言っても、それが何を指しているかは文脈によって異なります。

カール・ロジャーズのカウンセリングそのものを指している場合もあれば、心理療法全般をカウンセリングと表現する傾向もあります。当ブログでも、カウンセリングの種類は200を越えるという話もあるほどのページで、幾つもの方法をまとめています。

カウンセラーは非常に独自のセンス・視点を持った存在だと思います。だからこそ、自分自身の専門性とはいかなるものなのかを明確にしておく必要があり、他の職種との違いを常に意識することで、その独自性の探求が進むのではないでしょうか。

自分自身の事を棚に上げるつもりはありませんが、カウンセラー自身が、カウンセリングだと思って行っている事でも、実は、精神医学よりの発想になっていることなどはよく起こりがちなのです。(医療行為を行っているという意味ではありません。

美しく並べる

余談になりますが、雑誌や本をどのように、置いたら良いでしょう。

中身の方が重要だと多くの人は考えると思いますし、実際にそうなのでしょう。

しかしながら、余りに雑然と並べるよりは、ラックなどを購入して、美しくしておくことも、購読を意味あるものとする一つの手ではないでしょうか。

冗談の様な話に聞こえると思いますが、こうしたことが、忙しさの中で、たくさんの情報の中に埋もれさせないコツになると思います。

もし、何かのダイレクトメールなどを放置して置いたら、たちまちに雑誌はそうした紙の中に隠れてゆくことでしょう。

無駄な物は買わない!と怒られそうではありますが、購読するのであれば、このくらいのことは許されるのではないでしょうか。

しかしかっこだけ・・・と言われて恥ずかしい思いをすることがあるのも事実です。

嫌味に聞こえる

まとめ

先日見たドラマの中で、阿部寛さん演じる男性が、先生は●●の本で書かれている〇〇についてどのような考えをお持ちですか?人間心理の深いところを描いていますね・・・などというような質問を投げかけるシーンがありました。(カウンセラーに対してではありませんでしたが)

多くの専門家がたじろぐことでしょう。

人間心理を表現している本は専門書ばかりではありませんし、むしろドラマや文学の方にこそ学ぶところが多いことも事実です。

あらためて心理学やカウンセリングを学びたいという場合には、何を学びたいのかを再考すると実は違う事を学んだ方が有益であると気づくかもしれません。