【運営元オフィス概要】

心理臨床オフィスまつだ

代表:臨床心理士 松田卓也

所在地:千葉県柏市3丁目7-21 椎名ビル 603

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カウンセリングで何を話していいかわかりません

いったいどんな感じなのかしら カウンセリングに関して

最終更新日 2023年12月11日

カウンセリング自体が一体どのような目的で、何のために行われるのもかはっきりしないままはじまることがあると感じています。

カウンセリングをはじめる際に、まず本人の意思を確認することがあり、本人の希望によって開始されるものだと考えています。

時には家族やその他の人のに勧められてという場合もあると思いますが、その場合でも、カウンセリングは強制されるべきではないと考えています。ご意向によっては、カウンセリングを中止することも必要だと思います。

このような前提のもと、カウンセリングで何を話して良いものかについて触れていきたいと思います。

カウンセリングで、自分の話がうまく伝わるだろうか?という不安は多くの人が抱くと思います。

どこから話をして良いものか、途中で忘れてしまわないだろうかと、多くのことに気を使つかうことと思います。非常に緊張されている可能性も高いと思っています。

何を話していいかわからないカウンセリング

当然、メモを準備することも一つの方法だと思います。

メモにもいろいろな使い方があると思います。一つには、非常に長い文章に細かくまとめていく方式、見出しを箇条書きにする方式、自分だけにわかるように単語を並べる方式など、人によって作成するメモは異なります。

カウンセラーによってはどのようにメモを受け取るかわからないというのが実際のところです。

あくまで一カウンセラーの意見としては、メモをご準備いただくことはしていただいて良いと考えています。しかし、メモに書かれた内容は、カウンセリングの場で改めてお伺いしたいとも思います。

カウンセラーがソワソワ

また、カウンセリングには、時間に限りがあるため、メモを読むことにどのくらい時間を使って良いものか、わからない場合があります。

この点は、カウンセリングを進める上で大事なことと考えています。メモを読む最中、ずっと沈黙では、どこか居心地が悪い思いをしまわないだろうか、とか、書かれている意味をしっかり理解できているだろうか、今どのくらいの時間が経っただろうか・・・などと、カウンセラー自身の気持ちもソワソワしている可能性があります。

少なくとも、そのメモによって、どのようなことが理解されれば、お越しいただいた内容に添えるのか、この点は確認しながら進めて行きたいと考えています。

情報ではなく、体験そのものに意味がある

カウンセリングは「情報」のやり取りの場、というよりは、カウンセリングの体験そのものに意義があるとも考えています。情報という言葉自体、実際のカウンセリングにはそぐわない表現です。

今、ここ

時にカウンセリングの特徴を説明する際、「今ここ」という表現を用いるくらいです。

メモの文面からだけでは計り知れない心情があると思います。このような話は大事にお伺いしたいと思っています。もちろん、語りのペースは人それぞれですから、順番にやっていければいいのではないでしょうか。

早く話を進めなければという焦りを抱いている方もいらっしゃるかもしれませんが、大事なお話ですから、カウンセラーとしてもしっかり理解していきたいと思っています。

つまり、お話を大事にお伺いするためにも、文面だけを読んでカウンセラーがわかったようなつもりになって話を一方的に進め、適当で的外れなことを言ってしまう展開は避けたいと思っています。

それではメモを取る場合は?

最後に、話は少し別な内容になりますが、メモに関連して触れておきたいことがあります。

ご相談にお見えになられる方の中には、カウンセリングの内容をメモしようかどうか迷う場合があると思います。

つまり、カウンセラーが発言したことを忘れないうちにメモして、自宅に帰ってから思い出そうとしたりする場合です。

この点は、カウンセリングのスタイルも関係してくると思います。メモすることが適したカウンセリングのスタイルもあると思います。例えば、いわゆる宿題が出るカウンセリングもあります。

何かの資料を用いて進めるカウンセリングも存在します。もしかしたらメモが必要になるでしょう。

当オフィスの場合は、「今、ここ」でも触れたように、体験そのものを重視しているため、メモを取るようにお願いすることは基本的にありません。ただ、メモを取りたいと思った時には、それは何かの意味を含んでいる可能性があるとは考えています。

因みに、カウンセラーがメモを取るのは、基本的に初回のカウンセリングのみにしています。その際にも、なるべくメモに意識を奪われないようにしているつもりです。

話しだけがカウンセリングではない

カウンセリングは話すことが望ましい時間ではなく、お越しになった人が自由に使える時間です。時には絵を描いて過ごすことがあってもいいと思っています。

実際、絵や箱庭中心のカウンセリングもあるくらいです。

つまり、必ずなんらかの話題に時間を使わなければいけないというものでもありません。また、語る自由、語らない自由があると言えないでしょうか。

話すことが苦手

次に、何かお話になられることがあるけれど、カウンセラーを前にしてなかなか言葉にすることが難しいという場合もあると思います。

自分の事を語ることは、時に難しさも伴います。自分でもはっきりしていないこともあれば尚更ではないでしょうか。

このような時、当オフィスのカウンセリングでは、話すことがそもそも苦手であることをお伝えいただければと思います。

カウンセラーが質問を投げかける形でカウンセリングが進むことも稀ではありません。

カウンセラーの沈黙

時々、カウンセラーも沈黙しきって、カウンセリングの時間が終ってしまうことがあります。

カウンセリング自体の性質が、来談者中心と言うくらいで、カウンセラーが自発性を奪ってしまわないためということなのだと思いますが、それにして50分もの沈黙は気まずい時間になると思います。

当オフィスでは、もちろん沈黙も大事にする態度は持っておりますが、気まずくて仕方ないということの方こそ気にしています。カウンセリングの時間は、やはり安全であるという感覚が大事だと思います。

これは、この時間の責任者であるカウンセラー側が何か工夫して進めるべきだと考えています。

1回で終える必要もない

何を話していいかわからない、というお気持ちの背景には、自分の事情を全て分かり易く説明しなければならないのだ、という意識の高まりがあってのことという場合もあると思います。

せっかくお越しになったのだから、十分に、正確に自分の事情を伝えようとする気持ちになるのも不思議なことではありません。

カウンセリングでは、そのお気持ちにもなるべく沿えるようにしたいと思いますが、それが全てではないことも事実です。上述した内容と重なりますが、言葉を交わした数は少なくとも、やはりお越しいただいた意味があると感じることが多々あります。

少なくとも、安全な場所であることを確認していただけでも意味を感じますし、生活上の変化が生じることさえあると感じています。

まとめ

日本社会はなぜか、言葉でうまく話せる人を良しとして育て上げようとしています。確かに言葉はとても重要な存在ではありますが、苦手な方がいて当然だと思うところです。