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心理臨床オフィスまつだ

カウンセラーには専門分野が存在するのか

あの人にわかるのかしら? カウンセリングに関して

最終更新日 2024年2月5日

カウンセリングを行う際に、カウンセラー側はどこまで、相談に見えた方が語る内容について知識や経験を持っているのでしょうか。

例えば、子育てに関することや精神医学に関すること、ストレスや夫婦関係、就労など、CLが語る内容は非常に多岐にわたるはずです。

その一つ一つを熟知した存在がカウンセラーなのでしょうか?

先に結論めいたことを述べておくと、当然カウンセラーは全てを熟知した存在ではありません。では、カウンセリングはどうやって進めていくというのでしょう。

カウンセラーには専門にしてきた分野があるかもしれない

多領域にわたる本

先に述べたように、CLの語る内容は多種多様です。そのため、その全てを熟知することは不可能と言って過言ではないと思います。

いかに仕事に通じた人であっても、全ての仕事の詳細を知っているわけではありません。しかし、実際には、どんな仕事をなさっている人が相談にお見えになるかは会ってみるまでわからないのです。

親和性の高い分野は確かにある

一方、カウンセラーが詳しそうな分野があることも確かです、先に挙げたような、ストレスや精神医学などの分野は、その専門家ではないにしろカウンセリングを長年行っていれば、徐々にでも詳しくなっていくものです。学生の内のトレーニングでもこれらの領域には触れています。

つまりカウンセラーは全く勉強していない者ではありません。ですが、事前知識や経験がメインの活動とは言い切れない存在でもあります。

2,3の分野に従事経験を持つカウンセラーは多い

それから、常勤職一筋を除けば、2,3の分野に従事しているカウンセラーは多数です。

(常勤職一筋であっても、10年も続ければ、様々な経験を経るものですが)

例えば、卒後メンタルクリニックに週3日従事しているカウンセラーは、残りの2日別の現場に従事しています。

それは必ずしも医療分野ではありません。例えば学校のスクールカウンセラーだったりします。

するとそのカウンセラーの経験分野は、精神科領域と教育領域です。これを10年程続けてカウンセリングルームを開く人もいるでしょう。

また、自分で開業した後も、週1~3日程度外での活動を続ける場合がほとんどです。

クリニックと学校で活動していたカウンセラーは、10年の間に様々な人と会っているはずですから、それなりに経験という意味でも蓄積はあるはずです。

カウンセリングを一貫して続けていることには強い意義を感じる

現場は違ったとしても、カウンセリングを一貫して続けてきたカウンセラーは、継続的にその幅を広げ専門性を深めている可能性を感じます。

本当にカウンセリングを行ってきたのかどうかです。また、それと並行して、研修も重要な意味を持ちます。

もちろん、知識を吸収したり、経験を積むことは重要ですが、実際のセッションでは、体験に注目します。この場合、知識や経験はメインではなく、後の方に位置づけられます。

つまり、知識上でのことよりも、目の前の人が現在直面するそのことをどう体験しているかという点に注目しているわけです。

カウンセラーの視点から様々な相談が可能になる

この体験を頼りに我々はカウンセリングを行っています。そのために、子育てや就職活動のように、一見、保健師やキャリアカウンセラーに相談した方が良さそうなことでも、我々が担当することがあるのです。

子育てを教えることはできませんし、就職活動のマナーを教えることもできない存在なのですが、相談を受けることは可能なのです。

そこでは、子育てにどのように臨んでいるかや、就活にどのように臨んでいるかが主題になっていくわけです。

これがカウンセラー独自の視点・アプローチになると考えています。

例えば・・・カツ丼か蕎麦かをカウンセリングで決める

例えば、体験に注目するとこんな相談も可能になるでしょう。我々は栄養学を学んでいるわけではありませんから、そういう視点から相談には乗れません。しかし、その人の思いを尊重しようとすることは可能です。

カツ丼は脂っこいから、皆に止められてるんですよ。だけど、たまにはいいのかぁ・・・。いやしかし、なし崩しになるとなぁ・・・
カウンセラー
カウンセラー
迷っておられるのですね・・・

こんな風に、迷いそのものに添っていくこと自体がカウンセリングなのです。

そして・・・

クライエント
クライエント
周りの言う事も一理あるので、今日はあっさりした蕎麦にしておきます!はっきりしました。

これは、食べ物に限らず、進路決定、闘病、就労などの分野においての、「自己決定」の支援をしているカウンセリングと呼ぶことができるでしょう。

同窓会以後転職を考えている・・・

こんな風に、自分の気持ちを確認されていくわけです。カツ丼の話ではピンと来ないかもしれませんが、これが、会社を辞めるかどうかという話題だったらどうでしょう。

スザンヌ
スザンヌ
仕事を辞めようかと迷ってるんです・・・。やりたいことがあるとか、そうじゃないんですが。焦るんですよ。とにかく、友人の話を聞いていると。
カウンセラー
カウンセラー
もしかすると、ご友人の話に刺激されたのでしょうか?
スザンヌ
スザンヌ
ええ、きっとそう・・・。だって同窓会に行くまではこんなこと考えもしませんでしたもの。あの子が自慢げに言うものですから、こうしちゃいられないような気持になったんです。

この場合、ぐっとカウンセリングっぽく見えてくるのではないでしょうか。しかし、カウンセラーは転職やキャリアの専門家ではありません。ですが、カウンセリングは成立しそうな雰囲気です。スザンヌは、一つ自分の気持ちを確認したのです。

まとめ

  • 経験や知識はカウンセラーを確かに支えていてくれている
  • 会ったこともない人のカウンセリングが不可能という事ではない
  • むしろ、会ったことのない人が毎回訪れるのではないか
  • カウンセラーは体験に注目している(そうでないという主張もきっとあるが)

カウンセリングは、マニュアル的なものではありません。そのため、準備されたものは少ないのです。