最終更新日 2024年4月6日
具体的にカウンセラーないし臨床心理士がどのように活動しているかについて触れたいと思います。カウンセラーは、教育関係、福祉関係など、様々な現場に従事しています。今回は総合病院の場合です。
ごく一例ですので、病院によって全く活動の仕方が異なったり、微妙に異なったりします。
ある病院勤務臨床心理士の一日
カウンセラーは病院内においては、白衣を纏っていることが多いように思います。病院以外では滅多に白衣姿のカウンセラーは見かけません。
朝の仕事
入院設備がある病院では、医師による病棟回診があります。医師が一人一人の入院患者さんに会い、その場で患者さんと話します。個室になっている場合もあれば、カーテンで仕切られた大部屋ということもあります。
また、医師によって担当する患者さんの人数も違うようです。おおむね医師と看護師さん二人で回診を行う形式が多いようですが、病院の方針やまたは診療科によって様々なようです。看護師さんと薬剤師さんが同行する場合もあるでしょう。
カウンセラーが回診に同行することもあります。回診においては、カウンセラーは前面に出ることはなく、時々発言しているなぁぐらいに見えるのではないでしょうか。
時に、回診の場面で医師がカウンセラーを紹介し、そのことをきっかけにカウンセリングがはじまっていくこともあるでしょう。
回診後
回診のあとはナースステーションで医師やそのほかのスタッフと連絡を取り合うこともあるでしょう。この際に、カウンセリングや心理検査のオーダーが出ることもあります。
外来
回診中に午前中の外来診療が既にはじまっています。毎回回診に同行することもあれば、曜日を決めて同行し、同行しない日は外来に出ていることもあります。
外来では、初診の患者さん(はじめて受診された方)の問診を担当することがあり、医師の診察の前に、おおよその状況をお伺いする場合があります。
病院によっては看護師さんが行うこともあるでしょう。
お昼
病院内に、食堂が整備されていれば、そこを利用する人もあるでしょう。または、時間が許せば最寄りの食堂を利用する方法もあります。
これは、他の病院職員や会社勤めの人と変わらないと思います。
基本的にあまり外に出る機会はないものです。
病棟カウンセリング
午前中医師から依頼のあった方に、カウンセラーが会いに行きます。そして、入院生活中負担にならない範囲でカウンセリングを行っていくことを約束してきます。
時間を決めて、以前から、入院されている別な患者さんのカウンセリングにも行きます。
外来検査
医師から検査を受けるようにとのことで、外来に検査を待っている患者さんがいます。予約を確認し、外来で検査を行います。
一日のまとめ
一日の終わりに、本日分の記録をまとめたり、明日の予定を確認したりします。
院内勉強会
勤務終了後には、月に1回程度でスタッフ向けの勉強会が開催されます。先月は栄養科の担当でしたが、今月は心理科の担当で、勉強会では講師役を務めストレスに関する講義と実習を行いました。
内容の薄い部分もありますが、おおむねこのような形で活動している心理士の方がいらっしゃるのではないでしょうか。
組織に入ると、カウンセリングだけでなく、職員研修の担当や回診同行なども予定に入ってくることがあり、より他職種との関係がクローズアップされるものと思います。(あくまで一例でありフィクションです。)
番外編
概ね、1日の中に、様々な行事を詰め込んだつもりですが、最後の部分で、院内勉強会の講師を担当することがあると触れました。
このように、面接や検査に限らず、講演などを行う場合もあるのです。物語仕立てで、もう少し詳しく触れてみたいと思います。
ある団体からの講演依頼
ある日のことでした、お昼休みも終わりに差し掛かるころ、一本の外線電話が入ってきました。カウンセリングに関する問い合わせな・・・?などと思って出たところ、Xという団体の代表の方からの電話でした。
その方が言うには、今度専門職を呼んで、団体の方向けに、講演を企画しているそうでした。今回のテーマは「ストレス社会を乗り越えるコツ」という内容だそうです。
何やら難しそうなタイトルですが、確かに関連する分野なので、検討することを伝え、スケジュールを調整することとしたのでした。
その後日常業務の合間を使い、または残業して、講演の準備をはじめることになりました。パワーポイントのスライドを使っての講義形式になりそうでした。
※このような講演依頼は、結構ありがちなものです。人前で話すことが苦手なカウンセラーもいると思います。人知れず講演の練習をしているカウンセラーも多いのではないでしょうか。
まとめ
病院によって活動スケジュールは様々です。ここに示した例は、フィクションでもあり、ごく一例です。