最終更新日 2024年4月1日
話を深めるとか、掘り下げるという表現がありますが、具体的にはどういうことなのでしょう。
カウンセリングの場合もそれは意味をなすでしょうか?
個人的な経験は非常に貴重なものだと思います。例えば、ストレス対処の方法は、ストレスマネジメントのテキストに紹介されてはいますが、実際にそれを実践するその人にとってそれが有益なのか、いまいちなのか、この点は大事なところだと思います。
カウンセリングで掘り下げて成功の責任を追及する
例えば、「運動」が良いストレスケアになっていると言った人がいたとき、もう少しこのことを掘り下げてみたくもあります。
・どのくらい運動をしているのか
・どのような種類の運動なのか
・一人で行う運動なのか
・室内か屋外か
など、聞こうとすればたくさんのことが挙げられます。
また、<運動の、どんなところが良いのですか?>
というような質問を投げかけると、運動の中で、ストレスケアのエッセンスになっている部分を理解できるかもしれません。これが話を掘り下げることと言えないでしょうか。
責任を追及されるのは嫌なものですが、成功の責任であればまた違う感触を得ることでしょう。
その人が、例えば、「皆でわいわいやること・・・かな」
などと答えた時には、運動そのものに加え、どこか人との交流がケアになっているとも理解されていきます。
このような理解を重ねることが、専門家による一方的な態度を回避することに繋げられるのではないでしょうか。こうした視点は、ソリューションフォーカストアプローチの発想でもあります。
これは別な例ですが、上記の場合、堅苦しい日常で抑圧されていた方にとって運動は開放感を得られる利点があるようです。
どんな力をつかったのか
これも成功の背景にある要因になるでしょう。一体その人は、成功するに際してどんな力を発揮したのでしょう。
これは少しピントがずれていたかもしれませんが、聞いてみると何かが出るかもしれません。
人それぞれのやり方がある
ストレスケアの方法はそれぞれで、聞いてみればたくさんの方法が挙がることになります。
細かい話をすれば、夏にスイカを食べることもある種のストレスケアであると言えるでしょう。
例えば、休みの日に出掛けることが、ストレスケアになる人もいるでしょう。 柏の手賀沼湖畔などに出掛け、ゆっくりしていれば、しだいに爽やかな気分が訪れるときもあるでしょう。
その他、お気に入りの場所があったり、お気に入りのお店での食事という場合もあるでしょう。とにかく眠る人、温泉を掛け持ちする人、買い物に出かける人、何人かに聞いてみれば、このような答えが次々と帰ってきそうです。
お金をなるべく使わない方法というのもポイントになるかと思います。中には、ストレスケアのグレードもあるかもしれません。1万円くらいかけて、長時間のマッサージなどを受けにいく人も中にはいるでしょう。
人に会うことが疲れる時もありますが、誰かと会って気持ちが晴れ晴れするときもあります。何かの会合に出たり、友人らと会食に出掛けることが良いという人もいらっしゃるのでしょう。
このように、その幅は非常に広く、幾つもの方法があるのだと思います。そもそも、我々は日常的に生活各所にストレスケアを散りばめて生きて来たのではないかとも取れるくらいです。
まとめ
このようにして、カウンセリングの中でも、成功の責任追及の発想をもちいて面接を進めることがあります。
カウンセラー側は謙虚な気持ちで、その人が大事にしている事、持っている力を発見して行こうとしているのです。
一方的にカウンセラーが対処策を提案するよりも、このように展開したカウンセリングの時は、お互いに手ごたえを感じることが多いものです。
この場合のカウンセリングは、悪い対処法を改めるのではなく、その人に合った対処法を探していく過程といえるでしょう。