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心理臨床オフィスまつだ

カウンセリングと因果論について

原因があります カウンセリングに関して

最終更新日 2024年3月23日

カウンセリングを行う際には、日常生活上でよく使われている、原因と結果の関係から物事の対処にあたるという図式から離れてみることに意義を感じています。

原因と結果を明らかにすることで人間の文明は発展したきた

もちろん、原因を明らかにして、そこに有効な対処策を講じていくという考え方や方法は、現代の文明が最も寄る辺としてきたところであり、この方法論がなければ、ここまで文明は発展しなかったことでしょう。

人間にまで適用してよいのか

この方法論は、機械などの人工物に応用する際には特に成果を上げるものとなる考えますが、果たして対人間という場合にはどうでしょうか。そして、特に人間の心理という場合ではどうでしょう。

もちろん、原因と結果のモデルによって、人間心理にも有益なことをもたらす部分もあるとは思いますが、それで全てがカバーされるかと言えば、多くの人はカバーされるわけがないと答えるのではないでしょうか。

カウンセリングでは、因果論を採用しないことがある

カウンセリングでは、この原因と結果の考え方に偏らず、さらに多様な視点から、物事を見ようとする態度を持っています。例えば、「くよくよ悩んでないで前向きにいこうよ」という言葉はよく聞くものです。

この言葉かけがすっと入って来る場合もあると思いますし、これが励ましの言葉として元気になるという人もあるものでしょう。しかし、ある時には、悩むことがその人の生を深めるきっかけになるという場合もあるわけです。

それまでネガティブとされてきた物事に新たな意味が見出されてくるという場合もあるのではないかと考えております。これが、ある一つの、カウンセラーの視点とも言えるでしょう。

原因が特定できない、特定されてもどうにもできないことがある

心理カウンセリングで問題となるテーマは、原因を特定できないことがあります。そのため、原因を探す事に時間やエネルギーを使っても、徒労に終わる可能性が出てきます。

さらには、原因が特定できたとしても、その原因を失くすことが不可能だったり、それを取り除くことに多大な時間を費やす必要がある可能性も出てくるわけです。

このようなことも踏まえ、カウンセリングでは、原因にこだわらず、むしろ、それが生じていることの意味を見出そうとする視点を持っているのです。

その意味を探す事も、もちろん簡単なことではありません。しかし、原因と結果という枠組みからだけでは得られない視点を得ることも多々あるものなのです。